【先週の予想コメント】
【先週の予想コメント】(日曜メインレース、日曜後半レース、土曜メインレース、土曜後半レース)
【日曜メインレース】
チャンピオンズカップ
3連単 5万2,660円
3連複 1万7,650円
馬 連 610円
ワイド 280円
ワイド 4,570円
ワイド 5,540円
単 勝 330円(30%)
複 勝 150円(60%)
◎チュウワウィザード2着(3人気)
○◎でヒット
ラピスラズリS
馬 連 3,480円
単 勝 440円(10%)
複 勝 190円(50%)
◎エーポス1着(1人気)
◎×でヒット
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中山11R
ラピスラズリステークス(L) 12月5日(日) ムラなタイプ多く
中山の芝1200mで争われるリステッド特別。
外回りコースの向正面からの発走。スタート地点が下り勾配で、下り坂は3コーナー部分の残り700mまで続く。そこからは平坦で、4コーナー部分の残り400m~直線残り200mの前までは緩めの下り坂に。そして、残り180m~残り80mが中山名物の急な上り坂になっている。高低差2.2m、最大勾配2.24%はJRA全10場の中で最大の数字になる。直線距離は310m。コース全体の高低差は5.3mで、これも10場の中で最大。
芝は開幕週でAコース使用になっている。土曜に2勝クラスの芝1200m戦が組まれていて、1分07秒8(良)と速い時計で決着。人気のゼログラヴィティが早めにポジションを上げて3番手につけ、直線でグッと伸びて抜け出した。2着が飛ばして逃げたコスモアンジュで、3着は外から差したクムシラコだった。前半3ハロンのラップは33秒3。上がりは11秒4-11秒2-11秒9の34秒5だった。
高速馬場とまではいかず、ただ、スピードが出る馬場。全体を見て、後半で早めにラップが上がって、ラスト1ハロンがかかるというケースが多かった。外差しが決まることもあったが、内は十分に走りやすかった。
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以下、全頭診断と騎手評価(50音順)。全頭診断は相対評価、騎手評価は絶対評価で、騎手評価は騎乗馬との相性を考慮する場合がある。
【アスタールビー】評価A+ 騎手A+
5歳の牝馬、栗東。祖母はオークス2着のチャペルコンサート。4歳の夏に札幌で3勝クラスをクリア。次走で重賞のキーンランドカップに挑戦し、重馬場の中で先行して厳しい競馬になりながら4着に粘っている。5歳の夏はUHB杯で逃げて0秒1差の5着。ひと息入れて阪神のオパールSでは、外の14番枠から好ダッシュを見せてハナを奪い、最後は苦しくなりながら0秒1差の3着に残った。中間は短期放牧に出され、栗東に戻ってからの乗り込みは順調。今週はCWコースで内めを通り、65秒台-11秒台の中ほどをマークしている。仕上がりは良さそうだ。中山は初になるが、阪神で走れているので急坂に対応できないことはないだろう。自分の競馬ができると渋太く、スピードと粘り強さに注目すべき。
【アルピニズム】評価B 騎手B
4歳、美浦。3歳の暮れに中山の芝1200mで2勝クラスをクリアし、4歳になって1月に同じ舞台で3勝クラスを勝って連勝。どちらも外枠から好位につけ、直線でしっかりと脚を使って抜け出す強い競馬だった。着差はそれぞれ2馬身、3馬身半だった。オープンの3戦はすべて2ケタ着順だが、出遅れたり、突かれたりでリズムを欠いたものである。リフレッシュ放牧を入れ、昨年に結果が出ている冬場の中山を目標に仕上げてきた。坂路でしっかりと乗り込み、2週前の段階で52秒0が出ている。動ける態勢にあるとみていい。スピードは通用するし、流れに乗って息を入れることができれば、直線で脚を使ってくるだろう。あながち軽視もできない。
【エーポス】評価A+ 騎手B
4歳の牝馬、栗東。兄にカイザーミノル(現オープン)。3歳の春にフィリーズレビューを制覇している。出が悪かったが、中位の後ろまで上がり、道中は力んだ走りに。それでも直線で脚を使って馬群を割り、最後でグッと抜け出して快勝した。相当に強い競馬だった。続く桜花賞は不良馬場、大外18番枠、やはりダッシュがつかず。直線で頑張りは見せていて、9着なら悪い結果でもない。その後に1年の長い休養が入ったが、復帰戦の阪神牝馬Sで0秒2差の5着。2番手で行きたがって引っ張り通しで、直線は渋太く応戦して寸前まで追い比べに加わっていた。京王杯スプリングカップはスタートに接触して少しムキになって走り、直線で伸び切れずに7着に終わっている。その後は放牧に出され、栗東に戻ってからは熱心な調整ぶり。CWコースで65秒台-11秒台の中ほど、坂路で52秒0-12秒1が出ていて、仕上がりの良さが目立っている。一本調子で気性は若いが、能力は高いレベルにある。折り合い面で言うなら1200mはプラス。スタートでトモの入りが良くないので、遅れた場合の対処はジョッキーにゆだねられることになる。問題のヤネは厩舎所属の亀田温心。甘さがある若いジョッキーで、気性の強い同馬を御して操れるかは微妙なところだ。中間は熱心に稽古をつけてきたので、しっかりとコンタクトが取れるといい。力的には上位で、あっさり決めるシーンまで。
【日曜メインレース】
チャンピオンズカップ
3連単 5万2,660円
3連複 1万7,650円
馬 連 610円
ワイド 280円
ワイド 4,570円
ワイド 5,540円
単 勝 330円(30%)
複 勝 150円(60%)
◎チュウワウィザード2着(3人気)
○◎でヒット
ラピスラズリS
馬 連 3,480円
単 勝 440円(10%)
複 勝 190円(50%)
◎エーポス1着(1人気)
◎×でヒット
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中山11R
ラピスラズリステークス(L) 12月5日(日) ムラなタイプ多く
中山の芝1200mで争われるリステッド特別。
外回りコースの向正面からの発走。スタート地点が下り勾配で、下り坂は3コーナー部分の残り700mまで続く。そこからは平坦で、4コーナー部分の残り400m~直線残り200mの前までは緩めの下り坂に。そして、残り180m~残り80mが中山名物の急な上り坂になっている。高低差2.2m、最大勾配2.24%はJRA全10場の中で最大の数字になる。直線距離は310m。コース全体の高低差は5.3mで、これも10場の中で最大。
芝は開幕週でAコース使用になっている。土曜に2勝クラスの芝1200m戦が組まれていて、1分07秒8(良)と速い時計で決着。人気のゼログラヴィティが早めにポジションを上げて3番手につけ、直線でグッと伸びて抜け出した。2着が飛ばして逃げたコスモアンジュで、3着は外から差したクムシラコだった。前半3ハロンのラップは33秒3。上がりは11秒4-11秒2-11秒9の34秒5だった。
高速馬場とまではいかず、ただ、スピードが出る馬場。全体を見て、後半で早めにラップが上がって、ラスト1ハロンがかかるというケースが多かった。外差しが決まることもあったが、内は十分に走りやすかった。
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以下、全頭診断と騎手評価(50音順)。全頭診断は相対評価、騎手評価は絶対評価で、騎手評価は騎乗馬との相性を考慮する場合がある。
【アスタールビー】評価A+ 騎手A+
5歳の牝馬、栗東。祖母はオークス2着のチャペルコンサート。4歳の夏に札幌で3勝クラスをクリア。次走で重賞のキーンランドカップに挑戦し、重馬場の中で先行して厳しい競馬になりながら4着に粘っている。5歳の夏はUHB杯で逃げて0秒1差の5着。ひと息入れて阪神のオパールSでは、外の14番枠から好ダッシュを見せてハナを奪い、最後は苦しくなりながら0秒1差の3着に残った。中間は短期放牧に出され、栗東に戻ってからの乗り込みは順調。今週はCWコースで内めを通り、65秒台-11秒台の中ほどをマークしている。仕上がりは良さそうだ。中山は初になるが、阪神で走れているので急坂に対応できないことはないだろう。自分の競馬ができると渋太く、スピードと粘り強さに注目すべき。
【アルピニズム】評価B 騎手B
4歳、美浦。3歳の暮れに中山の芝1200mで2勝クラスをクリアし、4歳になって1月に同じ舞台で3勝クラスを勝って連勝。どちらも外枠から好位につけ、直線でしっかりと脚を使って抜け出す強い競馬だった。着差はそれぞれ2馬身、3馬身半だった。オープンの3戦はすべて2ケタ着順だが、出遅れたり、突かれたりでリズムを欠いたものである。リフレッシュ放牧を入れ、昨年に結果が出ている冬場の中山を目標に仕上げてきた。坂路でしっかりと乗り込み、2週前の段階で52秒0が出ている。動ける態勢にあるとみていい。スピードは通用するし、流れに乗って息を入れることができれば、直線で脚を使ってくるだろう。あながち軽視もできない。
【エーポス】評価A+ 騎手B
4歳の牝馬、栗東。兄にカイザーミノル(現オープン)。3歳の春にフィリーズレビューを制覇している。出が悪かったが、中位の後ろまで上がり、道中は力んだ走りに。それでも直線で脚を使って馬群を割り、最後でグッと抜け出して快勝した。相当に強い競馬だった。続く桜花賞は不良馬場、大外18番枠、やはりダッシュがつかず。直線で頑張りは見せていて、9着なら悪い結果でもない。その後に1年の長い休養が入ったが、復帰戦の阪神牝馬Sで0秒2差の5着。2番手で行きたがって引っ張り通しで、直線は渋太く応戦して寸前まで追い比べに加わっていた。京王杯スプリングカップはスタートに接触して少しムキになって走り、直線で伸び切れずに7着に終わっている。その後は放牧に出され、栗東に戻ってからは熱心な調整ぶり。CWコースで65秒台-11秒台の中ほど、坂路で52秒0-12秒1が出ていて、仕上がりの良さが目立っている。一本調子で気性は若いが、能力は高いレベルにある。折り合い面で言うなら1200mはプラス。スタートでトモの入りが良くないので、遅れた場合の対処はジョッキーにゆだねられることになる。問題のヤネは厩舎所属の亀田温心。甘さがある若いジョッキーで、気性の強い同馬を御して操れるかは微妙なところだ。中間は熱心に稽古をつけてきたので、しっかりとコンタクトが取れるといい。力的には上位で、あっさり決めるシーンまで。
【キタイ】評価B 騎手A-
5歳の牝馬、美浦。今年の春に府中の芝1400mで2勝クラスをクリア。2番手追走から直線ですぐに先頭に立ち、長くしっかりと脚を使って1馬身3/4差で押し切るという内容だった。3勝クラスを勝ったのは、秋の中京の芝1200m戦。押してハナは譲らない構えで、テンの3ハロンを33秒4で通過する。ラスト2ハロンを11秒4-11秒9でまとめ、渋太く勝ち切った。初めてオープンを走った新潟の信越Sは、しんがりの18着。16番枠からのスタートで内に寄せられず、好位の外を走って4コーナーですでに手応えがなくなっていた。陣営は「道中で後ろから引っ掛けられた」と話している。その後は放牧へ出され、美浦に戻ってからはウッドコースで熱心に乗り込んできた。今週は併せ馬で先着し、時計は66秒2-12秒2だった。仕上がりは上々といったところか。走りが大きく、自分のリズムを守れると粘り強く脚を使う。中山の坂は歓迎できないが、スムーズなら抵抗を見せてきそうだ。押しが利くかは微妙である。
【コロラトゥーレ】評価B 騎手B
7歳の牝馬、栗東。当レースに出走するボンボヤージの姉。2勝クラスを勝ったのが4歳の夏で、9番人気の単勝2,210円。そこから2年近くが経ち、19戦目で3勝クラスをクリアした。舞台は中京の芝1200m、馬場は稍重、シャドーロール着用2戦目。好スタートを切ったが、行き脚は平凡で下がっていく。脚は溜まっていて、直線は内ラチ沿いをグイグイ伸びて抜け出した。自身の上がりは33秒4で、最後はソラをつかう余裕があった。ちなみに、16番人気で単勝配当が1万1,350円だった。オープン緒戦は4コーナーでかなり外を回って0秒8差の11着。2戦目は前進気勢を欠く走りで、後方ままの15着だった。その後は放牧に出され、栗東に戻ってから坂路でしっかりと乗られてきた。2週前の段階で52秒7が出ている。仕上がりは良さそうだ。気性面の課題が抜けないが、3勝クラスの勝ちっぷりからはオープンで通用していい。2勝クラス勝ちもラチ沿いを抜けてきたし、ロスなく運んで紛れがあるとあるいは。
【シーズンズギフト】評価A- 騎手A-
4歳の牝馬、美浦。3歳の春にフラワーカップで3着、ニュージーランドトロフィーで2着、秋には骨折明けで紫苑Sを3着、暮れにターコイズSで4着。実績を残してはきたが、ゲートをきちんと出られないことが多いし、実戦でガッとハミを噛んで行きたがってしまうし、直線は内にモタれるしと、大変な気性である。4歳の6月に策がない感じで1200mを使う。やはり道中は力んだ走りになってしまい、それでも直線で脚を見せて4着で入線した。秋のオパールSは13着。これも行きたがって制御できず、流れに乗れずに13着に終わっている。その後は短期放牧に出され、美浦に戻ってからはウッドコースを中心に意欲的に乗られてきた。今週は中ほどを通って64秒7-12秒0の好時計をマークしている。能力は高く、とにかく気性。丸山元気は新馬で勝たせ、2走前の1200m戦で4着に持ってきた。リズム良く走れれば勝ち負けまである。
【タイセイアベニール】評価B 騎手B
6歳、栗東。5歳の春に京都の芝1200m(内)でオープンの鞍馬Sを勝っている。中位の外の追走から直線で鋭く伸びて差し切る内容で、勝ち時計は1分07秒7(良)。自身の上がりは32秒6で、ラスト1ハロンを11秒0前後で駆けている。この時の秋には、GIIのCBC賞(中京)で0秒3差の4着に食い込む健闘を見せた。今年の夏には札幌でオープンのUHB賞(ハンデ56キロ)でハナ差の2着。その後の3走は9着、8着、13着だが、外を回ったり、掛かったり、不利があったりで、力を出せていない。中2週での再遠征になり、攻めは今週の坂路の1本。使い込んでいて上積みは微妙だが、しっかりやれているあたり疲れはないか。行きたがってみたり、反応が鈍くなったりと、走りが不安定なブリンカー着用馬。しかし、切れ味は相当で、中山は2勝していて、リステッド競走で0秒1差の3着に駆けたこともある。スムーズな走りができると浮上するシーンも。
【ダイメイフジ】評価A- 騎手B
7歳、栗東。姉にダイメイプリンセス(アイビスサマーダッシュ、北九州記念)。4歳だった18年に当レースをV、クビ差の2着がモズスーパーフレア(のちに高松宮記念を制覇)だった。ほか、当舞台ではオーシャンSで2度の3着がある。4歳の春には京都でオープンの安土城Sを勝っていて、この時にモズアスコット(のちに安田記念、フェブラリーSを制覇)を負かした。6歳時にはダートでオープン勝ち。7歳の秋になって初めて新潟の直線競馬を使ったが、ハンデ57キロで5着に食い込んでいる。自身の上がりは32秒7だった。中間はいつも通り坂路で熱心に調整。今週はダイメイコリーダ(オープン)に先着していて、デキは良さそうだ。淡白にやめることがあって安定しないが、キャリアと実績は上位で、前走を見ると衰えもない。58キロは克服済みだし、スムーズなら好勝負になる。ただ、テン乗りになる秋山稔樹は甘さがあるジョッキー。
【ダノンチェイサー】評価A- 騎手A+
5歳、栗東。3歳時には、きさらぎ賞を2馬身差で快勝。続くNHKマイルカップは3番人気という評価で、レースに行って強くハミを噛み、直線で伸びかけたところで内からグランアレグリアにぶつけられる。それでも気持ちを切らさずに脚を使い、グランアレグリアとクビ差の5位で入線した。グランアレグリアが降着になり、繰り上がって4着になった。その後は骨折による1年2ヵ月の長いブランクがあり、課題である気性の成長がなくて軌道に乗れない。5歳の今年は最高が9着で、前走のポートアイランドSは好位につけてやはり行きたがり、淡白に止まって15着に敗れている。中間の稽古は意欲十分。1週前にCWコースで66秒台-11秒台の中ほどをマークし、今週は坂路で52秒5-12秒0で追われている。デキ自体は、かなり良さそうだ。今回は初の1200m。だからといって折り合ってスムーズな競馬ができるかはわからないが、ピタリとハマる可能性もある。初めて着けるブリンカーに関しては、どちらに出るか微妙なところだ。能力的にはまったくヒケを取らず、警戒が必要になる。
【タマモメイトウ】評価B 騎手A-
5歳、栗東。3勝クラスを勝ってオープン入りしたのが4歳の9月。オープンではしばらく上位に踏み込めなかったが、終いに脚は見せていた。昨年の当レースは捌きがスムーズでなく、それで0秒3差の8着まで伸びた。5歳になった春に新潟の直線競馬を53キロのハンデV。6番枠から出てすぐに外に動かし、馬群を縫いつつ伸びて逃げ込もうとしていたケイアイサクソニーを内から差した。秋緒戦のオパールSはラチ沿いを伸ばし、ひと息の伸びで6着。見た目以上に内にモタれていたのかもしれない。続く直線競馬のルミエールオータムダッシュは、ハンデが春から2キロ増えて55キロ。有利な外の18番枠からロスなく伸ばし、2着に食い込んだ。自身の上がりは32秒3だった。その後は短期放牧を挟み、坂路で熱心な調整ぶり。攻めはそう動く方ではない。モタれる右回り、斤量が57キロで楽ではないが、力をつけているのは確かだし、うまく捌いてくれば。
【トウショウピスト】評価B 騎手B
9歳、美浦。61戦のキャリア。重賞で掲示板に載ったのは2回で、函館2歳Sの3着と、7歳時のアイビスサマーダッシュの4着。オープンは1勝で、5歳時のオーロカップ(東京芝1400m)になる。かつては先行して結果を出していたが、年齢を経て差す形で脚を使うようになった。ただ、行きっぷりが悪くなったということではない。8歳だった昨年の当レースは5着。直線で馬群を割って伸び、着差は0秒2だった。今回は春以来で7ヵ月ぶりの実戦。ポリトラックで速い時計が出るタイプだが、4ハロン48秒級などあって、仕上がりは良さそうだ。強調はしづらいが、時計と上がりがかかる競馬になればソコソコのところには来る。
【ノーワン】評価B 騎手B
5歳の牝馬、栗東。3歳の春にフィリーズレビューを内めの狭いところを割って伸びる競馬で同着でV。同年の秋にスプリンターズSで0秒7差の8着と上々の走りを見せている。フィリーズレビュー以降は、19戦して最高が5着。ただ、前半で脚を使わない競馬をしているといえ、直線で伸びは見せてくる。中山の芝1200mでは、今年の1月にカーバンクルS(ハンデ53キロ)で0秒3差の5着。夏のCBC賞(ハンデ53キロ)は超高速馬場の中で日本レコードでの決着になったが、直線で外にヨレるロスがありながら0秒5差の6着まで伸びてきた。中間は短期放牧を挟み、坂路とCWコースを併用して熱心な調整ぶり。55キロで走るのは久しぶりで、そこは減点になる。直線で脚は使うので、もつれる展開になるのを待つのみ。
【ボンボヤージ】評価B 騎手B
4歳の牝馬、栗東。当レースに出走するコロラトゥーレの妹。今年の夏に小倉の芝1200mで3勝クラスをクリアした。良発表でも少し水を含んだ芝で、2番手につけて抑えつつの手応え。直線入り口で並び、直線でしっかりと伸びて勝ち切った。ラスト1ハロンは11秒5だった。続く北九州記念はハンデが52キロ、大外18番枠。道中は外々の追走でまともに掛かってしまう。普通なら末をなくしているところ、直線は弾けもせずバテもせずで0秒5差の10着で入線した。なお、鞍がズレていたようだ。中京のセントウルSはボコッと後手。持っていかれそうな気合で、ヤネが抑えながら前と離れていってしまう。4コーナーでは最後方で、直線で伸びを見せて12着(0秒9差)だった。自身の上がりは33秒1である。その後は放牧に出され、栗東に戻ってから順調に乗り込んできた。CWコースで4ハロン51秒前後の時計が4本出ていて、仕上がりは良さそうだ。掛かりそうな危うさがあっても、我慢が利く範囲内ではある。平坦向きのイメージがあるが、セントウルSの走りを見ると中山の坂でも脚は使えそうだ。相手は強力だが、噛み合うと一発も。
