[無料公開] 【日曜メインレース】・10月31日(日)の全頭評価、騎手評価
日頃より本ブログをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
10月31日(日)の【日曜メインレース】に関するご報告になります。わたくし大谷内の体調が万全でなく、十分と言えるまでの下調べができませんでした。つきましては、調べがつき、準備できていた段階の展望のみをお伝えいたします。無料での公開になります。
10月31日(日)・【日曜メインレース】の展望です。提供レースは2鞍(東京11R、阪神11R)です。
【展望】
━━━━━━━━━━━━━━
東京11R
天皇賞(秋)(GI) 10月31日(日) 3強対決に注目
東京の芝2000mで争われるGI競走。
芝は開催4週目で、先週までのAコースからBコース使用に替わっている。1コーナー奥の引き込み線からのスタート。すぐに2コーナーの左カーブが来るため、外枠だとコースロスが生まれる。道中に起伏あり。直線残り450m~300mまで少し急な上り坂になっている。直線距離は525.9m。
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前日の夜の段階で、コントレイルが単勝260円で1番人気、グランアレグリアが290円で2番人気、エフフォーリアが380円で3番人気。3連複のオッズを見ると、この3頭の1-5-9が360円となっている。
“3強対決”の図式が濃く、それぞれ4歳の牡馬、5歳の牝馬、3歳の牡馬で歩んできた道が違うのが特徴的だ。3強対決は一角が崩れるケースが多いが、そもそも競馬はそう簡単に人気上位3頭では決まらない。天皇賞はどうなるのか…。
コントレイルは無敗のまま三冠馬に輝いたあと、ジャパンカップで2着、4歳になって春に大阪杯は道悪の中で3着だった。言うまでもなく、ジャパンカップを使ったのは異常なこと。矢作芳人師もそれは認めていて、出走したのは「引退レースだったアーモンドアイと戦えるチャンスがそこしかなかった」という理由からである。
無理使いしたことでじっくりと休ませたが、大阪杯でも完全に立ち直ってはいなかったのもかもしれない。疲れが残ったので宝塚記念はパス。鳥取の大山ヒルズで静養し、9月28日に栗東に帰厩した。
攻めの気配はかなりいい。2週前に主戦の福永祐一が跨ってCWコースで64秒台-11秒台で先着。1週前も福永騎乗でCWコースで併せ馬を行い、63秒台の好時計で先着した。今週は助手が乗って坂路で51秒7-12秒1。ほぼ馬なりの調整で、大きな跳びで推進力ある走りが目立っていた。いい仕上がりにあるのは間違いない。
グランアレグリアは大阪杯で初めて2000mに挑戦し、3着コントレイルとクビ差の4着。次に中5週でヴィクトリアマイルを使って圧勝し、中2週と間隔が詰まっていた安田記念はアタマ差の2着だった。
その後は福島県のノーザンファーム天栄に放牧に出されていたが、息づかいに違和感が生じ、喉頭蓋エントラップメントの症状があることが判明。12日に軟口蓋を切開し、喉頭蓋を開放する手術を行った。手術自体は短期間で行う簡単なものだったとのことである。
美浦に帰厩したのは9月29日。そこからは坂路とウッドコースで意欲的に乗り込んできた。10月13日の段階で、坂路で50秒8。1週前には主戦のルメールが騎乗してウッドで66秒4-12秒3が出て、今週はやはりルメール騎乗、ウッドで65秒-11秒7で追われた。コントラチェックを大きく追走する形で同入している。
これまで最も強い負荷をかけられたのは3歳の阪神カップ(5馬身差で圧勝)と4歳の安田記念(アーモンドアイを破ってV)だったが、この2つに負けないぐらいにハードに乗られてきた。