【マリアズハート】評価A- 騎手B
5歳の牝馬、アメリカ産馬、美浦。岡田一族。2勝目、3勝目、4勝目と中山の芝1200mで挙げた。4歳の春のオープン緒戦(春雷S)もこの舞台で、ハンデが53キロ。出遅れて最後方を進み、直線で大外を攻める形になりながら33秒1の上がりで猛然と追い込んでハナ差の2着に駆けた。5歳の春雷Sもハンデ53キロで2着。中位の内めで脚をタメ、直線で馬場が荒れ気味の内を伸びて連対を果たした。外から抜けたジャンダルム(57キロ)は強すぎた。秋緒戦のルミエールオータムダッシュは初の直線競馬、ハンデが53キロ、外の16番枠。攻め量は少なめで、16キロ増の514キロで少し余裕のある体つきだった。スタートでヨレたが、行き脚は上々で流れに乗る。逃げていた17号馬が少し内に動き、そこで外ラチ沿いに入った。しっかりと脚を使って抜き去り、タマモメイトウの追撃を押さえて勝ち切った。秋の開催で55秒1(良)なら時計は上々。ラスト1ハロンは11秒4で、自身の上がりは32秒5だった。その後は放牧に出され、美浦に戻ってからコースと坂路で乗られてきた。日曜にウッドコースで66秒6-11秒7で追われている。量的には多くないが、前走もそんな感じで結果を出した。当コースは(3.2.0.0)のパーフェクト連対。別定の55キロ、うるさくなってゲートが怪しく、捌きも問題になってくる。ただ、ハマッた時の脚は強烈で、やはり怖い存在だ。
【ルッジェーロ】評価A+ 騎手B
6歳のセン馬、美浦。新馬勝ちが芝で、2勝目~4勝目はダート。5歳の12月からは芝を使われることが多くなっている。今年の6月には札幌の芝1200mで2着。ゲートダッシュがひと息だったが、押して流れに乗せ、内を捌いて伸ばす形に。抜けていたロードアクアに内から迫ったが、ハナだけ届かなかった。続いて新潟芝1400m(内)の朱鷺S。楽でない大外18番枠だったが、3コーナーでうまく少し内に寄せることができた。手応えは抑えつつといった感じだった。直線は勝ったカイザーミノルを追う形でグイグイ伸びて2着に入った。秋の信越Sは重馬場の中で厳しい内の2番枠。道中はインを走り、直線は少し外に動かして自身なりに伸びている。外差しが決まる競馬の中、0秒4差の8着なら十分すぎるぐらいの走りだ。中間は放牧に出され、美浦に戻ってからはウッドコースと坂路を併用して熱心に乗り込んできた。変わらずデキは良さそうだ。中山で芝1200mを走るの初めて。少し忙しいかもしれないが、無理についていこうとしなければ終いに脚を使ってくるだろう。スムーズに伸ばせれば上位浮上が可能になる。
【ロードアクア】評価B 騎手A-
5歳、栗東。4歳の秋に新潟の芝1200m(内)で3勝クラスをクリア。5歳になった今年の夏に、札幌の芝1200mでオープンのTVh賞を勝った。好スタートから2番手につけ、道中は持っていかれそうになるぐらいの闘争心を見せる。直線入り口で早くも先頭に。抜け出して最後はさすがに脚色が鈍ったが、内から来たルッジェーロをハナだけ押さえて1着でゴールした。続くUHB賞は外を回る競馬で伸び切れず11着。キーンランドカップはインの追走で4コーナーで反応が悪くなって13着。スプリンターズSはアオッて出て後方を進み、脚を使えずにしんがりの16着に敗れた。中間は短期放牧を挟んでの調整。浅見秀一流で日曜に坂路で強めに追われ、50秒6-36秒4-12秒3の好時計をマークしている。仕上がりは良さそうだ。最近は平坦コースで走ることが多いが、新馬勝ちが府中で、2勝目が阪神(稍重)だから坂を苦にするわけではない。スッと好位につけ、うまく息が入ると抵抗するシーンも。
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芝スプリントのリステッド競走、フルゲートの16頭立て。「自分の形で走れると強いが、それが崩れると脆い」、「能力は高いが、気性が悪くて安定して走れない」…。そんなタイプが多くいて、やってみないとわからない部分が多い。なかなかやっかいなレースだ。
北出成人厩舎(栗東)の4歳牝馬エーポスに◎を打った。
3歳の春のフィリーズレビュー(GII)勝ちが強い競馬で、長欠明け後の2走もGIIでの戦いで力んだ走りになりながら大きくは負けなかった。
今回は初の1200m参戦。折り合い面からはプラスのはずで、スムーズに走れると直線でグッと伸びて相当に高いパフォーマンスを見せるはずである。攻めで動いて、デキも良さそうだ。
問題がヤネが甘さのある亀田温心で、しかも、内の2番枠を引いたこと。ゴチャついた競馬になってリズムを取れず、力を引き出せない結果になる可能性は低くないぐらいだろう。亀田はじっくりと稽古つけてきたし、馬を信じて落ち着いて立ち回ってきてもらいたいところ。うまくハマれば抜け出してくるシーンがある。
南井克巳厩舎(栗東)の5歳牝馬アスタールビーも注目される存在。スピード能力は高く、前2走では逃げて0秒1差に踏ん張っている。
今回は関東遠征になり、直線に急坂のある中山は初めて。楽な状況ではないが、馬自身は力をつけているし、ヤネが騎乗技術の高い石川裕紀人である点は見逃せない。11番枠で外は差し馬ばかりで、内の出方をうかがいつつレースを組み立てられそうだ。
▲はルッジェーロ。前走の8着は道悪で内を走らされたことが応えたもので、3走前と2走前の連続2着を見直したい。
△はマリアズハート。鋭い切れ味が武器で、中山は(3.2.0.0)とパーフェクト連対である。55キロを初めて背負う点が鍵に。
※シーズンズギフトと×ダノンチェイサー(初ブリンカー着)は、能力は高いものの、実戦でそれを出し切れない。噛み合うと上位浮上がある。
以下、警戒が必要な勢力が多くいて、とても印が回り切らない。人気は派手に割れているし、高配当期待で連勝式は手広く買っていくことにした。
◎2番エーポス
○11番アスタールビー
▲13番ルッジェーロ
△16番マリアズハート
※6番シーズンズギフト
×1番ダノンチェイサー
×8番ダイメイフジ
×3番タイセイアベニール
×14番ボンボヤージ
【単勝】2番(10%)
【複勝】2番(50%)・11番(40%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
2→全通り
11→全通り
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【3連複】(軸2頭ながし)
2.11→全通り(14点)
2.13→全通り(14点)
2.16→全通り(14点)
2.6→全通り(14点)
──────────────
【3連単】(軸2頭マルチ)
2.11→全通り(84点)
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中京11R
チャンピオンズカップ(GI) 12月5日(日) 脆いタイプ多く
中京のダ1800mで争われるGI競走。
正面直線からの発走、コーナーは4つ。スタートして100mほどは急な上り坂になっている。2コーナー部分からは緩めの上り勾配になり、向正面の残り980mから直線入り口まで600mの距離の下り坂が続く。直線に入って残り380m~残り220mまでは勾配1.14%(高低差は1.8m)の急な上り坂になっている。直線距離は410.7m。コース全体の高低差は3.4mとなっている。
土曜のダ1800mの競馬を見ると、まず1勝クラスが1分53秒7(良)で決着。好位を進んでいたテイエムマグマが力強く抜け出して勝利し、4馬身差の2着が馬群を割って伸びたハイラブハンター、3着が外から差したエルモドーロだった。1000m通過は62秒7で、レースの上がりは12秒7-12秒6-13秒0の38秒3だった。
2勝クラスの牝馬限定戦は、勝ち時計が1分54秒3(良)。2番手にいたアリエノールが渋太く抜けて押し切り、2着が勝ち馬を追ってワンテンポ遅れて伸びてきたフラーレン、3着が内で頑張っていたピクシーメイデンだった。1000m通過が65秒1という異常なスローで、レースの上がりは12秒3-11秒9-12秒5の36秒7だった。
少しタフなダートになっているという印象。チャンピオンズカップは一昨年が少し走りやすい馬場、昨年が少しタフな馬場だったが、今年は後者になりそうな感じである。
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以下、全頭診断と騎手評価(50音順)。全頭診断は相対評価、騎手評価は絶対評価で、騎手評価は騎乗馬との相性を考慮する場合がある。
【アナザートゥルース】評価B 騎手A+
7歳のセン馬、美浦。岡田一族。兄にサウンドトゥルー(東京大賞典、チャンピオンズカップ、JBCクラシック)。5歳時にアンタレスSで重賞初制覇を決めた。6歳時にチャンピオンズカップに挑戦したが、出していって3番手につけ、楽でない流れになる。4コーナーはインにいてモタついて離され、失速して13着に終わった。7歳になった今年の1月に東海Sで2着に好走。不良で少し走りやすい馬場の中、タテ長の展開の6番手で揉まれない形になり、直線で渋太く伸びて連対を果たした。勝ったオーヴェルニュとは1馬身3/4の差があった。前走のみやこSは3着。逃げてマイペースに持ち込み、残り150mでも押し切りがあるかという態勢だったが、最後は苦しくなった。中間はいつも通りウッドコースと坂路でしっかりと乗られている。1週前にはウッドで併せ馬を行い、終いにしっかりと追われて大きな走りで先着。5ハロンは67秒7で、ラスト1ハロンは11秒5だった。今週もウッドの併せ馬で、楽な感じ同入。引き続きデキは良さそうだ。ポジションにかかわらず、揉まれずに運ぶと渋太く脚を使ってくる。問題はGIの舞台でそれが叶うかだ。坂井瑠星はテン乗りになるが、腕っぷしが強いので同馬には合うだろう。左回りはスムーズで、今回はブリンカーは着けない。
【インティ】評価A- 騎手B
7歳、栗東。5歳の1月に今回と同じ舞台で東海SをV。気持ちが入りすぎた逃げだったが、ラスト2ハロンを11秒6-11秒9と強烈なラップで上がって押し切ってみせた。2馬身差の2着がチュウワウィザードだった。次走でフェブラリーSを逃げ切ってGI制覇を決めている。同年のチャンピオンズカップは逃げて3着。最後で苦しくなってクリソベリルとゴールドドリームに交わされたが、良で1分48秒7と走破時計は速かった。6歳のチャンピオンズカップは、力んで並走の逃げに近い形に。それでも2着とクビ差の3着に踏ん張っている。7歳になってフェブラリーSは待機策。それでもハミを噛んでいて、直線で外に出して6着に伸びた。地方の交流GIの前2走も控える競馬。折り合いはついた方だが、直線で押しが利かなかった。中間は放牧に出され、栗東に戻ってからはCWコースと坂路で入念に乗られてきた。今週は坂路で終いにしっかりと追われて52秒6-12秒4。攻めはそう動く方ではなく、馬場が悪かったことを考えれば合格点をあげられる内容だった。馬体は少し立派に映るが、体型的なものがある。今回も控える形を取りそうで、ただ、無理に引っ張ることはしないだろう。ポジションはともかく、力を抜いて走れるかがポイントになる。中京のダ1800mは(2.0.2.1)と相性の良い舞台。武豊は乗り慣れているし、噛み合えば上位浮上が可能に。
【エアスピネル】評価A- 騎手A-
8歳、栗東。3歳時に三冠で4着、4着、3着。4歳時にマイルチャンピオンシップでハナ差の2着。7歳の7月からダートを使い、同年の秋に武蔵野Sを3着している。続くチャンピオンズカップは後方に下げて脚をタメ、直線は内めを伸びて7着だった。8歳になった今年2月のフェブラリーSでは、中位のインを追走し、直線で捌いて伸びて3/4馬身差の2着に駆けている。1分34秒5(良)の走破時計は非常に優秀な数字だ。前走の武蔵野Sは流れに乗っていたが、直線で馬群の凝縮したところに入って動けなくなる。抑えながら外に出し、脚を使って2着に上がった。今回、中2週とレース間隔は詰まっているが、1週前に坂路で乗り、日曜にもCWコースで大きめを乗られている。今週は藤岡康太が跨って坂路で併せ馬。馬場が悪い中でほぼ馬なりのまま先着し、51秒0-12秒4と見た目以上に時計が速かった。いいデキにあるのは間違いない。マイルの方が脚を使える印象があるが、1800mもこなせる範囲内。実際にGIで何度も好走しているわけで、スムーズに運べば食い込むシーンがある。藤岡康太はテン乗りになるが、攻めで乗って感触はつかんでいるだろう。
【オーヴェルニュ】評価B 騎手A-
5歳、栗東。昨年の後半にリステッド競走を連勝。明けて5歳の1月に、不良馬場だった東海Sを3番手追走から強気に動く競馬で快勝している(1馬身3/4差)。春の平安Sは舞台が中京のダ1900m、重で走りやすい馬場。58キロを背負っていたが、好位につけて追走ぶりが良く、直線で抜け出して6馬身差で圧勝した。1分54秒7のレコード走破で、1800mの通過は1分48秒5だった。ゴールする時に手綱を少し緩めるぐらいの余力があった。秋緒戦のみやこSは凡退。好位のインにつけて道中はスムーズだったが、3コーナーを過ぎて鞍上の手が動いて反応がなくなり、後退して12着に終わった。走るのをやめた感じだった。中3週の競馬になり、CWコースで福永祐一が跨って終い重点を2本。1週前は強めに追われ、今週はほぼ馬なりだった(今週の時計は68秒級-12秒級)。2週ともに気合の乗りが良く、体を大きく使って推進力ある伸びを見せていた。久々を叩いて、しっかりと上積みを乗せてきている。理想である脚抜きの良い馬場にはならなそうだが、乾いた馬場でも結果は出ている。中京は3戦3勝。自分のリズムで走って気持ちが乗ると強く、力を出し切ればGIでも互角にやれていい。
【カジノフォンテン】評価B 騎手A+
5歳、船橋からの挑戦。4歳の暮れに東京大賞典で2着。2番手追走から直線で先頭に立ち、中央の実力者オメガパフュームと叩き合ってクビだけ交わされた。年が明けて5歳になり、1月の川崎記念で逃げてオメガパフュームに3馬身差の差をつけて交流GI初勝利を決めている。春にはかしわ記念で交流GI2勝目。武器はパワフルな先行力で、中央の一線級と渡り合えるまでに成長した。前2走は崩れたが、どちらも展開が厳しく、長距離輸送があった金沢の前走はイレ込みがヒドかったようだ。中間は外厩の坂路で乗り、船橋競馬場(外コース、渋った馬場)の最終追いでは軽く気合を乗せられる程度で61秒級-11秒台の中ほどの好時計をマークしている。スピード感があり、動きはダイナミック。久々だった前走を使ってデキを上げている。中央の舞台で走るのは初めて、しかも、起伏の激しい中京コース。条件は楽でないが、 左回りで強さを見せるし、息を入れることができると抵抗するシーンをつくってきそうだ。ヤネはテン乗りでミルコ・デムーロ。ハナにはこだわらないが、2番枠を引いたことで積極的に行かせるかもしれない。
【カフェファラオ】評価A- 騎手S
4歳、アメリカ産馬、美浦。3歳の6月、ユニコーンS(東京ダ1600m)をハイペースの好位から抜けて5馬身差で圧勝した走りが衝撃的だった(勝ち時計は稍重で1分34秒9)。同年の12月のチャンピオンズカップは6着。タメる競馬で外々を回る厳しい形ではあったが、直線はジリジリとしか伸びなかった。明けて4歳の2月にフェブラリーSをV。初めてチークピーシズを着けて3番手のインを進み、直線に向いて外に出す形に。追われてしっかり伸びて抜け出し、危なげなく押し切った。良で1分34秒4の走破は相当に速い。春のかしわ記念は、深い砂で動けずに5着に終わっている。夏の函館記念は初芝でハンデが酷量の58.5キロ。それでも普通に競馬になり、9着でも2着との差は0秒2だった。その後は放牧に出され、美浦に戻ってからは堀宣行流でウッドコースと坂路でじっくりと負荷をかけられてきた。1週前はルメールが跨ってウッドに入れ、カウディーリョ(オープン)を追いかける稽古。少し気持ちが乗りすぎで頭も高かったが、強く追われることなく、みずからグイグイ伸びて相手を圧倒した。グリップの利いた走りで、5ハロンは66秒4、ラスト1ハロンは11秒5だった。今週はウッドで大きめにとどめ、それでも活気があってバランスの良い走りを見せていた。仕上げに抜かりはない。気になる点といえば、東京ダ1600mでの2勝で見せたパフォーマンスと、他のレースでの走りに差があることだ。アメリカ血統のスピード馬。距離は1800mでまったく問題ないが、府中のように砂は軽めの方がいいのだろう。芝でも普通の斤量で走れば相当な能力を発揮するはずである。馬場が渋ってくれると良かったが、それは叶いそうにない。実戦では初めてブリンカーを着けて挑む。これがプラスに出るのかマイナスになるかは、やってみないとわからない。堀師も「(ブリンカー着用で)引っ掛かってしまうと距離は微妙かも」と話している。大外の16番枠を引いていて、早めにバラけて内に寄せることができると理想的。この点の対処はルメールに任せるしかない。不安な点はあるが、能力的に期待されて当然である。
【クリンチャー】評価B 騎手S
7歳、栗東。3歳時に皐月賞4着、菊花賞2着。4歳時に京都記念1着、天皇賞(春)3着。6歳だった昨年の2月からダートを使い、同年の秋にみやこSで重賞制覇を決めた(2着に3馬身)。続くチャンピオンズカップは11着に敗れている。GIの流れで追走が楽でなく、直線残り300mではヨレるシーンがあった。7歳になって地方の交流重賞を連勝。帝王賞は正攻法の競馬で3着だった。勝ったテーオーケインズには離されたが、2着ノンコノユメとの差はクビだった。秋緒戦のみやこSは、外の追走で後半で突かれて動かされ、伸びを出せずに6着に終わっている。中間の調整は意欲的。1週前にCWコースで終いにしっかりと追われ、今週は坂路で無理なく39秒4-12秒6(4ハロンは計測不能)をマークした。バランスの良い走りで動きも力強かった。もともと特別に動くタイプではなく、使った分の上積みを見込んでいいだろう。川田将雅は同馬とコンビを組んで3戦無敗。左回りの経験が浅いし、中央のGIだと壁がある印象があるが、脚を残しつつ追走できれば見せ場はつくってきそうだ。最後の押しが利くかどうか。
【ケイティブレイブ】評価B 騎手A-
8歳、美浦。4歳時に帝王賞を制覇し、同年の暮れのチャンピオンズカップは勝ったゴールドドリームと0秒3差の4着。5歳時には1月に川崎記念を勝ち、秋に京都ダ1900mで行われたJBCクラシックを制している。この年のチャンピオンズカップは11着だった。7歳のフェブラリーSでは、直線でしっかりと伸びて2着に奮闘。しんがり16番人気という低評価をくつがえす好走だった。その後、脚部不安による長い休養が入り、今年の夏に復帰。緒戦のエルムSは58キロで0秒7差の6着だから悪い走りではなかった。続くシリウスSは、ハンデが58.5キロで、4コーナーでゴチャつく不利もあって11着。前走のJBCクラシックは5着だったが、金沢は内めの砂が深いことを意識してか外を回り、コースロスがあっての結果である(直線で挟まれる不利も)。中間は坂路で追い日のほかに日曜にも時計を出して入念に乗られてきた。1週前に少し気をつけてパワフルに先着し、日曜は53秒0-12秒7で同入。今週は大きめにとどめ、それでも楽に先着している。元気があって、デキは良さそうだ。ただ、衰えたとまでは言わないが、さすがに全盛期の力はない感じ。無理せず脚をタメ、もつれる展開になってあるいはといったところ。
【サンライズノヴァ】評価B 騎手B