これだけやれているのだからノドの心配はないのだろう。ただ、何しろ場所が場所、先日もクリソベリルがノドが原因で引退したばかり。もちろん攻めと実戦では大きな違いがあり、影響が出ないことを祈るばかりだ。
ノドに問題がないとして、精神面で大きく成長しており、キレイな馬場の府中なら2000mにも難なく対応してくるだろう。
エフフォーリアは春に皐月賞を好位のインから抜け出して一冠。ダービーはハナ差の2着だったが、直線で早めに先頭に立ち、そこからかなり外に動いた。結果、シャフリヤールに内をすくわれたものである。勝ち時計の2分22秒5はダービーレコードだった。
若い横山武史がパニック気味に強引に乗ってしまったもの。ごく普通の競馬をすれば、普通に勝っていた。二冠馬になっていたら、秋は菊花賞を使うしかなく、この場にはいなかったかもしれない。
武史は菊花賞でタイトルホルダーを勝利にみちびき、騎手としては準三冠となった。腕力が強く、馬を伸ばすという意味では現役トップレベル。JRAでは川田将雅と双璧と言える。以前はかなり雑に乗るところがあったが、丁寧さが出てきた。さらなる飛躍が楽しみだ。
エフフォーリアは9月30日に放牧先のノーザンファーム天栄から美浦に戻った。追い日はウッドコースで、坂路も挟んで入念な調整ぶり。ここ2週は武史が手綱を取り、1週前にウッドで69秒1-11秒3、今週はウッドで69秒3-11秒3で追われている。
基本的に終い重点の稽古。1週前に66秒ぐらいでやれていると良かった気もするが、武史は「パワーがついて、一段と成長した」と話している。調教後の計量は前走比12キロ増の522キロ。1週前にボテッと見えた腹回りもすっきりしてきた。若干、余裕があるかもしれないが、態勢はほぼ整ったとみていいだろう。
やはりこの3頭が上位を争う可能性が高い。食い込むとすれば、少し前で運ぶことができるカレンブーケドール、ポタジェ、トーセンスーリヤか。差し馬ではサンレイポケット、ペルシアンナイト、ユーキャンスマイルあたり。
あと、カイザーミノルの名前を挙げておきたい。毎日王冠では久しぶりに1800mを使って0秒3差の5着。追われて決め手を欠いた内容だったが、ゴール板を過ぎてから、またスーッと脚を使って先頭に並んでいた。
ゴール板を過ぎたあとの動き、姿を見るのは、とても大事なこと。息を止めた形の全力疾走から解放されてどうなるかで、スタミナが残っているのか、走り切ったレースだったのかを判別することができる。
先にも書いたタイトルホルダー。ダービーは6着だったが、厳しい競馬の中で直線はジリジリと下がり、しかし、ゴール板を過ぎるとスッと先頭に立っていた。タンクを使い切っていない証拠で、異様なスタミナがあることを証明するものだった。
カイザーミノルに関しては、ブリンカーを着けてから内容が上がっている。噛み気味に走っても追われて渋太く抵抗するし、それでいて全力で走っていないようにも見える。前2走で跨った横山典弘は「この馬は何かを隠し持っている」と話し、それでマイルではなく、距離を延ばして2000mの天皇賞に挑むことになった。
さすがに相手が強い感じだが、逃げの手に出る可能性があるし、ノリが何か仕掛けてくるかもしれない。今回、アッと言わせるシーンがないとは言い切れず、結果が出なかったとしても、どこかで穴を開けそうだ。
──────────────
以下、出走全馬の評価、騎手の評価である(50音順)。
エフフォーリア 評価S 騎手S
カイザーミノル 評価B 騎手A
カデナ 評価C 騎手A
カレンブーケドール 評価A 騎手B
グランアレグリア 評価S 騎手S
コントレイル 評価S 騎手A
サンレイポケット 評価B 騎手B
トーセンスーリヤ 評価A 騎手B
ヒシイグアス 評価B 騎手S
ペルシアンナイト 評価B 騎手B
ポタジェ 評価A 騎手S
ムイトオブリガード 評価C 騎手B
モズベッロ 評価C 騎手B
ユーキャンスマイル 評価B 騎手B
ラストドラフト 評価C 騎手B
ワールドプレミア 評価C 騎手A
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阪神11R
カシオペアステークス(L) 10月31日(日) 混戦ムード
阪神の芝1800m(外)で争われるリステッド競走。
芝は開催4週目で、Aコース使用4週目になっている。2コーナーからのスタート、外回りコース使用でワンターン。4コーナーの残り600mから下リ坂になり、直線残り200m~100mが急な上り坂になっている。直線距離は473.6m(Aコース使用時)。もちろん競馬によるが、残り600mあたりからペースが上がり、ラスト1ハロンが少しかかるというラップ構成になりやすい。
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以下、出走全馬のポイントと評価、騎手の評価である(50音順)。
【アドマイヤビルゴ】評価A 騎手B
デビュー時にクラシック候補と言われた素材。馬体の成長が欲しいが、復帰戦のケフェウスSでは道悪の中を2番手追走からクビ差の2着に応戦した。間隔を取り、攻め量は上々。阪神の芝1800m(外)は適す条件で、57キロは少し影響するかも。
【アフランシール】評価C 騎手A
“1400mの差し”というイメージだが、新潟の芝1800m(外)で行われた春の福島牝馬Sでは0秒3差の8着に駆けた。中距離にメドは立っている。ただ、夏の朱鷺Sは、掛かって自滅した。久々で攻めの動きはひと息。
【ヴァルコス】評価B 騎手A
父がノヴェリスト、祖母がウインドインハーヘアという底力ある血統。3歳時に青葉賞で早めに動く競馬からクビ差の2着に駆けている。脚元が弱く、1年ぶり、時計は坂路のみ。叩いた方が良さそうだが、陣営の感触は悪くない。
【ヴァンケドミンゴ】評価B 騎手B
祖母はオークス馬ウメノファイバー。切れはひと息だが、持久力ある末脚を発揮する。京都で行われた昨年の当レースは0秒2差の3着で、次走で福島記念をクビ差の2着に駆けた。攻め量は上々。混戦になれば。
【ウインイクシード】評価A 騎手A
岡田一族らしく、“長く渋太く脚を使う”というタイプ。重賞で2着が1回、3着が2回ある。追い切りは芝コースに入れてしっかりと先着。外回りコースの直線は長いが、前でスムーズな競馬ができそうなメンバーで。
【エアロロノア】評価A 騎手A
祖母は秋華賞馬エアメサイア。条件級を3連勝し、初の重賞挑戦だったマイラーズCでは、速い時計の中を0秒2差の5着に伸びた。久々の前走は押しが利かずに7着。まだ完成前という印象はあるが、叩き2戦目、実績ある阪神で。
【ドゥオーモ】評価B 騎手B
7歳だった昨年は、小倉大賞典を52キロのハンデで2着、函館記念をハンデ53キロで2着。ムラな面があるが、しっかり脚が溜まるとグッと伸びてくる。栗東のコースと坂路で乗り込みは順調。57キロでも上がりがかかれば。
【ファルコニア】評価A 騎手B
3歳時にスプリングSで4着、京都新聞杯で3着。4歳の春に条件級を連勝してオープン入りし、エプソムCで内めを攻めて3着に応戦した。小倉記念(6着)は厳しい競馬に。坂路でやって、量的には上々。(2.1.0.0)の阪神、リステッドなら主力。
【フランツ】評価A 騎手B
オープン、リステッドで2着が2回、3着が1回。重賞の最高は新潟記念の5着。道中で行きたがったり、追われて気を抜いたりと気性に課題があるが、能力は高い。音無秀孝流で坂路(栗東)でしっかりと。噛み合えば好勝負になる。
【ベステンダンク】評価B 騎手B