7歳、栗東。4歳時にフェブラリーSで4着に健闘。同年のチャンピオンズカップでは、出遅れて後方を進みながら直線で6着まで伸びた。5歳の秋に南部杯で交流GIを制覇。6歳のフェブラリーSでは、大外から3着に追い込んでいる。同年の秋は武蔵野Sを前年に続いて連覇し、チャンピオンズカップは12着だった。7歳の今年は4走で、前走のJBCスプリント(金沢)では出遅れながらレッドルゼルのレコード駆けの2着に伸びている。中間は坂路で意欲的な調整ぶり。最終追いではモズスーパーフレアと併せ、重厚感ある走りを見せて50秒8-12秒5の好時計でわずかに先着した。こちらは松若風馬、相手は調教助手。力の要る馬場というのもよかったかもしれないが、坂路で大将格に動くモズスーパーフレアに負けなかったのだから立派だ。いいデキにあるのは間違いない。闘争心を抑え込み、直線で一気に放出させるというタイプ。6歳の7月にプロキオンS(阪神ダ1400m)を勝った時など、59キロを背負って34秒4の上がりで追い込み切る圧巻の走りだった(2着が1年ぶりの実戦だったエアスピネル)。ただ、マイル以下でこその爆発力で、1800mの距離だと力んで走って鈍る傾向にある。それでも脚力自体は負けていない。可能性は低めだが、折り合いがつき、完璧に運んで末脚を引き出すことができれば上位進出もある。
【サンライズホープ】評価B 騎手A-
4歳、栗東。今年の4月に阪神のダ2000mで3勝クラスをクリアしたが、先頭に立って気を抜くところがあり、ラスト1ハロンが14秒0という非常に大きな数字に。続く中京ダ1800mの三宮S(ハンデ54キロ)は、初ブリンカー着で挑んだ。稍重の中、楽に逃げて1000m通過が62秒9というスロー。直線でしっかりと脚を使い、2馬身半差で押し切った。後半の1000mは60秒1で、上がりは12秒1-11秒8-12秒5の36秒4だった。小倉のプロキオンS(6着)は、小回りコースのレコードで決着する馬場で持ち味が活きなかった感じである(4コーナーでは外に張り気味)。秋緒戦に中京ダ1900mのシリウスSを使って重賞初勝利。2番手でスムーズな追走ぶりを見せ、直線に向いてすぐに先頭に立つ。坂をしっかりと上り、最後でウェスタールンドに詰め寄られながらアタマ差で逃げ込んだ。勝ち時計は1分57秒4(良)。ラスト1ハロンは13秒1で、1800mを1分50秒9で通過している。その後は在厩しての調整で、坂路とCWコースでハードに乗られてきた。今週は坂路に入れて終いに一杯に追うというメニュー。馬場が悪い中でパワフルに伸び、52秒7-37秒7-12秒1をマークした。馬体の充実ぶりも目立っていて、仕上がりは万全と言っていい。中京は(2.1.0.0)と得意。GIの流れはまた違うが、ブリンカーを着けてからメリハリのある競馬ができるようになっているのはいい。ただ、相手は強く、57キロで走るのは初めてになる。うまく運んで、どこまで踏ん張れるか。
【スワーヴアラミス】評価C 騎手A-
6歳、栗東。昨年のマーチSでは、クリンチャーとの叩き合いを制してクビ差で重賞初勝利を決めた。今年の夏は、マリーンSをハンデ57.5キロでV。ズブくて追いっぱなしになるのは気性的なもので、続くエルムSは初めてブリンカーを着けて挑んだ。やはり手応えは厳しかったが、直線で渋太く抜け出て勝ち切った。9月の白山大賞典(金沢)は、メイショウカズサがレコードであっさり逃げ切り、2着ミューチャリー(11月にJBCクラシックを制覇)とクビ差の3着だった。前走のみやこSは、スタートして軽く躓く場面が。揉まれたくなかったかスタンド前で外に出したが、ずっと外を走ることになってしまった。3コーナーを過ぎてしごいていき、直線はジリジリと脚を使って7着には詰めてきた。中間は在厩しての調整。1週前にはCWコースの併せ馬で65秒級-12秒台でしっかりと先着し、今週は重たい坂路で54秒1-12秒6をマークした。動きは力強く、前向きさもあってデキは良さそうだ。手応え以上に頑張れるといっても、GIに入るとスッと動けない点は致命傷になりかねない。中京は問題なく、乱戦の追い比べになってどうかといったところ。無理に行かせず、紛れが起こるのを待つ方がいいかも。
【ソダシ】評価A- 騎手A-
3歳の牝馬、栗東。白毛の一族で、自身も白毛。2歳の夏に函館で新馬を勝ち、暮れの阪神ジュベナイルF、3歳の春の桜花賞を勝って負けなしの5連勝となった。桜花賞は高速馬場の中でのものといえ、1分31秒1とコースレコードを更新している。ただ、道中で力んで走っていて、気性面の危うさは見せていた。オークスは最初のコーナーでゴチャつき、あとはずっとムキになった走り。直線で伸びかけたが、持続はせずに8着に終わった。夏に札幌記念で古馬と初対戦。2000mの距離でも2番手につけて息が入り、突かれて早めに先頭に立つ形になりながら渋太く押し切った。52キロの利があったといえ、ラヴズオンリーユー(3コーナー前で数度の接触あり)、ペルシアンナイトらを押さえたのだから立派である。秋の秋華賞はレース前から集中力を欠き、ゲート内でぶつけて歯を折ったとのこと。2番手を進んで競馬の形にはなったが、4コーナーで手応えがなくなって10着に沈んだ。その後は放牧に出され、歯の治療は済んだとのこと。栗東に戻ってからはCWコースと坂路を中心に乗られ、ダートのBコースにも入れて追われた。Bコースの時には、アディラート(オープン)に楽な手応えで先着してラスト1ハロンが11秒台の前半だった。今週は吉田隼人が跨り、坂路で最終調整に臨んだ。雨が降って馬場が重たく、脚を取られる馬が続出するような状況。ソダシもそんなところはあったが、走るのに苦労しているわけではなく、終いに少し強く追われた程度でスピード感ある走りで力強く駆け抜けた。時計は51秒8-11秒8。ラスト1ハロンの11秒8は、この日の最速の数字である。変にテンションが高くなっている感じはないし、リフレッシュ効果があって、肉体面でもしっかりと仕上げてきた。今回は初めてダートを走ることになる。父はダートの歴代最強レベルのクロフネ。母系にはダートの活躍馬が多い。走りを見ると、前は掻き込みあり。後ろも普段の走りでは少し掻き込んでいるが、疲れると置くような感じになるので、その点がどうかだ。みながそうと言えばそうなのだが…。砂をゴソッと持っていくほどではないものの、パワーはあるし、ダートでも問題なく走れるだろう。ソダシの場合、砂をかぶって嫌がらないか、気性の方が心配。キックバックを受ける稽古はこなしていて、吉田隼人は「砂をかぶっても大丈夫だと思う」と話している。しかし、実戦となると違うし、最内の1番枠から出ることになった。隣の2番枠がハナを主張しそうなカジノフォンテンで、スッと一緒に行って好位につけることになりそうだ。バラけて砂をかぶるのを回避できるのか、それとも押し込められて厳しい競馬になるのか…。こればかりは出てみないとわからない。気持ちが乗った場合にハナに行かせることを考えている可能性もある。特別に気持ちが高ぶっていることはない様子で、当日に適度なやる気を持ってレースに向かえるといい。54キロで走れるのは、もちろん大いに有利である。非常に注目度の高いダート参戦。いかにも極端な結果になりそうで、どんなパフォーマンスを見せるのか楽しみであり、”予想”という点からすると、正直に言ってやっかいな存在である。
【ダノンファラオ】評価B 騎手S
4歳、栗東。母はサンタアニタオークス(米GI)勝ち馬。3歳の7月にジャパンダートダービーで交流GIを制覇している。2番手追走から逃げたダイメイコリーダに早めにプレッシャーをかけ、競り落として勝ち切るという内容。ラスト1ハロンが14秒2もかかっていて、力任せの競馬だった。その後の9戦はすべて地方の交流重賞。今年の1月の川崎記念では、2番手から逃げたカジノフォンテンを追ったが、勝負どころからしごいても迫れない。直線で離され、オメガパフュームに交わされて3着に落ちた(3馬身+3/4馬身)。6月の帝王賞もカジノフォンテンをマークする競馬。ペースが速く、共倒れになって、こちらは9着、相手は10着だった。金沢のJBCクラシックは、逃げを打って2番手がカジノフォンテン。向正面で3番手のミューチャリーと4番手のケイティブレイブが動いてきて早めに交わされることになり、苦しくなって7着に沈んでいる。中間は在厩して入念に乗り込んできた。1週前にはCWコースの併せ馬で大きく追いかける形から先着し、時計は64秒台-12秒台。今週は坂路で終いにしっかりと追われ、52秒3-12秒3で先着した。巨漢馬でスピード感こそないが、動きは力強く、いいデキをキープしている。中央で走るのは久しぶり。行くにしろ控えるにしろ、楽なペースで運ぶことはできないだろう。左回りで走れているので、中京は問題ないはずだ。力はあり、ヤネは追いの強い横山武史。息を入れることができればとも思うが、簡単にはいかなそうで。
【チュウワウィザード】評価A+ 騎手A-
6歳、栗東。中央での重賞初勝利は4歳の春の平安S。同年の秋にJBCクラシック(浦和)で交流GIを制覇した。次走がチャンピオンズカップ。好位の後ろのインを進み、直線で引いて外に出すロスが生まれたのが痛かった。そこからしっかり伸びて0秒3差の4着に上がっている。その1年後、5歳の時にチャンピオンズカップをV。馬群で中で時に軽く押して離されないようにし、4コーナーでバラけてうまく踏み込むことができた。グッと伸びてパワフルに抜け出し、2着ゴールドドリームにつけた着差は2馬身。しかも、少し余力が残っていた。6歳になって、3月にドバイワールドカップに挑戦。4番手のインを追走し、直線でしっかりと脚を使って2着に好走した。外から抜けたミスティックガイドは強かった。帰国緒戦の帝王賞は6着。馬群の中を進んで3コーナーからモタついて下がり、直線は盛り返したわけでもないが、内で少し頑張っていた。その後に骨折が判明、軽度のもので手術をせずに完治したとのことである。金沢のJBCクラシックは4ヵ月ぶりの実戦。好位のインで走りは良く、3コーナーから手が動いて少しもたつく感じになる。それでも離されはせず、直線で内めから脚を使って3着で入線した。陣営は「金沢は内めの砂が深く、枠順(1番枠)の差が出た」と話している。中間の攻めは実に熱心。1週前にCWコースの併せ馬でしっかりと先着し、今週は坂路でキビキビとした動きを見せて52秒9-12秒8をマークした。遠征の疲れはなく、しっかりとデキを上げてきた感じだ。GIを勝った舞台、ヤネは昨年も跨っていた戸崎圭太。同馬を手の内に入れている戸崎だが、捌きに甘さのあるジョッキーではあり、うまく進路を見つけてもらいたいところだ。スムーズに立ち回ってくれば、連覇を決めるシーンがある。
【テーオーケインズ】評価A+ 騎手S
4歳、栗東。3歳の暮れ、初めてオープンを走ったのが阪神のベテルギウスS。中位の外を進み、直線で外から伸びてオーヴェルニュとクビ差の2着で入線した。次は中8日で東京大賞典に挑み、見せ場をつくって0秒2差の6着に健闘している。4歳の春には名古屋城SとアンタレスSを連勝。どちらも渋って走りやすい馬場で、名古屋城Sでは持っていかれるぐらいの気合を見せ、アンタレスSも追走ぶりは楽だった。やはりどちらも早めに先頭に立ち、追ってしっかりと走り切って快勝した。続いて6月の帝王賞、これも重で脚抜きの良い馬場。少し離れた5番手のインを進み、そのままインを攻めて直線で一気に抜け出すと、後続に3馬身の差をつけて圧倒した。ソラを使うぐらいで余裕があった。この3連勝、自身の数字になるラスト1ハロンは、すべて12秒4だった。秋緒戦は金沢のJBCクラシック。スタートでまともにアオり、押して流れに乗せて道中はずっと少し力んで走っていた。3コーナーからの反応はひと息で、脚を使ってはきたものの最後は疲れて4着に終わった。その後は短期放牧に出され、栗東に戻ってから意欲的に乗り込んできた。1週前は松山弘平が跨ってCWコースに入れ、終いに軽くうながした程度で時計は66秒級-11秒台の中ほど。坂路に入れた今週は、楽な感じで54秒0-12秒3をマークした。推進力のある走りを見せていて、叩いた分でしっかりと上向いている。ゲート練習はしたとのこと。ただ、前走だけでなく、春に連勝した時もトモが入らないのかゲートをしっかりとは出ておらず、うまくいくという保証はない。名古屋城Sの走りから、中京は合っている。近走のイメージからは軽い馬場が良さそうだが、パサパサの良馬場でも問題はない。ヤネはコンビを組んで(5.1.1.2)の松山弘平。中央のGI制覇のチャンスがある。
【メイショウハリオ】評価B 騎手A+
4歳、栗東。春の府中ダ1600mでの3勝クラス勝ちは、長く脚を使って抜け出す強い勝ちっぷり。続く福島ダ1700mのジュライSは、追走ぶりが楽ではなく、4コーナーで外に膨れながら直線でグイグイ伸びて2着に上がるという内容だった。秋緒戦の太秦Sは中位のインでタメてロスのない立ち回り。レースのラスト1ハロンが13秒4とかかったところ、渋太く脚を使ってアタマ差の2着に食い込んだ。みやこSはゲートで後ろを踏ん張る感じで少し遅れ、押して流れに乗せる。道中は馬群の中で、3コーナーを過ぎてしごいていって、直線は馬群を割る形に。抜けるとしっかりと伸び、外からきたロードブレスをハナだけ押さえて勝ち切った。レースのラスト1ハロンは12秒6で、自身はここを12秒1前後で駆けている。中間は坂路を中心にCWコースでも大きめを乗られてきた。最終追いは坂路で、終いに強く追われて53秒2-12秒3。馬場が重たい分で目立つとまではいかなかったが、しっかりと動いていて、好調をキープしている感じだ。スタートでダッシュがつかず、手応えに渋いところがあるので、GIの流れで追走に脚を使わされる可能性がある。欲は出さず、ジッとタメて乗って、開けば内を突いてくるかもしれない。上昇度は認めるべきで、もつれる展開にでもなれば。中京は問題ない。
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ソダシ、3歳の牝馬、白毛馬、初のダート参戦…。大いに注目され、前日の段階で単勝が200円台の1番人気になっている。しかし、馬連の1番人気はテーオーケインズ-チュウワウィザードの目。状況が状況だけに、扱いに苦労するのは致し方ないことである。
ソダシの場合、ダート適性よりも気性が心配。そして、このレースには、他にも自分の競馬できるかどうかで走りが大きく変わってくるという馬が複数頭いる。調教師、ジョッキーがどんな攻め方をしてくるのかを読むのは簡単ではないし、難解なダートGIになった。
大久保龍志厩舎(栗東)の6歳馬チュウワウィザードに◎を打った。
当レースは一昨年が直線で捌くのにロスがあっての4着。昨年は直線で外から力強く抜け出し、2着に2馬身半の差をつけて快勝している。あれから1年…。骨折明けで4ヵ月ぶりの実戦だったJBCクラシック(3着)の走りを見ると、能力の減退は考えなくていいだろう。
一昨年は3番枠で、昨年は11番枠。今年は外の13番枠を引いたが、内でヒドく揉まれる競馬になるよりもいい。ただ、早めに内に寄せてもらいたいところではある。
戸崎圭太は捌きが甘くて見ていて怖いジョッキーだが、昨年はうまく誘導して力を引き出していたし、同様の騎乗を期待する。息の長い末脚を繰り出し、連覇を決めるシーンがあっていい。
強敵は高柳大輔厩舎(栗東)の4歳馬テーオーケインズ。名古屋城S、アンタレスS、帝王賞の3連勝が見事な強さで、勢い、成長度という点では◎より上である。
課題はゲート。すぐにはトモが入られないのかヨレたりアオッたりするケースが多く、JBCクラシックはまともにアオッてリズムを欠く走りになってしまった。それでも4着に頑張っている。
ゲート練習はしているとのこと。遅れたら遅れたで、今度は松山弘平が慌てて押していくことはせず、終いを伸ばす競馬をするかもしれない。いずれにせよ、中央のGIを制するだけのパワーと実力を持っているのは確かだ。
▲はエアスピネル。パサパサのダートだと1800mは長い印象があるが、5番枠からロスなく立ち回ってくれば。
△は初ブリンカー着用で挑むカフェファラオ。アメリカ産馬でスピード能力が高く、深いダートへの対応が鍵になる。
※はインティ。気性が難しいのは相変わらずだが、当レースは2年連続で3着に駆けている。
ソダシは×の1番手に置いた。結果を出して何の不思議もないが、初ダートが中京ダ1800mのGIというのはなかなか大変である。舞台としては、フェブラリーSの方が合っているだろう。
以下はメイショウハリオ、サンライズノヴァ、オーヴェルニュなど。
先にも書いたが、脆いタイプが複数頭いるというメンバー。良馬場の中でペースが速くなると、レースが壊れる可能性がある。
連勝式は高配当期待で手広く買っていくことにした。3連単は◎と○からの軸2頭マルチで。やはり、うまく崩れて配当が大きくなってくれるといい。
◎13番チュウワウィザード
○6番テーオーケインズ
▲5番エアスピネル
△16番カフェファラオ
※4番インティ
×1番ソダシ
×15番メイショウハリオ
×3番サンライズノヴァ
×9番オーヴェルニュ
【単勝】13番(10%)・6番(30%)
【複勝】13番(60%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
13→全通り
6→全通り
──────────────
【3連複】(軸2頭ながし)
6.13→全通り(14点)
5.13→全通り(14点)
13.16→全通り(14点)
4.13→全通り(14点)
──────────────
【3連単】(軸2頭マルチ)
13.6→全通り(84点)
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【日曜後半レース】
ギャラクシーS
3連単 6万7,050円
3連複 5,170円
馬 連 7,070円
単 勝 1,550円(10%)
複 勝 280円(90%)
◎バティスティーニ1着(5人気)
◎▲○でヒット
鳴海特別
3連単 6,760円
3連複 1,980円
馬 連 540円
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中山12R
3歳以上2勝クラス 12月5日(日) 8頭立てでも混戦
8頭立て。少頭数の競馬は、道中でマクる騎手などが出てきて展開を読むのが難しい。荒れやすいとも言える。
◎ブレークアップは成長段階にある3歳馬。10月の1勝クラス勝ちは、稍重の中を逃げ、ラスト1ハロンを11秒7で駆けてしっかりと押し切る強さだった。
横山武史からの乗り替わりによる戦力ダウンが問題になるが、腕っぷしの強い田辺裕信なら大丈夫だろう。田辺は土曜のステイヤーズSで、6番人気のディバインフォースを1着に持ってきている。
ハナにはこだわらず、自在の運びで結果を出してもらいたいところ。馬自身、2勝クラスは壁にならない。
○バイキングクラップはレコード決着になった春の淡路特別(阪神)でディバインフォースと戦って3着。早めに先頭に立つ強引な競馬をしての結果だった。仕上がりは良く、今度は差す競馬を考えているとのこと。配当面で妙味があり、狙っておもしろい。
コーストライン、ナリノモンターニュも軽視は禁物だ
8頭立てで難しかったが、配当は合わせてある。
◎2番ブレークアップ
○3番バイキングクラップ
▲4番コーストライン
△8番ナリノモンターニュ
※1番ピースディオン
×6番サンサルドス
×5番イヤサカ
【単勝】2番(80%)・3番(20%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
2→3.4.8
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【3連複】(軸1頭ながし)
2→3.4.8(3点)
【3連複】(軸2頭ながし)
2.3→全通り(6点)
【3連複】
2-3-4・2-4-8・2-4-8(3点)
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【3連単】(軸2頭マルチ)
2.3→全通り(36点)