自分のリズムで走ると粘り強さを発揮する。当レースは7歳時に2着。リステッドを1勝し、重賞はマイラーズCで2着がある。3走前からブリンカーを着け、米子Sでは59キロで逃げて4着。今回も59キロだが、マークが緩むとあるいは。Bは外す。
【ホウオウピースフル】評価A 騎手C
ブラストワンピース(有馬記念)の妹。3歳の春にフローラSでクビ差の2着に好走している。うるさい気性が課題だったが、前2走ではタメる形から4着に伸びた。コースと坂路で十分に乗って好仕上がり。落ち着いて走れば勝ち負けまで。穴で狙い目あり。
【マンオブスピリット】評価B 騎手A
3歳時の春に京都新聞杯でクビ差の2着。勝ったのはディープボンドで、3着がファルコニアだった。その後は結果が出ず、中間に去勢手術を施した。コースを中心に攻めは入念。叩いた方がいいが、変わる可能性はある。
【メイショウエイコウ】評価C 騎手B
5勝はダート。が、芝で走れるフットワークで、実際に今年2月の関門橋Sでは終いに脚を使って3着とクビ差の4着に駆けている。久々を叩いての中1週。間隔が詰まっていても問題はない。1800mでも少し時計がかかってくれれば。
【リプレーザ】評価A 騎手B
3歳1勝クラス勝ちは阪神の芝1200m(内)。大外を回り、32秒9の上がりで猛然と追い込み切った。次走でダ1870mの交流重賞を勝ち、JDDで0秒1差の5着に健闘している。坂路(栗東)で乗り込んでいて、もう1本あれば理想か。底が割れず、54キロなら古馬相手でも。穴で狙い目あり。
【レッドガラン】評価A 騎手C
昨年の春に今回と舞台が一緒の大阪城S(L)を好位から抜けてV。秋の当レースは0秒2差の4着だった。約半年ぶりの実戦だった前走では内から脚を使って3着。1週前に栗東CWで追い、今週は坂路でラスト11秒9。好勝負必至。
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10月31日(日)の【日曜メインレース】に関するご報告になります。わたくし大谷内の体調が万全でなく、十分と言えるまでの下調べができませんでした。つきましては、調べがつき、準備できていた段階の展望のみをお伝えいたします。無料での公開になります。
10月31日(日)・【日曜メインレース】の展望です。提供レースは2鞍(東京11R、阪神11R)です。
【展望】
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東京11R
天皇賞(秋)(GI) 10月31日(日) 3強対決に注目
東京の芝2000mで争われるGI競走。
芝は開催4週目で、先週までのAコースからBコース使用に替わっている。1コーナー奥の引き込み線からのスタート。すぐに2コーナーの左カーブが来るため、外枠だとコースロスが生まれる。道中に起伏あり。直線残り450m~300mまで少し急な上り坂になっている。直線距離は525.9m。
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前日の夜の段階で、コントレイルが単勝260円で1番人気、グランアレグリアが290円で2番人気、エフフォーリアが380円で3番人気。3連複のオッズを見ると、この3頭の1-5-9が360円となっている。
“3強対決”の図式が濃く、それぞれ4歳の牡馬、5歳の牝馬、3歳の牡馬で歩んできた道が違うのが特徴的だ。3強対決は一角が崩れるケースが多いが、そもそも競馬はそう簡単に人気上位3頭では決まらない。天皇賞はどうなるのか…。
コントレイルは無敗のまま三冠馬に輝いたあと、ジャパンカップで2着、4歳になって春に大阪杯は道悪の中で3着だった。言うまでもなく、ジャパンカップを使ったのは異常なこと。矢作芳人師もそれは認めていて、出走したのは「引退レースだったアーモンドアイと戦えるチャンスがそこしかなかった」という理由からである。
無理使いしたことでじっくりと休ませたが、大阪杯でも完全に立ち直ってはいなかったのもかもしれない。疲れが残ったので宝塚記念はパス。鳥取の大山ヒルズで静養し、9月28日に栗東に帰厩した。
攻めの気配はかなりいい。2週前に主戦の福永祐一が跨ってCWコースで64秒台-11秒台で先着。1週前も福永騎乗でCWコースで併せ馬を行い、63秒台の好時計で先着した。今週は助手が乗って坂路で51秒7-12秒1。ほぼ馬なりの調整で、大きな跳びで推進力ある走りが目立っていた。いい仕上がりにあるのは間違いない。
グランアレグリアは大阪杯で初めて2000mに挑戦し、3着コントレイルとクビ差の4着。次に中5週でヴィクトリアマイルを使って圧勝し、中2週と間隔が詰まっていた安田記念はアタマ差の2着だった。
その後は福島県のノーザンファーム天栄に放牧に出されていたが、息づかいに違和感が生じ、喉頭蓋エントラップメントの症状があることが判明。12日に軟口蓋を切開し、喉頭蓋を開放する手術を行った。手術自体は短期間で行う簡単なものだったとのことである。
美浦に帰厩したのは9月29日。そこからは坂路とウッドコースで意欲的に乗り込んできた。10月13日の段階で、坂路で50秒8。1週前には主戦のルメールが騎乗してウッドで66秒4-12秒3が出て、今週はやはりルメール騎乗、ウッドで65秒-11秒7で追われた。コントラチェックを大きく追走する形で同入している。
これまで最も強い負荷をかけられたのは3歳の阪神カップ(5馬身差で圧勝)と4歳の安田記念(アーモンドアイを破ってV)だったが、この2つに負けないぐらいにハードに乗られてきた。
これだけやれているのだからノドの心配はないのだろう。ただ、何しろ場所が場所、先日もクリソベリルがノドが原因で引退したばかり。もちろん攻めと実戦では大きな違いがあり、影響が出ないことを祈るばかりだ。
ノドに問題がないとして、精神面で大きく成長しており、キレイな馬場の府中なら2000mにも難なく対応してくるだろう。
エフフォーリアは春に皐月賞を好位のインから抜け出して一冠。ダービーはハナ差の2着だったが、直線で早めに先頭に立ち、そこからかなり外に動いた。結果、シャフリヤールに内をすくわれたものである。勝ち時計の2分22秒5はダービーレコードだった。
若い横山武史がパニック気味に強引に乗ってしまったもの。ごく普通の競馬をすれば、普通に勝っていた。二冠馬になっていたら、秋は菊花賞を使うしかなく、この場にはいなかったかもしれない。
武史は菊花賞でタイトルホルダーを勝利にみちびき、騎手としては準三冠となった。腕力が強く、馬を伸ばすという意味では現役トップレベル。JRAでは川田将雅と双璧と言える。以前はかなり雑に乗るところがあったが、丁寧さが出てきた。さらなる飛躍が楽しみだ。
エフフォーリアは9月30日に放牧先のノーザンファーム天栄から美浦に戻った。追い日はウッドコースで、坂路も挟んで入念な調整ぶり。ここ2週は武史が手綱を取り、1週前にウッドで69秒1-11秒3、今週はウッドで69秒3-11秒3で追われている。
基本的に終い重点の稽古。1週前に66秒ぐらいでやれていると良かった気もするが、武史は「パワーがついて、一段と成長した」と話している。調教後の計量は前走比12キロ増の522キロ。1週前にボテッと見えた腹回りもすっきりしてきた。若干、余裕があるかもしれないが、態勢はほぼ整ったとみていいだろう。
やはりこの3頭が上位を争う可能性が高い。食い込むとすれば、少し前で運ぶことができるカレンブーケドール、ポタジェ、トーセンスーリヤか。差し馬ではサンレイポケット、ペルシアンナイト、ユーキャンスマイルあたり。