【3連単】(軸2頭マルチ)
2.3→4.8(12点)
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阪神11R
ギャラクシーステークス 12月5日(日) 伏兵馬狙いで
1番枠のメイショウウズマサが行く構えだが、6番枠のイッツクールも逃げ宣言。メイショウウズマサの方がダッシュは速く、イッツクールが引くかどうかで、競馬自体が違うものになっている。
難しいダートのオープン特別だが、差して脚を使える伏兵馬を狙うことにした。
◎バティスティーニは8歳馬ながら元気いっぱい。今年のは春には、コーラルSで内を捌いて2着に入り、続く天保山Sでは外から伸びて2着にあがった。
府中の復帰戦は10着に終わったが、左回りは今ひとつだし、大外の16番枠を引いていたから致し方ないところがある。
じっくり乗られて仕上がりは良く、今度は得意の阪神。2番枠で捌きが鍵になるが、スムーズなら食い込むシーンがあるだろう。団野大成は若手の実力派。
以下は、タガノビューティー、コパノマーキュリー、メイショウウズマサなど。
バティスティーニが人気薄なので、高配当期待で連勝式は手広く買っていきたい。
◎2番バティスティーニ
○16番タガノビューティー
▲10番コパノマーキュリー
△1番メイショウウズマサ
※3番ケイアイターコイズ
×13番ドウドウキリシマ
×9番イメル
×15番ロンドンテソーロ
×8番モズダッシュスター
【単勝】2番(10%)
【複勝】2番(90%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
2→全通り
──────────────
【3連複】(軸2頭ながし)
2.16→全通り(14点)
2.10→全通り(14点)
1.2→全通り(14点)
2.3→全通り(14点)
──────────────
【3連単】(軸2頭マルチ)
2.16→全通り(84点)
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阪神12R
3歳以上2勝クラス 12月5日(日) 良血馬がズラリ
良血馬がそろった鞍。2勝クラスにしては注目度が高く、ただ、芝が荒れている点で興味は少しそがれる。
◎ヒメノカリスは全弟にシャフリヤール、全兄にアルアインがいる超良血馬。2走前からブリンカーを着け、1勝クラスを勝ち切って、続く昇級緒戦を小差の2着に駆けた。
栗東の坂路で3ハロン36秒5の時計を出してますます快調。内回りの芝1400mは問題ないし、馬場を考えると外の11番枠でいい。世界の名手クリスチャン・デムーロで期待は大だ。
○インフィナイトは兄が東京新聞杯を勝ったブラックスピネル。ノドの手術明けだった前走で、逃げて渋太く小差の3着に踏ん張っている。目標にされる立場になりそうだが、1400mは合っているので。
▲アンブレラデートは母が名牝ダイワスカーレット(桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯、有馬記念)。春にはフィリーズレビューで4着に健闘していて、前走で1勝クラスをクリアした。2勝クラスでも素質は上位。普通に結果を出していいが、中1週で使ってきたのは少し残念と感じる。
△ショウリュウレーヴは母がショウリュウムーン(京都牝馬S、朝日チャレンジカップ、桜花賞4着)で、兄にショウリュウイクゾ(日経新春杯)。こちらも先々は出世しそうで、ただ、久々の今回は陣営が「まだピリッとしない」と話している。攻めでは好時計を出していて、格好はつけてくるだろう。
以下はスキップ、ファルヴォーレ、テーオーディエスなど。
◎11番ヒメノカリス
○10番インフィナイト
▲12番アンブレラデート
△3番ショウリュウレーヴ
※14番スキップ
×4番ファルヴォーレ
×5番テーオーディエス
×8番カフェサンドリヨン
×9番ザイラ
【単勝】11番(10%)・10番(20%)
【複勝】11番(70%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
11→全通り
【馬連&ワイド】(ボックス)
3.10.11.12
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【3連複】(軸2頭ながし)
10.11→全通り(12点)
【3連複】(ボックス)
3.10.11.12(4点)
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【3連単】(軸2頭マルチ)
11.10→全通り(72点)
【3連単】(軸2頭マルチ)
3.10.11.12(24点)
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中京12R
鳴海特別 12月5日(日) 展開面が鍵に…
2番枠のオーマイガイ、16番枠のハリーバローズが先行態勢を取る。競り合いは避けたいところだが、ハリーバローズが掛かって行ってしまう気性で、どんな展開、どんなペースになるかは流動的だ。
◎レッドブロンクスは前出の2頭を意識しつつ、好位かその後ろあたりを進むことになるだろう。スパッと切れる脚はないが、1400mの距離だと粘り強く脚を使ってくる。
中京コースは(0.3.0.1)、乾いた馬場でもしっかりと走れる。ヤネは追いの甘い武豊だが、前走で同馬を1着に持ってきているし、冷静に立ち回ってくるだろう。2勝クラスに昇級しても、時計と上がりがかかってくれれば上位浮上が可能になる。
○オーマイガイと▲ハリーバローズは、とにかく息が入るかどうか。すんなりと兼ね合いがつくと“行った、行った”の決着になる。
△アメージングランは仕上がり良く、1番枠からロスなく運べそう。※ヤウガウはムラな面があるものの末脚は軽快すべきだ。
以下はゲンパチマイティー、エスケーアタランタ、ファイヴレターなど。
連勝式はボックス買いとし、3連単は配当を合わせづらかった。程度に崩れてくれると理想的。
◎10番レッドブロンクス
○2番オーマイガイ
▲16番ハリーバローズ
△1番アメージングラン
※15番ヤウガウ
×11番ゲンパチマイティー
×9番エスケーアタランタ
×8番ファイヴレター
×12番タガノペルマネンテ
【単勝】10番(10%)
【複勝】10番(90%)
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【馬連&ワイド】(ボックス)
1.2.10.15.16
【馬連&ワイド】(ボックス)
2.10.16
【馬連&ワイド】
2-16
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【3連複】(ボックス)
1.2.10.15.16(10点)
【3連複】
2-10-16(1点)
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【3連単】(ボックス)
1.2.10.15.16(60点)
【3連単】(ボックス)
2.10.16(6点)
【3連単】(ボックス)
2.10.16(6点)
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【土曜メインレース】
チャレンジカップ
3連単 5,860円
3連複 1,990円
馬 連 830円
単 勝 170円(60%)
◎ソーヴァリアント1着(1人気)
◎▲※でヒット
ステイヤーズS
3連複 4,420円
馬 連 1,800円
単 勝 770円(10%)
複 勝 210円(50%)
◎ディバインフォース1着(6人気)
◎▲×でヒット
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中山11R
ステイヤーズステークス(GII) 12月4日(土) 低レベルで難解
中山の芝3600mで争われるGII競走。
スタンド前からの発走、内回りコースを2周する。スタートしてすぐに中山名物の急坂を迎え、上り勾配は2コーナー手前まで続く。2コーナーから向正面の半ばまでは下り坂。そして、直線に入り、残り180m~残り70mが急な上り坂になっている。高低差2.2m、最大勾配2.24%は、JRA全10場の中で最大の数字になる。直線距離は310m。コース全体の高低差は5.3mで、これも10場の中で最大。
芝は開幕週でAコース使用になっている。JRAからは「野芝および洋芝とも順調に生育しており、全体的に良好な状態」と発表があった。
9月に始まった4回中山をチェックすると、最終日9日目に行われたスプリンターズSが1分07秒1で決着(良発表でも少し水を含んだ状態)。好位のインを進んだピクシーナイトが内から抜け出して2馬身差で快勝し、2着は4番手追走から4コーナーで少し外を回して脚を伸ばしたレシステンシア、3着が勝ち馬を追いかける形で伸びたシヴァージだった。テンの3ハロンは33秒3。上がりは11秒1-11秒3-11秒4の33秒8という速さだった。
全体には時計の速い開催で、節が進んでも外差しが目立つようになるという状況にはならなった。馬場は生き物なのでやってみないとわからないところはあるが、4回中山ほどではなくてもスピードの出やすい馬場になっている可能性が高い。
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以下、全頭診断と騎手評価(50音順)。全頭診断は相対評価、騎手評価は絶対評価で、騎手評価は騎乗馬との相性を考慮する場合がある。
【アイアンバローズ】評価A- 騎手A+
4歳、栗東。兄にベルモントS(米GI)勝ちのパレスマリス。3歳時に青葉賞に挑戦していて、出遅れてチグハグな競馬になっての10着(1秒差)だから悪い走りではなかった。4歳になって春に条件級を連勝。どちらも道中はなだめるぐらいの手応えで、可能性を感じさせる走りだった。秋緒戦の京都大賞典(阪神)は、18キロ増+1コーナーで不利があって12着。続くアルゼンチン共和国杯(ハンデ54キロ)は、流れには乗れたものの、直線はジリジリとしか脚を使えなかった(軽い不利あり)。それで2着と0秒3差の6着で、大きく負けているわけではない。中間の稽古は意欲的で、1週前にCWコースで長めから追われ、今週は坂路で前向きな走りを見せて53秒6-12秒5をマークしている。使いつつデキは上がっている感じだ。オルフェーヴル産駒で難しいところがあるが、血統面やレースぶりからスタミナは十分にある。丁寧に乗って息を入れることができれば、3600mの重賞でもやれそうなムードだ。
【アスティ】評価C 騎手B
5歳のセン馬、美浦。母はエリザベス女王杯勝ちのクィーンスプマンテ。2勝クラスからの格上挑戦。自己条件では、今年の春に中山の芝2500mで3着していて、夏に函館の芝2600mで外からマクる競馬をして3着(0秒1差)に駆けた。2走前の中山戦(12着)は輸送で熱が出たあとで、続く福島でも10着と動けなかった。中3週になり、時計になったのは今週のウッドコースの1本だけ。時計は68秒4-12秒8で、外ラチ沿いを気持ち良さそうに走っていた。母は11番人気(単勝7,710円)でエリザベス女王杯を逃げ切ったが、そのように穴を出せるかは疑問で…。再ブリンカー着で挑む。
【アドマイヤアルバ】評価B 騎手B
6歳のセン馬、美浦。3歳時に京都新聞杯で2着、4歳時に京都金杯で4着。その後は不振が続いていたが、今年の春に目黒記念(ハンデ53キロ)で初めてブリンカーを着け、スローの中でうまく好位を立ち回って3着に健闘した。秋の2走は0秒7差、0秒8差だから大きく負けているわけではなく、ジリジリの伸びで切れ味負けしているという内容だった。中間もしっかり乗られていて、1週前にはウッドコースで66秒6-12秒1。今週は坂路でやられたが、重たい馬場に苦労している感じだった。デキ落ちはなさそうだ。気を抜いて走るところがあり、3600mはこなせておかしくない。ジリッぽいタイプが多いメンバーだし、うまく立ち回るとあるいは。
【ヴァルコス】評価A- 騎手B
4歳、栗東。祖母がディープインパクトを産んだウインドインハーヘア。3歳の春に青葉賞で2着に好走している。ポジションを取れずに中団の後ろの追走になり、3コーナーから外を動かしていくという強気の競馬。直線で渋太く伸びて叩き合いに加わり、最後で外からクビだけ差された。勝ったのは先週のジャパンカップで2着に入ったオーソリティである。走破時計は2分23秒0(良)と速いし、価値ある走りだった。前走は屈腱炎明けで1年ぶりの実戦。道中は抑えるぐらいの手応えで、競馬の形になっていた。直線でジリジリと脚を使って0秒6差の7着に上がれば十分な結果だろう。中間は坂路で豊富に乗られ、今週は53秒4-13秒0。馬場が重たくてフラついていたが、しっかりとやれたのはいい。坂路の中心の調整で3600mの長丁場。楽な状況ではないが、菊花賞の8着が悪い内容ではなかったし、こなすポテンシャルは備えているはずだ。侮れない面はある。
【カウディーリョ】評価A- 騎手B
5歳、美浦。母はディアデラノビア(オークス3着、ヴィクトリアマイル3着、エリザベス女王杯3着)、きょうだいに活躍馬多し。3歳時には菊花賞で逃げて8着。残り200mを過ぎても馬券に残るかもというぐらいの頑張りを見せていた。5歳になって、夏に函館で札幌日経オープンを2着し、続く札幌の丹頂Sを直線で並ばれながら盛り返すように脚を使って勝ち切った。その後は放牧に出され、美浦に戻ってからは熱心に乗られてきた。1週前にはウッドコースでカフェファラオ(チャンピオンズカップに出走)の調教パートナーをつとめている。今週はウッドで単走でやられて強くは追わず、時計は68秒7-11秒9。頭が高いのはもともとのフォームで、キビキビとした動きを見せていた。タフな中山の3600mでどうかだが、落ち着いて走ればこなせるはず。輸送でうるさくなるところがあるので、そこが最大のポイントになる。輸送による消耗が少なく、折り合ってスムーズに運べば上位争いが可能に。
【ゴースト】評価B 騎手A-
5歳のセン馬、栗東。2勝目からの3勝が阪神の芝2600m(外)、札幌の芝2600m、阪神の芝2400m(外)。5歳になった今年の夏は、札幌日経オープンが久々が影響した感じの4着で、続く丹頂Sでは外を動く形でジリジリと伸びて0秒2差の3着で入線した。秋のアルゼンチン共和国杯(ハンデ54キロ)は、出していって好位の外につけ、直線は速い脚を使えずに後退して14着に終わっている。中間はCWコースを中心に乗られ、1週前に大外を回って負荷をかけられて66秒台。今週は終い重点の稽古で、追われるとしっかりと伸びてラスト1ハロンを11秒台の中ほどで上がってきた。叩いて上積みを加えている。切れる脚がないのが悩みだが、ズブいところがあり、長めの距離で少し時計がかかるような状況なら渋太く脚を使ってくる。中山の3600mは悪くないはずで、混戦になれば浮上するシーンも。
【シルヴァーソニック】評価A- 騎手A-
5歳、栗東。母はエアトゥーレ(阪神牝馬S)で、その母はムーランドロンシャン賞(仏GI)や京王杯スプリングカップを勝ったスキーパラダイス。兄に皐月賞馬キャプテントゥーレがいる。休みがちで、5歳でも15戦とキャリアは多くない。ちなみに今年のステイヤーズSは、そんな経歴の馬が多くなっている。3歳時には菊花賞を使うプランがあったが、自重することとなった。3勝クラスをクリアしたのが今年の春。舞台は府中の芝2400mで、早めの立ち回りから長い直線をしっかり伸びて勝ち切るという内容だった。ゴールした時に余力が残っていた。秋緒戦、オープン緒戦は東京芝2000mのオクトーバーS。久々で馬体を減らしているという状況だった。逃げ切ることになるパンサラッサが飛ばし、2番手からはそう離れていないポジション。直線はジリジリとでも渋太く伸びて5着で入線した。その後は放牧に出してリフレッシュ。1週前にCWコースでしっかりと追われ、時計は65秒台-12秒台だった。今週はCWで2頭を追いかける形。内から並び、追われて遅れた。時計は67秒級-12秒だった。これだけやられていれば問題ないし、体も細くは見せていない。3600mがどうかだが、ワンペースの走りで無駄に力を使わないところがあり、こなす可能性はある。急坂は歓迎はできないかもしれない。血統から底力を秘め、初の重賞挑戦でも軽視は禁物だろう。
【セダブリランテス】評価B 騎手A+
7歳、美浦。兄に19年にステイヤーズSを勝っているモンドインテロ。複数回の骨折や脚部不安による休養があり、7歳でもキャリアはわずか10戦。それなのにラジオNIKKEI賞、中山金杯と重賞を2勝し、5歳の12月には骨折明け、1年3ヵ月ぶりという状況でリステッド競走を勝っている。7歳の今年は3戦して6着、17着、15着。攻めは動いているが、実戦で結果が出ていない。中間は放牧に出され、美浦に戻ってからの乗り込みは順調。1週前には石川裕紀人が跨ってウッドコースに入れ、5ハロンが66秒3で、ラスト1ハロンを11秒2という速いラップで駆けている。今週は併せ馬で大きめをやられていて、仕上がりは良さそうだ。長い距離は3歳時にアルゼンチン共和国杯を走って3着。血統面からこなせる下地はあるが、3600mを走るのに520キロ級という体は大きすぎで、その点は少し心配である。本来は流れに乗って持久力ある走りを見せるタイプ。変わって不思議はない。
【ディバインフォース】評価A+ 騎手A+
5歳、栗東。3勝クラスからの格上挑戦。3歳時に2勝クラスから菊花賞(勝ち馬ワールドプレミア)に挑み、大外から0秒3差の4着に追い込む健闘を見せた。5歳の春に阪神の芝2600m(外)で2勝クラスを勝った時が2分35秒8(良)のレコード(ハンデ57キロ)。高速馬場の中でのものではあり、すでに更新されている(現在のレコードは2分35秒1)。ただ、大外から一気に伸びて早めに抜け出し、後続に2馬身の差をつけて勝ち切るという強さだった。2400mは2分23秒7で通過している。秋になって2走目に阪神の芝3000m(内)を使って4着。4コーナーで外に膨れるところがあり、直線は渋太く伸びてきた。中間はCWコースを中心に熱心な調整ぶり。今週はジュランビル(オープン)を内に置いて外を回ってきて、最後に強く追われて少し先着した(相手は馬なり)。時計は65秒台-12秒級だった。実績通りでスタミナは豊富。不器用ではあるが、後半に長く脚を使ってくる。条件級でのものといえ、(0.2.1.1)と中山も問題にしない。3600mがプラスに出る可能性はあり、穴候補として注意を払う必要がある。ヤネはテン乗りで田辺裕信。何かを仕掛けてくることがあるジョッキーで。
【トーセンカンビーナ】評価A- 騎手S
5歳、栗東。4歳の春に阪神大賞典で馬群を割って伸びて2着に好走。続く天皇賞(春)では、外を早めに踏んでいって5着に食い込んだ。宝塚記念は見せ場があったわけではないが、4コーナー15番手から直線で8着まで押し上げている。このレースのあとに美浦の加藤征弘厩舎に転厩した。この年の秋から脚部不安による長い休養に入り、今年の9月に復帰する。2走目がアルゼンチン共和国杯(ハンデ55キロ)。ゲートでアオッて後方の追走になり、直線は外を攻める形に。上がりが速い中でジリジリと伸びて7着(2着とは0秒3差)で入線した。中間はウッドコースと坂路を併用して入念に乗り込んできた。今週は横山武史が跨ってウッドコースに入れ、2歳馬を追いかける形。直線で内から並び、楽な手応えのまま同入した。時計は67秒8-12秒3。充実した馬体で、動きもしっかりしていて、デキの良さがうかがえた。ゲートでアオるのはもう仕方なく、3600mの競馬ならどこかでポジションを上げることができるかもしれない。横山武史は追いに関しては現役トップレベル。初の中山にも対応できそうだし、上位浮上があっていい。
【バレリオ】評価B 騎手A-