あと、カイザーミノルの名前を挙げておきたい。毎日王冠では久しぶりに1800mを使って0秒3差の5着。追われて決め手を欠いた内容だったが、ゴール板を過ぎてから、またスーッと脚を使って先頭に並んでいた。
ゴール板を過ぎたあとの動き、姿を見るのは、とても大事なこと。息を止めた形の全力疾走から解放されてどうなるかで、スタミナが残っているのか、走り切ったレースだったのかを判別することができる。
先にも書いたタイトルホルダー。ダービーは6着だったが、厳しい競馬の中で直線はジリジリと下がり、しかし、ゴール板を過ぎるとスッと先頭に立っていた。タンクを使い切っていない証拠で、異様なスタミナがあることを証明するものだった。
カイザーミノルに関しては、ブリンカーを着けてから内容が上がっている。噛み気味に走っても追われて渋太く抵抗するし、それでいて全力で走っていないようにも見える。前2走で跨った横山典弘は「この馬は何かを隠し持っている」と話し、それでマイルではなく、距離を延ばして2000mの天皇賞に挑むことになった。
さすがに相手が強い感じだが、逃げの手に出る可能性があるし、ノリが何か仕掛けてくるかもしれない。今回、アッと言わせるシーンがないとは言い切れず、結果が出なかったとしても、どこかで穴を開けそうだ。
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以下、出走全馬の評価、騎手の評価である(50音順)。
エフフォーリア 評価S 騎手S
カイザーミノル 評価B 騎手A
カデナ 評価C 騎手A
カレンブーケドール 評価A 騎手B
グランアレグリア 評価S 騎手S
コントレイル 評価S 騎手A
サンレイポケット 評価B 騎手B
トーセンスーリヤ 評価A 騎手B
ヒシイグアス 評価B 騎手S
ペルシアンナイト 評価B 騎手B
ポタジェ 評価A 騎手S
ムイトオブリガード 評価C 騎手B
モズベッロ 評価C 騎手B
ユーキャンスマイル 評価B 騎手B
ラストドラフト 評価C 騎手B
ワールドプレミア 評価C 騎手A
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阪神11R
カシオペアステークス(L) 10月31日(日) 混戦ムード
阪神の芝1800m(外)で争われるリステッド競走。
芝は開催4週目で、Aコース使用4週目になっている。2コーナーからのスタート、外回りコース使用でワンターン。4コーナーの残り600mから下リ坂になり、直線残り200m~100mが急な上り坂になっている。直線距離は473.6m(Aコース使用時)。もちろん競馬によるが、残り600mあたりからペースが上がり、ラスト1ハロンが少しかかるというラップ構成になりやすい。
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以下、出走全馬のポイントと評価、騎手の評価である(50音順)。
【アドマイヤビルゴ】評価A 騎手B
デビュー時にクラシック候補と言われた素材。馬体の成長が欲しいが、復帰戦のケフェウスSでは道悪の中を2番手追走からクビ差の2着に応戦した。間隔を取り、攻め量は上々。阪神の芝1800m(外)は適す条件で、57キロは少し影響するかも。
【アフランシール】評価C 騎手A
“1400mの差し”というイメージだが、新潟の芝1800m(外)で行われた春の福島牝馬Sでは0秒3差の8着に駆けた。中距離にメドは立っている。ただ、夏の朱鷺Sは、掛かって自滅した。久々で攻めの動きはひと息。
【ヴァルコス】評価B 騎手A
父がノヴェリスト、祖母がウインドインハーヘアという底力ある血統。3歳時に青葉賞で早めに動く競馬からクビ差の2着に駆けている。脚元が弱く、1年ぶり、時計は坂路のみ。叩いた方が良さそうだが、陣営の感触は悪くない。