6歳のセン馬、美浦。全姉にオークス3着のアイスフォーリス。4歳時に東京の芝2400mで旧1000万下を勝った時の時計が2分23秒5だった。3勝クラスを勝ってオープン入りしたのが4歳の12月。5歳の2月にダイヤモンドSを使ったが、掛かって2番手に行き、バテてしんがりの16着に敗れた。同年の春に府中の芝2400mでリステッド競走を2着、夏に札幌の芝2600mでオープン特別を2着(勝ったボスジラと2馬身差)に駆けている。5歳の春にリステッド競走を5着したあとで放牧に出され、去勢手術を施された。復帰緒戦は東京芝2000mのオクトーバーS。後方の追走でも気持ちが乗って行きっぷりが良く、直線でジリジリとでも脚を使っていた。1秒差の10着でも次につながる走りだったと言っていい。その後は放牧に出され、美浦に戻ってからはウッドコースでじっくりと乗り込んできた。今週は2歳馬を追走して内に併せ、最後で少し強く追われて同入。時計は67秒4-12秒0だった。3600mの距離で折り合いが課題になるが、スタミナを潜在させていそう。去勢明け2戦目になるし、動いてくる可能性がある。
【ボスジラ】評価A- 騎手A+
5歳、美浦。きょうだいに活躍馬が多く、全兄のポポカテペトルは菊花賞で3着に健闘した。4歳の夏に札幌の芝26000mでリステッド競走を快勝(2馬身差の2着がバレリオ)。同年の12月にステイヤーズSを使い、0秒7差の6着に駆けた。離れた5番手でバラけたところをストレスなく走れたが、2周目の4コーナーでしごいても上がっていけず、直線は弾けるわけでなし、バテるわけでなしという内容。目立ちはせず、ただ、大きく負けているわけではない。今年の夏の丹頂Sは、カウディーリョに競り負けてクビ差の2着だった(ハンデは相手より1キロ重かった)。前走のアルゼンチン共和国杯(ハンデ56キロ)は押してハナに行かせる競馬。道中のリズムは悪くなかったが、直線で交わされると頑張れずに後退し、しんがりの15着に敗れた。前走時は坂路でしか時計を出していなかったが、この中間はウッドコースに入れて長めから乗られている。今週は前の2頭を追いかける稽古。内から並び、楽な手応えのまま同入した。内めを通ったものといえ、時計は65秒-11秒7と速い数字だった。大きな走りで動きが力強く、気合も適度に乗っている。大きな上積みを乗せてきたと考えていい。決め手が欲しいところではあるが、スタミナは十分だし、何よりコースで追ってきた分で怖さがある。
【マンオブスピリット】評価B 騎手A-
4歳のセン馬、栗東。3歳の春に京都新聞杯でディープボンド(のちに天皇賞(春)で2着、フォワ賞(仏GII)を制覇)とクビ差の2着に駆けている。その後は長く結果が出ていないが、気性の悪さがついて回っていた。今年2月の小倉の関門橋Sは、初ブリンカー着、1番人気。大きく出遅れ、道中は行きたがり、3コーナーを過ぎて外をマクッていきと、大変な競馬になった。普通なら大敗しているところで、6着でも力のあることの証明になったと言える。春に府中を使ったあと、放牧に出して去勢手術を施された。秋の復帰緒戦はカシオペアS。ヨレてゲートをうまく出られず、後方の追走で道中は少し力んで走っていた。直線は大外を攻め、ジリジリと脚を使って1秒差の10着で入線している。悪い内容だったわけではなく、落ち着いた走りができるようになっていくといい。中間はCWコースを中心に乗られ、追い日には4週続けて67秒台。今週は併せ馬で終いにしっかりと追われ、ラスト1ハロン11秒7をマークしている。3600mは気性を考えると微妙。ただ、兄のフルーキーは菊花賞で6着しているし、豊富なスタミナを隠し持っている可能性がある。「折り合いに課題のある馬が、緩い流れで逆に落ち着いて走る」というのはあるケースではあり、激走シーンがないとは言えない。
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JRAの平地最長距離となる芝3600mの戦い。昨年の覇者であるオセアグレイトが中心的な存在になるはずだったが、直前で回避することになった。結果、13頭立て、重賞勝ち馬はセダブリランテス1頭のみ。レベルは低めで、一気に混とんとしたレースになった。
伏兵馬狙いのアプローチで、寺島良厩舎(栗東)の5歳馬ディバインフォースに◎を打った。
3歳時には菊花賞で0秒3差の4着、今年の春には阪神の芝2600m(外)で強い競馬を見せてのレコード勝ち。後方からの競馬になるが、スタミナがあって、確実に脚を使ってくる。
中山は(0.2.1.1)と問題とせず、3600mの距離があれば少し違う競馬ができるかもしれない。田辺裕信は勝負を賭けた騎乗をすることがあるジョッキーだ。デキは良さそうだし、一発があって不思議はない。
加藤征弘厩舎(美浦)の5歳馬トーセンカンビーナも穴で気になる存在。
4歳の春には阪神大賞典で2着に食い込み、続く天皇賞(春)で5着に健闘した。転厩してからひと息だが、加藤師は「さらに上向いている。スゴく状態がいい」と。◎と同様にテンに置かれがちだが、デキが良ければ長く脚を使って伸びてくる。初の中山にも対応できそうだし、ガッツリ追ってくる横山武史で怖い。
▲はアイアンバローズ。アルゼンチン共和国杯の6着で重賞にメドを立て、丁寧に折り合いをつけていけば3600mもこなせそう。
△は3歳時に青葉賞でオーソリティとクビ差の2着に駆けているヴァルコス。以下、カウディーリョ、シルヴァーソニック、ボスジラなど警戒が必要な勢力が多くいて、とても印が回り切らない。
徹底先行馬が不在で展開は流動的。悪く言うわけではないのだが、ジョッキーたちが道中で好き勝手に動くような競馬になる可能性がある。レースとしてはおもしろいものになりそうで、ただ、結果を読むのは簡単ではない。
◎11番ディバインフォース
○8番トーセンカンビーナ
▲5番アイアンバローズ
△2番ヴァルコス
※10番カウディーリョ
×13番シルヴァーソニック
×9番ボスジラ
×1番バレリオ
×4番マンオブスピリット
【単勝】11番(10%)
【複勝】11番(50%)・8番(40%)
──────────────
【馬連&ワイド】(ながし)
11→全通り
8→全通り
──────────────
【3連複】(軸2頭ながし)
8.11→全通り(11点)
5.11→全通り(11点)
5.8→全通り(11点)
2.11→全通り(11点)
──────────────
【3連単】(軸2頭マルチ)
11.8→全通り(66点)
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阪神11R
チャレンジカップ(GIII) 12月4日(土) 上昇馬VS実績馬
阪神の芝2000m(内)で争われるGIII競走。
正面直線からのスタート、内回りコースでコーナーは4つ。3コーナーの残り800mから緩めの下り坂が続き、直線に入って残り200m~残り100mが急な上り坂になっている(勾配は1.5%)。直線距離は359.1m(Bコース使用時)。もちろん競馬によるが、残り600mぐらいからペースが上がり、ラスト1ハロンがかかるというラップ構成になりやすい。
芝は連続開催の9週目で、先週までのAコースからBコース使用に替わっている。京都が改装工事に入り、使用頻度が高くなっている阪神。特に内は荒れてボコボコしていて、全体にタフな馬場になってきている。
先週の競馬では、レースが流れて外差しが決まることがもちろんあったが、内を通った勢力が頑張るケースが意外と多かった。もう外も荒れていて、外を通ればスピードに乗りやすいといった単純な馬場にはなっていない。今週から仮柵が設置されてBコースになる。傾向に大きな変化が出るとも思えないが、そこはやってみないとわからない。
阪神の芝のレースはとにかく難しくなっている。ジョッキーたちもつかめないでいろいろなところを通っている感じだ。いずれにせよ、パワーとスタミナが要求される状況であるのは確か。あと、折り合って息を入れられるかが重要なポイントになる。
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以下、全頭診断と騎手評価(50音順)。全頭診断は相対評価、騎手評価は絶対評価で、騎手評価は騎乗馬との相性を考慮する場合がある。
【アルジャンナ】評価B 騎手B
4歳、栗東。全弟にコマンドライン(サウジアラビアロイヤルカップ)。デビュー2戦目の東京スポーツ杯2歳Sでは、5馬身離されたといえコントレイルのレコード走の2着に駆けている。4歳の春にはマイラーズカップで2着。速い流れの中で中団の後ろで脚をタメ、直線は馬群を割って伸びてきた。続くエプソムカップは1番人気に推されてポジションを取りにいき、直線で脚をなくして10着に終わっている。秋緒戦の富士Sは目立つところなしの9着。課題である膝の不安はなくなったとのことだったが、十分には攻められていない感じだった。中間はCWコースと坂路でしっかりと負荷をかけられていて、叩いた上積みを見込んでいい状況。阪神の芝2000m(内)は新馬勝ちを決めた舞台だが、弱いところがあることを考えると、荒れた馬場は歓迎はできない。力はあり、変わり身があっても。武豊はテン乗りになる。
【カツジ】評価B 騎手A+
6歳、栗東。3歳時に大外から鋭く追い込む競馬でニュージーランドトロフィーをV。同年の秋にはマイルチャンピオンシップで0秒2差の4着に駆けている。5歳の秋にはスワンSを逃げ切って久々の勝利。6歳になった今年の夏には、函館スプリントS(札幌)で4コーナーで相当に外を回る形になりながら0秒1差の5着に伸びた(自身の上がりは33秒3)。前走のスワンS(18着)は、テンに押していき、馬群の中で力んで走って直線で脚がなくなったものである。中間は障害練習を取り入れ、1週前にはCWコースで65秒級の好時計。今週も終いにビシッとやられていて、トモが強化れている可能性がある。血統(母は芝1200mの北九州記念勝ち)や馬体からは中距離向きと思えないが、脚はあるので軽視もできない。先行馬が手薄なメンバーで、スワンSの時のように行かせる手に出るかも。
【ジェラルディーナ】評価A+ 騎手A+
3歳の牝馬、栗東。母はジェンティルドンナ(牝馬三冠、ジャパンカップ連覇、ドバイシーマクラシック、有馬記念)。2歳で阪神ジュベナイルFに挑戦した時は、ひ弱い段階で馬体重が428キロ。それで最後方追走から0秒5差の7着まで伸びた。3歳の夏からは条件級を3連勝。トモに力がつき切っていないのでゲートでアオることがあるが、しっかりとタメれば直線で鋭い瞬発力を発揮する。2勝クラス勝ちは、ラスト1ハロンが10秒台(推定)。阪神芝1800m(外)の西宮S(3勝クラス)は勝ち時計が1分46秒1(良)だったが、馬場状態を考えると相当に優秀な数字である。同じ日に秋華賞(勝ち馬アカイトリノムスメ)が組まれていて、時計が2分01秒2。内回りと外回りの差があるので比較するのが適切でないところはあるが、時計的には西宮Sの方が大きく価値が高い。秋華賞は賞金不足で出走できなかったが、出ていたら勝っていた可能性がある。中間は短期放牧に出され、栗東に戻ってからはCWコースで終い重点をじっくりと乗るという調整。まだビシビシとできないし、線の細さが残っているが、陣営は「仕上がりは問題ない」と話している。折り合い面で成長していて、2000mにも対応できていい。軽い馬場で切れ味を活かすのがベストではあり、荒れた馬場はプラスにはならないだろう。この点に関しては、福永祐一がなるべく馬場の良いところを走らせてくるはずである。斤量は53キロ。4連勝で重賞タイトルを獲るシーンあっていい。
【スカーフェイス】評価B 騎手A+
5歳、栗東。母は短距離重賞で活躍したスプリングサンダー、祖母の仔に天皇賞(春)を制したスズカマンボ。3歳の春には、プリンシパルSで最後方追走から33秒6の上がりで7着に伸びるという上々の走りを見せた。トモがしっかりしていなくて、その後の歩みはスロー。5歳になった秋に岸和田S(ハンデ54キロ)で3勝クラスをクリアした。ゲートでめずらしくトモが入って五分に出て、抑えて下げて中位の後ろでじっくりと脚をタメる。直線は大外を攻める形になったが、タフな馬場でレースのラスト1ハロンが12秒6かかり、そこを粘り強く伸びて差し切った。中2週が続くが、今週の坂路では52秒4-12秒1でしっかりと追われていて、デキ落ちはなさそう。重賞挑戦で斤量も増えては楽でないが、終いは脚を使うし、もつれる展開になるとあるいは。団野大成は若手の実力派。
【ソーヴァリアント】評価S 騎手S
3歳、美浦。母は桜花賞3着のソーマジック、姉にマジックキャッスル(秋華賞2着、ヴィクトリアマイル3着)。今年の春の弥生賞では、タイトルホルダー、シュネルマイスター、ダノンザキッドに次ぐ4着。夏に札幌の芝2000mで1勝クラスを勝ったが、好位追走から4コーナーで楽に先頭に立ち、直線で悠々と離して6馬身差で圧勝する強さだった。洋芝の中、ラスト2ハロンを10秒9-10秒9という常識外れをラップで駆けている(自身の上がりは33秒0)。続く札幌の2勝クラスも3馬身半差で難なくクリアした。秋のセントライト記念は好位の後ろ、馬群の中で力みのある走りに。3コーナーを過ぎて外に出してポジションを上げる。直線で楽に先頭に立って抜け出したが、最後はさすがに走りが崩れてアサマノイタズラに差し込まれて2着に終わった。しかし、中身は相当に濃い。疲れが抜け切らなかったので、菊花賞は自重して放牧へ。美浦に戻ってからは意欲的に乗られてきた。1週前にはルメールが跨ってウッドコースで65秒6-11秒5を楽にマークし、今週は4ハロンからやられた。少し余裕がある体に映るが、輸送で絞れてくるだろう。動きの力強さは目立っていた。問題は気性。オルフェーヴル産駒でうるさいところがあり、長距離輸送をクリアできるかと、当日の気配がポイントになる。成長すればGIでもと思えるような素材。荒れた馬場には対応できるし、ルメールとのコンビでどんなパフォーマンスを見せてくるのか注目される。
【ヒートオンビート】評価A+ 騎手S
4歳、栗東。母は桜花賞馬マルセリーナ、兄にラストドラフト(京成杯)。今年の春の大阪-ハンブルクC(阪神芝2600m(外))が初のオープン。転厩緒戦、久々という状況だった。レースは中位の外でスムーズな追走ぶり。直線に向いて追われると、しっかり加速して残り200mの前で早々と抜け出す。残り100mで手前が替わって脚色が鈍り、ミスマンマミーアに差されて2着に終わった。レコード決着の中で強い競馬だった。続く目黒記念はハンデ55キロで2着。ソツなく乗られてきたが、勝った52キロのウインキートスにラスト2ハロンを10秒6-11秒1で走られては、つかまえるのは難しかった。秋緒戦は京都大賞典(阪神)。中位の前の外を進み、少し力んで走っている感じ。4コーナーで上がっていったが、直線は頭が上がって反応せず、弾けずに後退して8着に敗れた。14キロ増で過去最高体重の480キロだったし、中身ができていなかったのかもしれない。中間はハードに乗られていて、1週前には川田将雅が跨ってCWコースで64秒台の好時計をマーク。今週はポリトラックに入れ、気持ち良さそうに推進力ある走りを見せてラスト1ハロンを11秒台の前半で上がってきた。叩いて上向いているのは間違いない。内回りの2000mは問題ないし、荒れた馬場にも対応できるはず。勢いのある3歳馬がいるが、こちらも成長段階にあり、好勝負になっていい。
【ペルシアンナイト】評価A- 騎手A-
7歳、栗東。3歳時に皐月賞でアルアインとクビ差の2着、同年の秋にマイルチャンピオンシップを制覇。4歳時は大阪杯で2着、マイルチャンピオンシップで2着。5歳時はマイルチャンピオンシップで3着。GIでこれだけ馬券に絡んでいる。6歳の暮れには有馬記念に挑戦し、7着と上々の走りを見せた。7歳の今年は、夏に札幌記念でソダシ、ラヴズオンリーユーと差のない3着に駆けている。天皇賞(秋)はゲート内でモタれて出負け。後方を進み、直線は捌けずに外に出すロスがあった。それでもしっかりと脚を使って7着に上がっている。中間はCWコースを中心に乗られ、1週前に64秒台の好時計が出た。今週は終いにビシッと追われて力強い動きを見せていて、変わらずデキは良さそうだ。札幌記念にしてもなだめつつの追走になっていたし、闘争心は健在。力をつけている若い馬を57キロで迎え撃つことになるが、自身が衰えているわけではなく、上位争いも十分に可能だろう。陣営の話からすると、少し早く動くような競馬をしてくるかもしれない。
【マイネルウィルトス】評価A+ 騎手A+
5歳、栗東。岡田一族。今年の春に福島民報杯(新潟芝2000m(外))を不良馬場の中で大差の圧勝。凱旋門賞にも登録した。函館記念は8着でも2着とは0秒1差。札幌記念はなだめるぐらいの行きっぷりで、内を立ち回って4着に健闘している。秋のアルゼンチン共和国杯はハンデが56キロ。ボコッと出て後手に回り、外の追走でやはりなだめつつの手応えだった。直線は外を伸ばしたが、内にモタれて追いづらい。騎乗したミルコ・デムーロによると、「ソラをつかった」とのことである。それでも渋太く脚を使って2着に上がっている。中間は意欲的に乗られ、1週前にはジョッキー騎乗でCWコースに入れ、中ほどを通って楽に63秒台。今週もCWで長めからやられてパワフルな動きを見せていて、叩いた上積みを見込んでいい。折り合い面から2000mはプラスで、福島民報杯の走りから荒れた馬場は望むところ。ミルコも2度目の騎乗になるし、差のない勝負になっていい
【マイネルフラップ】評価C 騎手A+
5歳、栗東。岡田一族。3歳の初めにシンザン記念で大外から追い込んでクビ差の2着に好走している。春のNHKマイルカップ(勝ち馬アドマイヤマーズ)は11着だったが、0秒5差と大きくは負けていない。その次のレースから5歳になった今年の2月まで、11戦して最高が5着と低迷していた。しかし、3月には大阪城S(ハンデ54キロ)で15番人気ながら3着に食い込んでいる。少し出して好位の内めにつけ、直線も内を渋太く伸びて1馬身+クビ差に頑張った。出走取消明けで4ヵ月半ぶりの実戦だったアンドロメダSは14着。道中は気持ちが乗って抑えるぐらいの行きっぷりだったが、直線に向いて追われると今度は気を抜く感じで伸びはなかった。中1週になり、最終追いは坂路で54秒9-12秒7と大きめだった。力は持っているのだが、気性面の問題が大きくて…。中1週で結果を出していて、集中力の面で変わってくるようなら。
【メイショウオーパス】評価C 騎手A-
6歳、栗東。デビュー時に中京のダ1400mで2歳レコードを更新。4歳時はすべて芝で、サウンドキアラ(のちに重賞を3勝、ヴィクトリアマイル2着)を負かしたことがあれば、テリートリアル(のちに小倉大賞典をV)とハナ差の2着に駆けたこともある。芝1600mの持ち時計は1分31秒6と速い。6歳になって、今年の春に中京ダ1400mでリステッド競走の栗東SをV。出脚は平凡だったが、行かせてコーナーでインに入る。直線は内めの馬群を割ってしっかりと抜け出した。秋にアンドロメダSで久々の芝参戦。ゲート内でゴソゴソして出負けし、後方で脚をタメる競馬に。4コーナーはかなり外で、直線はしっかりと伸びて7着に上がった。中1週になり、攻めは坂路で56秒2-12秒5と大きめ。上積みがあるか微妙だし、相手も強くなって、前走以上となると難しいだろう。
【モズナガレボシ】評価B 騎手S
4歳、栗東。3歳だった昨年の秋から3連勝。3勝クラスでは3着、2着、5着、3着という戦績だった。夏に中1週で小倉記念に挑戦、ハンデは53キロ。無理せず脚をタメ、直線入り口で大きく外に動かしていく。外差しが利く馬場の中でグイグイと伸び、ヒュミドールを交わして重賞制覇を決めた。その後は放牧に出され、福島記念は3ヵ月ぶりの実戦、ハンデは2キロ増えて55キロ。ゲートの出は悪くなかったが、レースが流れてタテに長い展開になり、徐々にポジションが下がってしまう。直線は外に出して伸びていないわけでもないが、目立たずに11着に終わった。中2週になり、日曜にポリトラックで大きめを乗って、水曜は坂路で55秒2-12秒6。迫力はひと息だったが、ブレずにしっかりと伸びてはいた。叩いた分の上積みはあるだろう。荒れた馬場で時計がかかるのは歓迎要素。阪神にも実績がある。ただ、別定の56キロで斤量の恩恵はない。他が馬場に苦しんで伸びあぐねるようだと、浮上する目が出てくる。