【ヴァンケドミンゴ】評価B 騎手B
祖母はオークス馬ウメノファイバー。切れはひと息だが、持久力ある末脚を発揮する。京都で行われた昨年の当レースは0秒2差の3着で、次走で福島記念をクビ差の2着に駆けた。攻め量は上々。混戦になれば。
【ウインイクシード】評価A 騎手A
岡田一族らしく、“長く渋太く脚を使う”というタイプ。重賞で2着が1回、3着が2回ある。追い切りは芝コースに入れてしっかりと先着。外回りコースの直線は長いが、前でスムーズな競馬ができそうなメンバーで。
【エアロロノア】評価A 騎手A
祖母は秋華賞馬エアメサイア。条件級を3連勝し、初の重賞挑戦だったマイラーズCでは、速い時計の中を0秒2差の5着に伸びた。久々の前走は押しが利かずに7着。まだ完成前という印象はあるが、叩き2戦目、実績ある阪神で。
【ドゥオーモ】評価B 騎手B
7歳だった昨年は、小倉大賞典を52キロのハンデで2着、函館記念をハンデ53キロで2着。ムラな面があるが、しっかり脚が溜まるとグッと伸びてくる。栗東のコースと坂路で乗り込みは順調。57キロでも上がりがかかれば。
【ファルコニア】評価A 騎手B
3歳時にスプリングSで4着、京都新聞杯で3着。4歳の春に条件級を連勝してオープン入りし、エプソムCで内めを攻めて3着に応戦した。小倉記念(6着)は厳しい競馬に。坂路でやって、量的には上々。(2.1.0.0)の阪神、リステッドなら主力。
【フランツ】評価A 騎手B
オープン、リステッドで2着が2回、3着が1回。重賞の最高は新潟記念の5着。道中で行きたがったり、追われて気を抜いたりと気性に課題があるが、能力は高い。音無秀孝流で坂路(栗東)でしっかりと。噛み合えば好勝負になる。
【ベステンダンク】評価B 騎手B
自分のリズムで走ると粘り強さを発揮する。当レースは7歳時に2着。リステッドを1勝し、重賞はマイラーズCで2着がある。3走前からブリンカーを着け、米子Sでは59キロで逃げて4着。今回も59キロだが、マークが緩むとあるいは。Bは外す。
【ホウオウピースフル】評価A 騎手C
ブラストワンピース(有馬記念)の妹。3歳の春にフローラSでクビ差の2着に好走している。うるさい気性が課題だったが、前2走ではタメる形から4着に伸びた。コースと坂路で十分に乗って好仕上がり。落ち着いて走れば勝ち負けまで。穴で狙い目あり。
【マンオブスピリット】評価B 騎手A
3歳時の春に京都新聞杯でクビ差の2着。勝ったのはディープボンドで、3着がファルコニアだった。その後は結果が出ず、中間に去勢手術を施した。コースを中心に攻めは入念。叩いた方がいいが、変わる可能性はある。
【メイショウエイコウ】評価C 騎手B
5勝はダート。が、芝で走れるフットワークで、実際に今年2月の関門橋Sでは終いに脚を使って3着とクビ差の4着に駆けている。久々を叩いての中1週。間隔が詰まっていても問題はない。1800mでも少し時計がかかってくれれば。
【リプレーザ】評価A 騎手B
3歳1勝クラス勝ちは阪神の芝1200m(内)。大外を回り、32秒9の上がりで猛然と追い込み切った。次走でダ1870mの交流重賞を勝ち、JDDで0秒1差の5着に健闘している。坂路(栗東)で乗り込んでいて、もう1本あれば理想か。底が割れず、54キロなら古馬相手でも。穴で狙い目あり。
【レッドガラン】評価A 騎手C
昨年の春に今回と舞台が一緒の大阪城S(L)を好位から抜けてV。秋の当レースは0秒2差の4着だった。約半年ぶりの実戦だった前走では内から脚を使って3着。1週前に栗東CWで追い、今週は坂路でラスト11秒9。好勝負必至。
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