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昨年は3歳だったレイパパレ(牝馬)がこのレースを勝ち、翌年の春に大阪杯を制覇した。今年はソーヴァリアント、ジェラルディーナ(牝馬)と、順調ならクラシックをにぎわしていたであろう3歳馬が参戦する。迎え撃つ古馬も布陣は強力。非常に注目度の高いレースで、ただ、阪神の芝が悪くなっているのが残念である。
大竹正博厩舎(美浦)の3歳馬ソーヴァリアントに◎を打った。
夏の札幌での連勝が規格外の内容。セントライト記念は2着だったが、道中でゴチャつくシーンがあって力み、直線で早めに抜け出すという厳しい競馬になっての結果だった。
完成前の段階なので菊花賞を使うことはできず、放牧に出して疲れを取った。美浦での調整は意欲的。特にルメールが跨った1週前追い切りで見せた迫力は凄まじかった。
関西圏での競馬が初めてになるので、輸送で消耗しないかと、当日にイレ込んでいないかがポイントになる。器はGI級。それらを克服し、先への期待を大きくさせるような走りを見せてもらいたいところだ。荒れた馬場は問題ないはず。
相手の筆頭は5歳のマイネルウィルトス。春の新潟での不良馬場の中での大差圧勝が衝撃的で、マイネル軍団らしく力の要る馬場を得意にしている。攻めでハードに乗られていて、叩いた上積みは少なくない。完成期に入った印象があって。
▲は4歳のヒートオンビート。久々だった京都大賞典は動けなったが、0秒6差の8着で大きく負けているわけでもない。攻めで速い時計でやられていて、上向いているのは明らか。(2.2.1.0)の川田将雅で怖い。
△は3歳の牝馬ジェラルディーナ。名牝ジェンティルドンナの仔で、3連勝の勝ちっぷりは圧巻だった。秋華賞に出走できていたら、勝っていた可能性がある。まだ体がしっかりしておらず、荒れた馬場で走り切れるかが課題に。△にしたが、素質的に頭があっていい。
ソーヴァリアントとジェラルディーナに人気が集中することになる。連勝式の買い方は難しいが、ソーヴァリアントが勝ち切ることを期待した馬券をメインに、ジェラルディーナが頭で来た場合の押さえを買っておきたい。配当は合わないところがあり、うまく崩れてくれると理想的。
◎11番ソーヴァリアント
○4番マイネルウィルトス
▲6番ヒートオンビート
△1番ジェラルディーナ
※7番ペルシアンナイト
×2番カツジ
×5番スカーフェイス
×9番アルジャンナ
×10番モズナガレボシ
【単勝】11番(60%)
【複勝】4番(40%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
11→1.2.4.5.6.7
【馬連&ワイド】
4-11・1-11・1-11・1-11
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【3連複】(軸1頭ながし)
11→1.2.4.5.6.7(15点)
【3連複】(軸1頭ながし)
11→1.4.6.7(6点)
【3連複】(軸2頭ながし)
1.11→4.6.7(3点)
【3連複】(軸2頭ながし)
1.11→4.6.7(3点)
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【3連単】(軸1頭・1着固定)
1着:11
相手:1.2.4.5.6.7(30点)
【3連単】(軸1頭・1着固定)
1着:11
相手:1.4.6.7(12点)
【3連単】(軸2頭)
1着:1
2着:11
相手:2.4.5.6.7(5点)
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【土曜後半レース】
阪神12R
馬 連 1,240円
単 勝 740円(10%)
複 勝 230円(90%)
◎ヴァーチャリティ1着(4人気)
中山12R
馬 連 1,510円
ワイド 550円
ワイド 3,700円
単 勝 170円(20%)
複 勝 120円(80%)
◎ゼログラヴィティ1着(1人気)
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東京12R
3歳以上2勝クラス 12月4日(土) Hペースの激戦に
中山の芝スプリントで激戦の様相。ハナが理想のラングロワとコスモアンジュが共に3キロ減騎手を起用していて、テンから速いラップが刻まれることになりそうだ。
◎ゼログラヴィティは素質ある3歳の牝馬。1勝クラス勝ちの前走が、あり余るスピードをなだめ、直線でしっかりと伸びて抜け出す強さだった。1分08秒0(良)の勝ち時計は優秀で、ラスト1ハロンを11秒5で駆けている。
今回は放牧明け。少し余裕を持たせた仕上げに映る点がどうかだが、攻めは動いている。ヤネは引き続き戸崎圭太で、前走のような乗り方をしてくるだろう。2勝クラスでうまくいくかだが、一発で突破できるだけの能力を持っているので。
○カバーガールも3歳の牝馬。ゲートが悪いし、気性面で課題を残すが、脚力のレベルは高い。久々だった福島の前走(11着)は、直線でまともに詰まって競馬にならなかった。
中山の開幕週なので時計面では厳しい感じはあるが、どこかで穴を開けるはずで、走られる可能性があるので狙うことにした。
▲ニルカンタテソーロと△ショウナンバービーは、共に新潟の直線競馬での1勝クラス勝ちが内容ある走りだった。1200mは問題なく、この2騎もカバーガールと同様にどこかで穴を開けそうである。
◎は人気になっていて、○▲△はそろって人気薄。高配当期待で、連勝式は手広く買っていきたい。
◎11番ゼログラヴィティ
○15番カバーガール
▲6番ニルカンタテソーロ
△12番ショウナンバービー
※5番ヴォイスオブジョイ
×16番コスモアンジュ
×2番メインターゲット
×13番ホーリーライン
×4番エレガンテレイナ
【単勝】11番(20%)
【複勝】11番(80%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
11→全通り
15→全通り
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【3連複】(軸2頭ながし)
11.15→全通り(14点)
6.11→全通り(14点)
6.15→全通り(14点)
11.12→全通り(14点)
12.15→全通り(14点)
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【3連単】(軸2頭マルチ)
11.15→全通り(84点)
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阪神12R
3歳以上2勝クラス 12月4日(土) 実力牝馬がそろって
2勝クラスの牝馬限定戦。力のある牝馬がそろっていて、楽しみな一戦である。ただ、軽い馬場を好む馬が多く、その点でどうなるかだ。
◎ヴァーチャリティは9月に中京ダ1400mで1勝クラスを逃げ切り勝ち。当日は良発表でも時計が出やすい馬場だっただけに1分23秒7は強調はできないが、速めのラップを刻み、苦しくなりながらも押し切ってみせた。
この時は攻めが大きめのみだったが、今回は栗東のCWコースでハードに追われ、1週前に64秒級の速い時計が出ている。いい仕上がりにあるのは間違いなく、スムーズに先行して息が入れば粘りを発揮しそうだ。
○ラフリッグフェルは阪神ダ1800mで1勝クラスを勝った時の上がりが速く、ダ1400mでも結果を出している。間隔を開けても力を出せるタイプだし、藤岡佑介が前走(3着)のように外枠からのスタートをうまく対処できれば。
▲ディアノイア、△フェアレストアイルは、ダートで底が割れていないところがある。末脚堅実な※ジョウショーリードにも注意を払いたい。
◎9番ヴァーチャリティ
○13番ラフリッグフェル
▲11番ディアノイア
△7番フェアレストアイル
※12番ジョウショーリード
×8番スズカクローカス
×4番アラゴネーゼ
×14番ハニエル
×2番トリッチトラッチ
【単勝】9番(10%)
【複勝】9番(90%)
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【馬連&ワイド】(ボックス)
7.9.11.13
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【3連複】(ボックス)
7.9.11.12.13(10点)
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【3連単】(ボックス)
7.9.11.13(24点)
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中京11R
飛騨ステークス 12月4日(土) 軽量の伏兵馬狙い
フルゲートの18頭立て、ハンデ戦で上下差は6キロ。激戦必至で勝負できるレースではなく、軽量の伏兵馬を狙うことにした。
◎ゴールドチャリスは2歳時に中京の芝1200mでオープン特別を勝っている。今年の夏の函館での2勝クラス勝ちなど、外からあっさり抜け出して強い競馬だった。復帰戦の前走は10着に終わったが、スタートでアオッて大きく出遅れたもので、33秒0の上がりで伸びてはきていた。
その前走は12キロ増の428キロ。馬体を大きくしていたことは強調できる。中京の芝1400mは少し長いのだが、ハンデは52キロと軽いし、抑えて息が入り、直線でうまく捌くことができれば浮上するシーンがあっていい。
ヤネはテン乗りで秋山真一郎。追いの弱さが目立つジョッキーだが、それは自分でもわかっていて当然で、その分で丁寧には乗ってくる。
◎12番ゴールドチャリス
【単勝】12番(10%)
【複勝】12番(90%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
12→全通り
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中京12R
栄特別 12月4日(土) フルゲートの混戦
フルゲートの18頭立てで混とんとしたムード。安心して馬券を任せられる存在はいない。
◎ヤマニンサンパは素質ある3歳馬。久々で昇級だった阪神戦では、直線で外に出すときに内がゴチャつき、弾かれる形で大きく外に行ってしまった。それで0秒2差の5着まで伸びている。
中間は栗東の坂路でしっかりと負荷をかけていて、叩いた上積みは少なくないだろう。中京の芝2000mとなると少し長い感じだが、慎重に折り合いをつけていけばこなせないことはないはず。ヤネの藤懸貴志は甘さのあるジョッキーだが、同馬に乗るのも4戦連続になり、うまく力を引き出してもらいたいところだ。
○ケンハービンジャーは伏兵馬として気になる存在。2走前に新潟で昇級戦を3着し、福島の前走は力むところがあったりして、チグハグな競馬になっての8着だった。
使い込んでいて上積みがあるかは微妙だが、しっかりとした腕を持っている浜中俊がうまく誘導すると穴を開けるシーンがある。
◎15番ヤマニンサンパ
○5番ケンハービンジャー
【単勝】15番(10%)
【複勝】15番(90%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
15→全通り
5→全通り
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【3連複】(軸2頭ながし)
5.15→全通り(16点)
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5歳の牝馬、美浦。今年の春に府中の芝1400mで2勝クラスをクリア。2番手追走から直線ですぐに先頭に立ち、長くしっかりと脚を使って1馬身3/4差で押し切るという内容だった。3勝クラスを勝ったのは、秋の中京の芝1200m戦。押してハナは譲らない構えで、テンの3ハロンを33秒4で通過する。ラスト2ハロンを11秒4-11秒9でまとめ、渋太く勝ち切った。初めてオープンを走った新潟の信越Sは、しんがりの18着。16番枠からのスタートで内に寄せられず、好位の外を走って4コーナーですでに手応えがなくなっていた。陣営は「道中で後ろから引っ掛けられた」と話している。その後は放牧へ出され、美浦に戻ってからはウッドコースで熱心に乗り込んできた。今週は併せ馬で先着し、時計は66秒2-12秒2だった。仕上がりは上々といったところか。走りが大きく、自分のリズムを守れると粘り強く脚を使う。中山の坂は歓迎できないが、スムーズなら抵抗を見せてきそうだ。押しが利くかは微妙である。
【コロラトゥーレ】評価B 騎手B
7歳の牝馬、栗東。当レースに出走するボンボヤージの姉。2勝クラスを勝ったのが4歳の夏で、9番人気の単勝2,210円。そこから2年近くが経ち、19戦目で3勝クラスをクリアした。舞台は中京の芝1200m、馬場は稍重、シャドーロール着用2戦目。好スタートを切ったが、行き脚は平凡で下がっていく。脚は溜まっていて、直線は内ラチ沿いをグイグイ伸びて抜け出した。自身の上がりは33秒4で、最後はソラをつかう余裕があった。ちなみに、16番人気で単勝配当が1万1,350円だった。オープン緒戦は4コーナーでかなり外を回って0秒8差の11着。2戦目は前進気勢を欠く走りで、後方ままの15着だった。その後は放牧に出され、栗東に戻ってから坂路でしっかりと乗られてきた。2週前の段階で52秒7が出ている。仕上がりは良さそうだ。気性面の課題が抜けないが、3勝クラスの勝ちっぷりからはオープンで通用していい。2勝クラス勝ちもラチ沿いを抜けてきたし、ロスなく運んで紛れがあるとあるいは。
【シーズンズギフト】評価A- 騎手A-
4歳の牝馬、美浦。3歳の春にフラワーカップで3着、ニュージーランドトロフィーで2着、秋には骨折明けで紫苑Sを3着、暮れにターコイズSで4着。実績を残してはきたが、ゲートをきちんと出られないことが多いし、実戦でガッとハミを噛んで行きたがってしまうし、直線は内にモタれるしと、大変な気性である。4歳の6月に策がない感じで1200mを使う。やはり道中は力んだ走りになってしまい、それでも直線で脚を見せて4着で入線した。秋のオパールSは13着。これも行きたがって制御できず、流れに乗れずに13着に終わっている。その後は短期放牧に出され、美浦に戻ってからはウッドコースを中心に意欲的に乗られてきた。今週は中ほどを通って64秒7-12秒0の好時計をマークしている。能力は高く、とにかく気性。丸山元気は新馬で勝たせ、2走前の1200m戦で4着に持ってきた。リズム良く走れれば勝ち負けまである。
【タイセイアベニール】評価B 騎手B
6歳、栗東。5歳の春に京都の芝1200m(内)でオープンの鞍馬Sを勝っている。中位の外の追走から直線で鋭く伸びて差し切る内容で、勝ち時計は1分07秒7(良)。自身の上がりは32秒6で、ラスト1ハロンを11秒0前後で駆けている。この時の秋には、GIIのCBC賞(中京)で0秒3差の4着に食い込む健闘を見せた。今年の夏には札幌でオープンのUHB賞(ハンデ56キロ)でハナ差の2着。その後の3走は9着、8着、13着だが、外を回ったり、掛かったり、不利があったりで、力を出せていない。中2週での再遠征になり、攻めは今週の坂路の1本。使い込んでいて上積みは微妙だが、しっかりやれているあたり疲れはないか。行きたがってみたり、反応が鈍くなったりと、走りが不安定なブリンカー着用馬。しかし、切れ味は相当で、中山は2勝していて、リステッド競走で0秒1差の3着に駆けたこともある。スムーズな走りができると浮上するシーンも。
【ダイメイフジ】評価A- 騎手B
7歳、栗東。姉にダイメイプリンセス(アイビスサマーダッシュ、北九州記念)。4歳だった18年に当レースをV、クビ差の2着がモズスーパーフレア(のちに高松宮記念を制覇)だった。ほか、当舞台ではオーシャンSで2度の3着がある。4歳の春には京都でオープンの安土城Sを勝っていて、この時にモズアスコット(のちに安田記念、フェブラリーSを制覇)を負かした。6歳時にはダートでオープン勝ち。7歳の秋になって初めて新潟の直線競馬を使ったが、ハンデ57キロで5着に食い込んでいる。自身の上がりは32秒7だった。中間はいつも通り坂路で熱心に調整。今週はダイメイコリーダ(オープン)に先着していて、デキは良さそうだ。淡白にやめることがあって安定しないが、キャリアと実績は上位で、前走を見ると衰えもない。58キロは克服済みだし、スムーズなら好勝負になる。ただ、テン乗りになる秋山稔樹は甘さがあるジョッキー。
【ダノンチェイサー】評価A- 騎手A+
5歳、栗東。3歳時には、きさらぎ賞を2馬身差で快勝。続くNHKマイルカップは3番人気という評価で、レースに行って強くハミを噛み、直線で伸びかけたところで内からグランアレグリアにぶつけられる。それでも気持ちを切らさずに脚を使い、グランアレグリアとクビ差の5位で入線した。グランアレグリアが降着になり、繰り上がって4着になった。その後は骨折による1年2ヵ月の長いブランクがあり、課題である気性の成長がなくて軌道に乗れない。5歳の今年は最高が9着で、前走のポートアイランドSは好位につけてやはり行きたがり、淡白に止まって15着に敗れている。中間の稽古は意欲十分。1週前にCWコースで66秒台-11秒台の中ほどをマークし、今週は坂路で52秒5-12秒0で追われている。デキ自体は、かなり良さそうだ。今回は初の1200m。だからといって折り合ってスムーズな競馬ができるかはわからないが、ピタリとハマる可能性もある。初めて着けるブリンカーに関しては、どちらに出るか微妙なところだ。能力的にはまったくヒケを取らず、警戒が必要になる。
【タマモメイトウ】評価B 騎手A-
5歳、栗東。3勝クラスを勝ってオープン入りしたのが4歳の9月。オープンではしばらく上位に踏み込めなかったが、終いに脚は見せていた。昨年の当レースは捌きがスムーズでなく、それで0秒3差の8着まで伸びた。5歳になった春に新潟の直線競馬を53キロのハンデV。6番枠から出てすぐに外に動かし、馬群を縫いつつ伸びて逃げ込もうとしていたケイアイサクソニーを内から差した。秋緒戦のオパールSはラチ沿いを伸ばし、ひと息の伸びで6着。見た目以上に内にモタれていたのかもしれない。続く直線競馬のルミエールオータムダッシュは、ハンデが春から2キロ増えて55キロ。有利な外の18番枠からロスなく伸ばし、2着に食い込んだ。自身の上がりは32秒3だった。その後は短期放牧を挟み、坂路で熱心な調整ぶり。攻めはそう動く方ではない。モタれる右回り、斤量が57キロで楽ではないが、力をつけているのは確かだし、うまく捌いてくれば。
【トウショウピスト】評価B 騎手B
9歳、美浦。61戦のキャリア。重賞で掲示板に載ったのは2回で、函館2歳Sの3着と、7歳時のアイビスサマーダッシュの4着。オープンは1勝で、5歳時のオーロカップ(東京芝1400m)になる。かつては先行して結果を出していたが、年齢を経て差す形で脚を使うようになった。ただ、行きっぷりが悪くなったということではない。8歳だった昨年の当レースは5着。直線で馬群を割って伸び、着差は0秒2だった。今回は春以来で7ヵ月ぶりの実戦。ポリトラックで速い時計が出るタイプだが、4ハロン48秒級などあって、仕上がりは良さそうだ。強調はしづらいが、時計と上がりがかかる競馬になればソコソコのところには来る。
【ノーワン】評価B 騎手B
5歳の牝馬、栗東。3歳の春にフィリーズレビューを内めの狭いところを割って伸びる競馬で同着でV。同年の秋にスプリンターズSで0秒7差の8着と上々の走りを見せている。フィリーズレビュー以降は、19戦して最高が5着。ただ、前半で脚を使わない競馬をしているといえ、直線で伸びは見せてくる。中山の芝1200mでは、今年の1月にカーバンクルS(ハンデ53キロ)で0秒3差の5着。夏のCBC賞(ハンデ53キロ)は超高速馬場の中で日本レコードでの決着になったが、直線で外にヨレるロスがありながら0秒5差の6着まで伸びてきた。中間は短期放牧を挟み、坂路とCWコースを併用して熱心な調整ぶり。55キロで走るのは久しぶりで、そこは減点になる。直線で脚は使うので、もつれる展開になるのを待つのみ。
【ボンボヤージ】評価B 騎手B
4歳の牝馬、栗東。当レースに出走するコロラトゥーレの妹。今年の夏に小倉の芝1200mで3勝クラスをクリアした。良発表でも少し水を含んだ芝で、2番手につけて抑えつつの手応え。直線入り口で並び、直線でしっかりと伸びて勝ち切った。ラスト1ハロンは11秒5だった。続く北九州記念はハンデが52キロ、大外18番枠。道中は外々の追走でまともに掛かってしまう。普通なら末をなくしているところ、直線は弾けもせずバテもせずで0秒5差の10着で入線した。なお、鞍がズレていたようだ。中京のセントウルSはボコッと後手。持っていかれそうな気合で、ヤネが抑えながら前と離れていってしまう。4コーナーでは最後方で、直線で伸びを見せて12着(0秒9差)だった。自身の上がりは33秒1である。その後は放牧に出され、栗東に戻ってから順調に乗り込んできた。CWコースで4ハロン51秒前後の時計が4本出ていて、仕上がりは良さそうだ。掛かりそうな危うさがあっても、我慢が利く範囲内ではある。平坦向きのイメージがあるが、セントウルSの走りを見ると中山の坂でも脚は使えそうだ。相手は強力だが、噛み合うと一発も。
【マリアズハート】評価A- 騎手B
5歳の牝馬、アメリカ産馬、美浦。岡田一族。2勝目、3勝目、4勝目と中山の芝1200mで挙げた。4歳の春のオープン緒戦(春雷S)もこの舞台で、ハンデが53キロ。出遅れて最後方を進み、直線で大外を攻める形になりながら33秒1の上がりで猛然と追い込んでハナ差の2着に駆けた。5歳の春雷Sもハンデ53キロで2着。中位の内めで脚をタメ、直線で馬場が荒れ気味の内を伸びて連対を果たした。外から抜けたジャンダルム(57キロ)は強すぎた。秋緒戦のルミエールオータムダッシュは初の直線競馬、ハンデが53キロ、外の16番枠。攻め量は少なめで、16キロ増の514キロで少し余裕のある体つきだった。スタートでヨレたが、行き脚は上々で流れに乗る。逃げていた17号馬が少し内に動き、そこで外ラチ沿いに入った。しっかりと脚を使って抜き去り、タマモメイトウの追撃を押さえて勝ち切った。秋の開催で55秒1(良)なら時計は上々。ラスト1ハロンは11秒4で、自身の上がりは32秒5だった。その後は放牧に出され、美浦に戻ってからコースと坂路で乗られてきた。日曜にウッドコースで66秒6-11秒7で追われている。量的には多くないが、前走もそんな感じで結果を出した。当コースは(3.2.0.0)のパーフェクト連対。別定の55キロ、うるさくなってゲートが怪しく、捌きも問題になってくる。ただ、ハマッた時の脚は強烈で、やはり怖い存在だ。
【ルッジェーロ】評価A+ 騎手B
6歳のセン馬、美浦。新馬勝ちが芝で、2勝目~4勝目はダート。5歳の12月からは芝を使われることが多くなっている。今年の6月には札幌の芝1200mで2着。ゲートダッシュがひと息だったが、押して流れに乗せ、内を捌いて伸ばす形に。抜けていたロードアクアに内から迫ったが、ハナだけ届かなかった。続いて新潟芝1400m(内)の朱鷺S。楽でない大外18番枠だったが、3コーナーでうまく少し内に寄せることができた。手応えは抑えつつといった感じだった。直線は勝ったカイザーミノルを追う形でグイグイ伸びて2着に入った。秋の信越Sは重馬場の中で厳しい内の2番枠。道中はインを走り、直線は少し外に動かして自身なりに伸びている。外差しが決まる競馬の中、0秒4差の8着なら十分すぎるぐらいの走りだ。中間は放牧に出され、美浦に戻ってからはウッドコースと坂路を併用して熱心に乗り込んできた。変わらずデキは良さそうだ。中山で芝1200mを走るの初めて。少し忙しいかもしれないが、無理についていこうとしなければ終いに脚を使ってくるだろう。スムーズに伸ばせれば上位浮上が可能になる。
【ロードアクア】評価B 騎手A-
5歳、栗東。4歳の秋に新潟の芝1200m(内)で3勝クラスをクリア。5歳になった今年の夏に、札幌の芝1200mでオープンのTVh賞を勝った。好スタートから2番手につけ、道中は持っていかれそうになるぐらいの闘争心を見せる。直線入り口で早くも先頭に。抜け出して最後はさすがに脚色が鈍ったが、内から来たルッジェーロをハナだけ押さえて1着でゴールした。続くUHB賞は外を回る競馬で伸び切れず11着。キーンランドカップはインの追走で4コーナーで反応が悪くなって13着。スプリンターズSはアオッて出て後方を進み、脚を使えずにしんがりの16着に敗れた。中間は短期放牧を挟んでの調整。浅見秀一流で日曜に坂路で強めに追われ、50秒6-36秒4-12秒3の好時計をマークしている。仕上がりは良さそうだ。最近は平坦コースで走ることが多いが、新馬勝ちが府中で、2勝目が阪神(稍重)だから坂を苦にするわけではない。スッと好位につけ、うまく息が入ると抵抗するシーンも。
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芝スプリントのリステッド競走、フルゲートの16頭立て。「自分の形で走れると強いが、それが崩れると脆い」、「能力は高いが、気性が悪くて安定して走れない」…。そんなタイプが多くいて、やってみないとわからない部分が多い。なかなかやっかいなレースだ。
北出成人厩舎(栗東)の4歳牝馬エーポスに◎を打った。
3歳の春のフィリーズレビュー(GII)勝ちが強い競馬で、長欠明け後の2走もGIIでの戦いで力んだ走りになりながら大きくは負けなかった。
今回は初の1200m参戦。折り合い面からはプラスのはずで、スムーズに走れると直線でグッと伸びて相当に高いパフォーマンスを見せるはずである。攻めで動いて、デキも良さそうだ。
問題がヤネが甘さのある亀田温心で、しかも、内の2番枠を引いたこと。ゴチャついた競馬になってリズムを取れず、力を引き出せない結果になる可能性は低くないぐらいだろう。亀田はじっくりと稽古つけてきたし、馬を信じて落ち着いて立ち回ってきてもらいたいところ。うまくハマれば抜け出してくるシーンがある。
南井克巳厩舎(栗東)の5歳牝馬アスタールビーも注目される存在。スピード能力は高く、前2走では逃げて0秒1差に踏ん張っている。
今回は関東遠征になり、直線に急坂のある中山は初めて。楽な状況ではないが、馬自身は力をつけているし、ヤネが騎乗技術の高い石川裕紀人である点は見逃せない。11番枠で外は差し馬ばかりで、内の出方をうかがいつつレースを組み立てられそうだ。
▲はルッジェーロ。前走の8着は道悪で内を走らされたことが応えたもので、3走前と2走前の連続2着を見直したい。
△はマリアズハート。鋭い切れ味が武器で、中山は(3.2.0.0)とパーフェクト連対である。55キロを初めて背負う点が鍵に。
※シーズンズギフトと×ダノンチェイサー(初ブリンカー着)は、能力は高いものの、実戦でそれを出し切れない。噛み合うと上位浮上がある。
以下、警戒が必要な勢力が多くいて、とても印が回り切らない。人気は派手に割れているし、高配当期待で連勝式は手広く買っていくことにした。
◎2番エーポス
○11番アスタールビー
▲13番ルッジェーロ
△16番マリアズハート
※6番シーズンズギフト
×1番ダノンチェイサー
×8番ダイメイフジ
×3番タイセイアベニール
×14番ボンボヤージ
【単勝】2番(10%)
【複勝】2番(50%)・11番(40%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
2→全通り
11→全通り
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【3連複】(軸2頭ながし)
2.11→全通り(14点)
2.13→全通り(14点)
2.16→全通り(14点)
2.6→全通り(14点)
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【3連単】(軸2頭マルチ)
2.11→全通り(84点)
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中京11R
チャンピオンズカップ(GI) 12月5日(日) 脆いタイプ多く
中京のダ1800mで争われるGI競走。
正面直線からの発走、コーナーは4つ。スタートして100mほどは急な上り坂になっている。2コーナー部分からは緩めの上り勾配になり、向正面の残り980mから直線入り口まで600mの距離の下り坂が続く。直線に入って残り380m~残り220mまでは勾配1.14%(高低差は1.8m)の急な上り坂になっている。直線距離は410.7m。コース全体の高低差は3.4mとなっている。
土曜のダ1800mの競馬を見ると、まず1勝クラスが1分53秒7(良)で決着。好位を進んでいたテイエムマグマが力強く抜け出して勝利し、4馬身差の2着が馬群を割って伸びたハイラブハンター、3着が外から差したエルモドーロだった。1000m通過は62秒7で、レースの上がりは12秒7-12秒6-13秒0の38秒3だった。
2勝クラスの牝馬限定戦は、勝ち時計が1分54秒3(良)。2番手にいたアリエノールが渋太く抜けて押し切り、2着が勝ち馬を追ってワンテンポ遅れて伸びてきたフラーレン、3着が内で頑張っていたピクシーメイデンだった。1000m通過が65秒1という異常なスローで、レースの上がりは12秒3-11秒9-12秒5の36秒7だった。
少しタフなダートになっているという印象。チャンピオンズカップは一昨年が少し走りやすい馬場、昨年が少しタフな馬場だったが、今年は後者になりそうな感じである。
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以下、全頭診断と騎手評価(50音順)。全頭診断は相対評価、騎手評価は絶対評価で、騎手評価は騎乗馬との相性を考慮する場合がある。
【アナザートゥルース】評価B 騎手A+
7歳のセン馬、美浦。岡田一族。兄にサウンドトゥルー(東京大賞典、チャンピオンズカップ、JBCクラシック)。5歳時にアンタレスSで重賞初制覇を決めた。6歳時にチャンピオンズカップに挑戦したが、出していって3番手につけ、楽でない流れになる。4コーナーはインにいてモタついて離され、失速して13着に終わった。7歳になった今年の1月に東海Sで2着に好走。不良で少し走りやすい馬場の中、タテ長の展開の6番手で揉まれない形になり、直線で渋太く伸びて連対を果たした。勝ったオーヴェルニュとは1馬身3/4の差があった。前走のみやこSは3着。逃げてマイペースに持ち込み、残り150mでも押し切りがあるかという態勢だったが、最後は苦しくなった。中間はいつも通りウッドコースと坂路でしっかりと乗られている。1週前にはウッドで併せ馬を行い、終いにしっかりと追われて大きな走りで先着。5ハロンは67秒7で、ラスト1ハロンは11秒5だった。今週もウッドの併せ馬で、楽な感じ同入。引き続きデキは良さそうだ。ポジションにかかわらず、揉まれずに運ぶと渋太く脚を使ってくる。問題はGIの舞台でそれが叶うかだ。坂井瑠星はテン乗りになるが、腕っぷしが強いので同馬には合うだろう。左回りはスムーズで、今回はブリンカーは着けない。
【インティ】評価A- 騎手B
7歳、栗東。5歳の1月に今回と同じ舞台で東海SをV。気持ちが入りすぎた逃げだったが、ラスト2ハロンを11秒6-11秒9と強烈なラップで上がって押し切ってみせた。2馬身差の2着がチュウワウィザードだった。次走でフェブラリーSを逃げ切ってGI制覇を決めている。同年のチャンピオンズカップは逃げて3着。最後で苦しくなってクリソベリルとゴールドドリームに交わされたが、良で1分48秒7と走破時計は速かった。6歳のチャンピオンズカップは、力んで並走の逃げに近い形に。それでも2着とクビ差の3着に踏ん張っている。7歳になってフェブラリーSは待機策。それでもハミを噛んでいて、直線で外に出して6着に伸びた。地方の交流GIの前2走も控える競馬。折り合いはついた方だが、直線で押しが利かなかった。中間は放牧に出され、栗東に戻ってからはCWコースと坂路で入念に乗られてきた。今週は坂路で終いにしっかりと追われて52秒6-12秒4。攻めはそう動く方ではなく、馬場が悪かったことを考えれば合格点をあげられる内容だった。馬体は少し立派に映るが、体型的なものがある。今回も控える形を取りそうで、ただ、無理に引っ張ることはしないだろう。ポジションはともかく、力を抜いて走れるかがポイントになる。中京のダ1800mは(2.0.2.1)と相性の良い舞台。武豊は乗り慣れているし、噛み合えば上位浮上が可能に。
【エアスピネル】評価A- 騎手A-
8歳、栗東。3歳時に三冠で4着、4着、3着。4歳時にマイルチャンピオンシップでハナ差の2着。7歳の7月からダートを使い、同年の秋に武蔵野Sを3着している。続くチャンピオンズカップは後方に下げて脚をタメ、直線は内めを伸びて7着だった。8歳になった今年2月のフェブラリーSでは、中位のインを追走し、直線で捌いて伸びて3/4馬身差の2着に駆けている。1分34秒5(良)の走破時計は非常に優秀な数字だ。前走の武蔵野Sは流れに乗っていたが、直線で馬群の凝縮したところに入って動けなくなる。抑えながら外に出し、脚を使って2着に上がった。今回、中2週とレース間隔は詰まっているが、1週前に坂路で乗り、日曜にもCWコースで大きめを乗られている。今週は藤岡康太が跨って坂路で併せ馬。馬場が悪い中でほぼ馬なりのまま先着し、51秒0-12秒4と見た目以上に時計が速かった。いいデキにあるのは間違いない。マイルの方が脚を使える印象があるが、1800mもこなせる範囲内。実際にGIで何度も好走しているわけで、スムーズに運べば食い込むシーンがある。藤岡康太はテン乗りになるが、攻めで乗って感触はつかんでいるだろう。
【オーヴェルニュ】評価B 騎手A-
5歳、栗東。昨年の後半にリステッド競走を連勝。明けて5歳の1月に、不良馬場だった東海Sを3番手追走から強気に動く競馬で快勝している(1馬身3/4差)。春の平安Sは舞台が中京のダ1900m、重で走りやすい馬場。58キロを背負っていたが、好位につけて追走ぶりが良く、直線で抜け出して6馬身差で圧勝した。1分54秒7のレコード走破で、1800mの通過は1分48秒5だった。ゴールする時に手綱を少し緩めるぐらいの余力があった。秋緒戦のみやこSは凡退。好位のインにつけて道中はスムーズだったが、3コーナーを過ぎて鞍上の手が動いて反応がなくなり、後退して12着に終わった。走るのをやめた感じだった。中3週の競馬になり、CWコースで福永祐一が跨って終い重点を2本。1週前は強めに追われ、今週はほぼ馬なりだった(今週の時計は68秒級-12秒級)。2週ともに気合の乗りが良く、体を大きく使って推進力ある伸びを見せていた。久々を叩いて、しっかりと上積みを乗せてきている。理想である脚抜きの良い馬場にはならなそうだが、乾いた馬場でも結果は出ている。中京は3戦3勝。自分のリズムで走って気持ちが乗ると強く、力を出し切ればGIでも互角にやれていい。
【カジノフォンテン】評価B 騎手A+
5歳、船橋からの挑戦。4歳の暮れに東京大賞典で2着。2番手追走から直線で先頭に立ち、中央の実力者オメガパフュームと叩き合ってクビだけ交わされた。年が明けて5歳になり、1月の川崎記念で逃げてオメガパフュームに3馬身差の差をつけて交流GI初勝利を決めている。春にはかしわ記念で交流GI2勝目。武器はパワフルな先行力で、中央の一線級と渡り合えるまでに成長した。前2走は崩れたが、どちらも展開が厳しく、長距離輸送があった金沢の前走はイレ込みがヒドかったようだ。中間は外厩の坂路で乗り、船橋競馬場(外コース、渋った馬場)の最終追いでは軽く気合を乗せられる程度で61秒級-11秒台の中ほどの好時計をマークしている。スピード感があり、動きはダイナミック。久々だった前走を使ってデキを上げている。中央の舞台で走るのは初めて、しかも、起伏の激しい中京コース。条件は楽でないが、 左回りで強さを見せるし、息を入れることができると抵抗するシーンをつくってきそうだ。ヤネはテン乗りでミルコ・デムーロ。ハナにはこだわらないが、2番枠を引いたことで積極的に行かせるかもしれない。
【カフェファラオ】評価A- 騎手S
4歳、アメリカ産馬、美浦。3歳の6月、ユニコーンS(東京ダ1600m)をハイペースの好位から抜けて5馬身差で圧勝した走りが衝撃的だった(勝ち時計は稍重で1分34秒9)。同年の12月のチャンピオンズカップは6着。タメる競馬で外々を回る厳しい形ではあったが、直線はジリジリとしか伸びなかった。明けて4歳の2月にフェブラリーSをV。初めてチークピーシズを着けて3番手のインを進み、直線に向いて外に出す形に。追われてしっかり伸びて抜け出し、危なげなく押し切った。良で1分34秒4の走破は相当に速い。春のかしわ記念は、深い砂で動けずに5着に終わっている。夏の函館記念は初芝でハンデが酷量の58.5キロ。それでも普通に競馬になり、9着でも2着との差は0秒2だった。その後は放牧に出され、美浦に戻ってからは堀宣行流でウッドコースと坂路でじっくりと負荷をかけられてきた。1週前はルメールが跨ってウッドに入れ、カウディーリョ(オープン)を追いかける稽古。少し気持ちが乗りすぎで頭も高かったが、強く追われることなく、みずからグイグイ伸びて相手を圧倒した。グリップの利いた走りで、5ハロンは66秒4、ラスト1ハロンは11秒5だった。今週はウッドで大きめにとどめ、それでも活気があってバランスの良い走りを見せていた。仕上げに抜かりはない。気になる点といえば、東京ダ1600mでの2勝で見せたパフォーマンスと、他のレースでの走りに差があることだ。アメリカ血統のスピード馬。距離は1800mでまったく問題ないが、府中のように砂は軽めの方がいいのだろう。芝でも普通の斤量で走れば相当な能力を発揮するはずである。馬場が渋ってくれると良かったが、それは叶いそうにない。実戦では初めてブリンカーを着けて挑む。これがプラスに出るのかマイナスになるかは、やってみないとわからない。堀師も「(ブリンカー着用で)引っ掛かってしまうと距離は微妙かも」と話している。大外の16番枠を引いていて、早めにバラけて内に寄せることができると理想的。この点の対処はルメールに任せるしかない。不安な点はあるが、能力的に期待されて当然である。
【クリンチャー】評価B 騎手S
7歳、栗東。3歳時に皐月賞4着、菊花賞2着。4歳時に京都記念1着、天皇賞(春)3着。6歳だった昨年の2月からダートを使い、同年の秋にみやこSで重賞制覇を決めた(2着に3馬身)。続くチャンピオンズカップは11着に敗れている。GIの流れで追走が楽でなく、直線残り300mではヨレるシーンがあった。7歳になって地方の交流重賞を連勝。帝王賞は正攻法の競馬で3着だった。勝ったテーオーケインズには離されたが、2着ノンコノユメとの差はクビだった。秋緒戦のみやこSは、外の追走で後半で突かれて動かされ、伸びを出せずに6着に終わっている。中間の調整は意欲的。1週前にCWコースで終いにしっかりと追われ、今週は坂路で無理なく39秒4-12秒6(4ハロンは計測不能)をマークした。バランスの良い走りで動きも力強かった。もともと特別に動くタイプではなく、使った分の上積みを見込んでいいだろう。川田将雅は同馬とコンビを組んで3戦無敗。左回りの経験が浅いし、中央のGIだと壁がある印象があるが、脚を残しつつ追走できれば見せ場はつくってきそうだ。最後の押しが利くかどうか。
【ケイティブレイブ】評価B 騎手A-
8歳、美浦。4歳時に帝王賞を制覇し、同年の暮れのチャンピオンズカップは勝ったゴールドドリームと0秒3差の4着。5歳時には1月に川崎記念を勝ち、秋に京都ダ1900mで行われたJBCクラシックを制している。この年のチャンピオンズカップは11着だった。7歳のフェブラリーSでは、直線でしっかりと伸びて2着に奮闘。しんがり16番人気という低評価をくつがえす好走だった。その後、脚部不安による長い休養が入り、今年の夏に復帰。緒戦のエルムSは58キロで0秒7差の6着だから悪い走りではなかった。続くシリウスSは、ハンデが58.5キロで、4コーナーでゴチャつく不利もあって11着。前走のJBCクラシックは5着だったが、金沢は内めの砂が深いことを意識してか外を回り、コースロスがあっての結果である(直線で挟まれる不利も)。中間は坂路で追い日のほかに日曜にも時計を出して入念に乗られてきた。1週前に少し気をつけてパワフルに先着し、日曜は53秒0-12秒7で同入。今週は大きめにとどめ、それでも楽に先着している。元気があって、デキは良さそうだ。ただ、衰えたとまでは言わないが、さすがに全盛期の力はない感じ。無理せず脚をタメ、もつれる展開になってあるいはといったところ。
【サンライズノヴァ】評価B 騎手B
7歳、栗東。4歳時にフェブラリーSで4着に健闘。同年のチャンピオンズカップでは、出遅れて後方を進みながら直線で6着まで伸びた。5歳の秋に南部杯で交流GIを制覇。6歳のフェブラリーSでは、大外から3着に追い込んでいる。同年の秋は武蔵野Sを前年に続いて連覇し、チャンピオンズカップは12着だった。7歳の今年は4走で、前走のJBCスプリント(金沢)では出遅れながらレッドルゼルのレコード駆けの2着に伸びている。中間は坂路で意欲的な調整ぶり。最終追いではモズスーパーフレアと併せ、重厚感ある走りを見せて50秒8-12秒5の好時計でわずかに先着した。こちらは松若風馬、相手は調教助手。力の要る馬場というのもよかったかもしれないが、坂路で大将格に動くモズスーパーフレアに負けなかったのだから立派だ。いいデキにあるのは間違いない。闘争心を抑え込み、直線で一気に放出させるというタイプ。6歳の7月にプロキオンS(阪神ダ1400m)を勝った時など、59キロを背負って34秒4の上がりで追い込み切る圧巻の走りだった(2着が1年ぶりの実戦だったエアスピネル)。ただ、マイル以下でこその爆発力で、1800mの距離だと力んで走って鈍る傾向にある。それでも脚力自体は負けていない。可能性は低めだが、折り合いがつき、完璧に運んで末脚を引き出すことができれば上位進出もある。
【サンライズホープ】評価B 騎手A-
4歳、栗東。今年の4月に阪神のダ2000mで3勝クラスをクリアしたが、先頭に立って気を抜くところがあり、ラスト1ハロンが14秒0という非常に大きな数字に。続く中京ダ1800mの三宮S(ハンデ54キロ)は、初ブリンカー着で挑んだ。稍重の中、楽に逃げて1000m通過が62秒9というスロー。直線でしっかりと脚を使い、2馬身半差で押し切った。後半の1000mは60秒1で、上がりは12秒1-11秒8-12秒5の36秒4だった。小倉のプロキオンS(6着)は、小回りコースのレコードで決着する馬場で持ち味が活きなかった感じである(4コーナーでは外に張り気味)。秋緒戦に中京ダ1900mのシリウスSを使って重賞初勝利。2番手でスムーズな追走ぶりを見せ、直線に向いてすぐに先頭に立つ。坂をしっかりと上り、最後でウェスタールンドに詰め寄られながらアタマ差で逃げ込んだ。勝ち時計は1分57秒4(良)。ラスト1ハロンは13秒1で、1800mを1分50秒9で通過している。その後は在厩しての調整で、坂路とCWコースでハードに乗られてきた。今週は坂路に入れて終いに一杯に追うというメニュー。馬場が悪い中でパワフルに伸び、52秒7-37秒7-12秒1をマークした。馬体の充実ぶりも目立っていて、仕上がりは万全と言っていい。中京は(2.1.0.0)と得意。GIの流れはまた違うが、ブリンカーを着けてからメリハリのある競馬ができるようになっているのはいい。ただ、相手は強く、57キロで走るのは初めてになる。うまく運んで、どこまで踏ん張れるか。
【スワーヴアラミス】評価C 騎手A-
6歳、栗東。昨年のマーチSでは、クリンチャーとの叩き合いを制してクビ差で重賞初勝利を決めた。今年の夏は、マリーンSをハンデ57.5キロでV。ズブくて追いっぱなしになるのは気性的なもので、続くエルムSは初めてブリンカーを着けて挑んだ。やはり手応えは厳しかったが、直線で渋太く抜け出て勝ち切った。9月の白山大賞典(金沢)は、メイショウカズサがレコードであっさり逃げ切り、2着ミューチャリー(11月にJBCクラシックを制覇)とクビ差の3着だった。前走のみやこSは、スタートして軽く躓く場面が。揉まれたくなかったかスタンド前で外に出したが、ずっと外を走ることになってしまった。3コーナーを過ぎてしごいていき、直線はジリジリと脚を使って7着には詰めてきた。中間は在厩しての調整。1週前にはCWコースの併せ馬で65秒級-12秒台でしっかりと先着し、今週は重たい坂路で54秒1-12秒6をマークした。動きは力強く、前向きさもあってデキは良さそうだ。手応え以上に頑張れるといっても、GIに入るとスッと動けない点は致命傷になりかねない。中京は問題なく、乱戦の追い比べになってどうかといったところ。無理に行かせず、紛れが起こるのを待つ方がいいかも。
【ソダシ】評価A- 騎手A-
3歳の牝馬、栗東。白毛の一族で、自身も白毛。2歳の夏に函館で新馬を勝ち、暮れの阪神ジュベナイルF、3歳の春の桜花賞を勝って負けなしの5連勝となった。桜花賞は高速馬場の中でのものといえ、1分31秒1とコースレコードを更新している。ただ、道中で力んで走っていて、気性面の危うさは見せていた。オークスは最初のコーナーでゴチャつき、あとはずっとムキになった走り。直線で伸びかけたが、持続はせずに8着に終わった。夏に札幌記念で古馬と初対戦。2000mの距離でも2番手につけて息が入り、突かれて早めに先頭に立つ形になりながら渋太く押し切った。52キロの利があったといえ、ラヴズオンリーユー(3コーナー前で数度の接触あり)、ペルシアンナイトらを押さえたのだから立派である。秋の秋華賞はレース前から集中力を欠き、ゲート内でぶつけて歯を折ったとのこと。2番手を進んで競馬の形にはなったが、4コーナーで手応えがなくなって10着に沈んだ。その後は放牧に出され、歯の治療は済んだとのこと。栗東に戻ってからはCWコースと坂路を中心に乗られ、ダートのBコースにも入れて追われた。Bコースの時には、アディラート(オープン)に楽な手応えで先着してラスト1ハロンが11秒台の前半だった。今週は吉田隼人が跨り、坂路で最終調整に臨んだ。雨が降って馬場が重たく、脚を取られる馬が続出するような状況。ソダシもそんなところはあったが、走るのに苦労しているわけではなく、終いに少し強く追われた程度でスピード感ある走りで力強く駆け抜けた。時計は51秒8-11秒8。ラスト1ハロンの11秒8は、この日の最速の数字である。変にテンションが高くなっている感じはないし、リフレッシュ効果があって、肉体面でもしっかりと仕上げてきた。今回は初めてダートを走ることになる。父はダートの歴代最強レベルのクロフネ。母系にはダートの活躍馬が多い。走りを見ると、前は掻き込みあり。後ろも普段の走りでは少し掻き込んでいるが、疲れると置くような感じになるので、その点がどうかだ。みながそうと言えばそうなのだが…。砂をゴソッと持っていくほどではないものの、パワーはあるし、ダートでも問題なく走れるだろう。ソダシの場合、砂をかぶって嫌がらないか、気性の方が心配。キックバックを受ける稽古はこなしていて、吉田隼人は「砂をかぶっても大丈夫だと思う」と話している。しかし、実戦となると違うし、最内の1番枠から出ることになった。隣の2番枠がハナを主張しそうなカジノフォンテンで、スッと一緒に行って好位につけることになりそうだ。バラけて砂をかぶるのを回避できるのか、それとも押し込められて厳しい競馬になるのか…。こればかりは出てみないとわからない。気持ちが乗った場合にハナに行かせることを考えている可能性もある。特別に気持ちが高ぶっていることはない様子で、当日に適度なやる気を持ってレースに向かえるといい。54キロで走れるのは、もちろん大いに有利である。非常に注目度の高いダート参戦。いかにも極端な結果になりそうで、どんなパフォーマンスを見せるのか楽しみであり、”予想”という点からすると、正直に言ってやっかいな存在である。
【ダノンファラオ】評価B 騎手S
4歳、栗東。母はサンタアニタオークス(米GI)勝ち馬。3歳の7月にジャパンダートダービーで交流GIを制覇している。2番手追走から逃げたダイメイコリーダに早めにプレッシャーをかけ、競り落として勝ち切るという内容。ラスト1ハロンが14秒2もかかっていて、力任せの競馬だった。その後の9戦はすべて地方の交流重賞。今年の1月の川崎記念では、2番手から逃げたカジノフォンテンを追ったが、勝負どころからしごいても迫れない。直線で離され、オメガパフュームに交わされて3着に落ちた(3馬身+3/4馬身)。6月の帝王賞もカジノフォンテンをマークする競馬。ペースが速く、共倒れになって、こちらは9着、相手は10着だった。金沢のJBCクラシックは、逃げを打って2番手がカジノフォンテン。向正面で3番手のミューチャリーと4番手のケイティブレイブが動いてきて早めに交わされることになり、苦しくなって7着に沈んでいる。中間は在厩して入念に乗り込んできた。1週前にはCWコースの併せ馬で大きく追いかける形から先着し、時計は64秒台-12秒台。今週は坂路で終いにしっかりと追われ、52秒3-12秒3で先着した。巨漢馬でスピード感こそないが、動きは力強く、いいデキをキープしている。中央で走るのは久しぶり。行くにしろ控えるにしろ、楽なペースで運ぶことはできないだろう。左回りで走れているので、中京は問題ないはずだ。力はあり、ヤネは追いの強い横山武史。息を入れることができればとも思うが、簡単にはいかなそうで。
【チュウワウィザード】評価A+ 騎手A-
6歳、栗東。中央での重賞初勝利は4歳の春の平安S。同年の秋にJBCクラシック(浦和)で交流GIを制覇した。次走がチャンピオンズカップ。好位の後ろのインを進み、直線で引いて外に出すロスが生まれたのが痛かった。そこからしっかり伸びて0秒3差の4着に上がっている。その1年後、5歳の時にチャンピオンズカップをV。馬群で中で時に軽く押して離されないようにし、4コーナーでバラけてうまく踏み込むことができた。グッと伸びてパワフルに抜け出し、2着ゴールドドリームにつけた着差は2馬身。しかも、少し余力が残っていた。6歳になって、3月にドバイワールドカップに挑戦。4番手のインを追走し、直線でしっかりと脚を使って2着に好走した。外から抜けたミスティックガイドは強かった。帰国緒戦の帝王賞は6着。馬群の中を進んで3コーナーからモタついて下がり、直線は盛り返したわけでもないが、内で少し頑張っていた。その後に骨折が判明、軽度のもので手術をせずに完治したとのことである。金沢のJBCクラシックは4ヵ月ぶりの実戦。好位のインで走りは良く、3コーナーから手が動いて少しもたつく感じになる。それでも離されはせず、直線で内めから脚を使って3着で入線した。陣営は「金沢は内めの砂が深く、枠順(1番枠)の差が出た」と話している。中間の攻めは実に熱心。1週前にCWコースの併せ馬でしっかりと先着し、今週は坂路でキビキビとした動きを見せて52秒9-12秒8をマークした。遠征の疲れはなく、しっかりとデキを上げてきた感じだ。GIを勝った舞台、ヤネは昨年も跨っていた戸崎圭太。同馬を手の内に入れている戸崎だが、捌きに甘さのあるジョッキーではあり、うまく進路を見つけてもらいたいところだ。スムーズに立ち回ってくれば、連覇を決めるシーンがある。
【テーオーケインズ】評価A+ 騎手S
4歳、栗東。3歳の暮れ、初めてオープンを走ったのが阪神のベテルギウスS。中位の外を進み、直線で外から伸びてオーヴェルニュとクビ差の2着で入線した。次は中8日で東京大賞典に挑み、見せ場をつくって0秒2差の6着に健闘している。4歳の春には名古屋城SとアンタレスSを連勝。どちらも渋って走りやすい馬場で、名古屋城Sでは持っていかれるぐらいの気合を見せ、アンタレスSも追走ぶりは楽だった。やはりどちらも早めに先頭に立ち、追ってしっかりと走り切って快勝した。続いて6月の帝王賞、これも重で脚抜きの良い馬場。少し離れた5番手のインを進み、そのままインを攻めて直線で一気に抜け出すと、後続に3馬身の差をつけて圧倒した。ソラを使うぐらいで余裕があった。この3連勝、自身の数字になるラスト1ハロンは、すべて12秒4だった。秋緒戦は金沢のJBCクラシック。スタートでまともにアオり、押して流れに乗せて道中はずっと少し力んで走っていた。3コーナーからの反応はひと息で、脚を使ってはきたものの最後は疲れて4着に終わった。その後は短期放牧に出され、栗東に戻ってから意欲的に乗り込んできた。1週前は松山弘平が跨ってCWコースに入れ、終いに軽くうながした程度で時計は66秒級-11秒台の中ほど。坂路に入れた今週は、楽な感じで54秒0-12秒3をマークした。推進力のある走りを見せていて、叩いた分でしっかりと上向いている。ゲート練習はしたとのこと。ただ、前走だけでなく、春に連勝した時もトモが入らないのかゲートをしっかりとは出ておらず、うまくいくという保証はない。名古屋城Sの走りから、中京は合っている。近走のイメージからは軽い馬場が良さそうだが、パサパサの良馬場でも問題はない。ヤネはコンビを組んで(5.1.1.2)の松山弘平。中央のGI制覇のチャンスがある。
【メイショウハリオ】評価B 騎手A+
4歳、栗東。春の府中ダ1600mでの3勝クラス勝ちは、長く脚を使って抜け出す強い勝ちっぷり。続く福島ダ1700mのジュライSは、追走ぶりが楽ではなく、4コーナーで外に膨れながら直線でグイグイ伸びて2着に上がるという内容だった。秋緒戦の太秦Sは中位のインでタメてロスのない立ち回り。レースのラスト1ハロンが13秒4とかかったところ、渋太く脚を使ってアタマ差の2着に食い込んだ。みやこSはゲートで後ろを踏ん張る感じで少し遅れ、押して流れに乗せる。道中は馬群の中で、3コーナーを過ぎてしごいていって、直線は馬群を割る形に。抜けるとしっかりと伸び、外からきたロードブレスをハナだけ押さえて勝ち切った。レースのラスト1ハロンは12秒6で、自身はここを12秒1前後で駆けている。中間は坂路を中心にCWコースでも大きめを乗られてきた。最終追いは坂路で、終いに強く追われて53秒2-12秒3。馬場が重たい分で目立つとまではいかなかったが、しっかりと動いていて、好調をキープしている感じだ。スタートでダッシュがつかず、手応えに渋いところがあるので、GIの流れで追走に脚を使わされる可能性がある。欲は出さず、ジッとタメて乗って、開けば内を突いてくるかもしれない。上昇度は認めるべきで、もつれる展開にでもなれば。中京は問題ない。
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ソダシ、3歳の牝馬、白毛馬、初のダート参戦…。大いに注目され、前日の段階で単勝が200円台の1番人気になっている。しかし、馬連の1番人気はテーオーケインズ-チュウワウィザードの目。状況が状況だけに、扱いに苦労するのは致し方ないことである。
ソダシの場合、ダート適性よりも気性が心配。そして、このレースには、他にも自分の競馬できるかどうかで走りが大きく変わってくるという馬が複数頭いる。調教師、ジョッキーがどんな攻め方をしてくるのかを読むのは簡単ではないし、難解なダートGIになった。
大久保龍志厩舎(栗東)の6歳馬チュウワウィザードに◎を打った。
当レースは一昨年が直線で捌くのにロスがあっての4着。昨年は直線で外から力強く抜け出し、2着に2馬身半の差をつけて快勝している。あれから1年…。骨折明けで4ヵ月ぶりの実戦だったJBCクラシック(3着)の走りを見ると、能力の減退は考えなくていいだろう。
一昨年は3番枠で、昨年は11番枠。今年は外の13番枠を引いたが、内でヒドく揉まれる競馬になるよりもいい。ただ、早めに内に寄せてもらいたいところではある。
戸崎圭太は捌きが甘くて見ていて怖いジョッキーだが、昨年はうまく誘導して力を引き出していたし、同様の騎乗を期待する。息の長い末脚を繰り出し、連覇を決めるシーンがあっていい。
強敵は高柳大輔厩舎(栗東)の4歳馬テーオーケインズ。名古屋城S、アンタレスS、帝王賞の3連勝が見事な強さで、勢い、成長度という点では◎より上である。
課題はゲート。すぐにはトモが入られないのかヨレたりアオッたりするケースが多く、JBCクラシックはまともにアオッてリズムを欠く走りになってしまった。それでも4着に頑張っている。
ゲート練習はしているとのこと。遅れたら遅れたで、今度は松山弘平が慌てて押していくことはせず、終いを伸ばす競馬をするかもしれない。いずれにせよ、中央のGIを制するだけのパワーと実力を持っているのは確かだ。
▲はエアスピネル。パサパサのダートだと1800mは長い印象があるが、5番枠からロスなく立ち回ってくれば。
△は初ブリンカー着用で挑むカフェファラオ。アメリカ産馬でスピード能力が高く、深いダートへの対応が鍵になる。
※はインティ。気性が難しいのは相変わらずだが、当レースは2年連続で3着に駆けている。
ソダシは×の1番手に置いた。結果を出して何の不思議もないが、初ダートが中京ダ1800mのGIというのはなかなか大変である。舞台としては、フェブラリーSの方が合っているだろう。
以下はメイショウハリオ、サンライズノヴァ、オーヴェルニュなど。
先にも書いたが、脆いタイプが複数頭いるというメンバー。良馬場の中でペースが速くなると、レースが壊れる可能性がある。
連勝式は高配当期待で手広く買っていくことにした。3連単は◎と○からの軸2頭マルチで。やはり、うまく崩れて配当が大きくなってくれるといい。
◎13番チュウワウィザード
○6番テーオーケインズ
▲5番エアスピネル
△16番カフェファラオ
※4番インティ
×1番ソダシ
×15番メイショウハリオ
×3番サンライズノヴァ
×9番オーヴェルニュ
【単勝】13番(10%)・6番(30%)
【複勝】13番(60%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
13→全通り
6→全通り
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【3連複】(軸2頭ながし)
6.13→全通り(14点)
5.13→全通り(14点)
13.16→全通り(14点)
4.13→全通り(14点)
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【3連単】(軸2頭マルチ)
13.6→全通り(84点)
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【日曜後半レース】
ギャラクシーS
3連単 6万7,050円
3連複 5,170円
馬 連 7,070円
単 勝 1,550円(10%)
複 勝 280円(90%)
◎バティスティーニ1着(5人気)
◎▲○でヒット
鳴海特別
3連単 6,760円
3連複 1,980円
馬 連 540円
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中山12R
3歳以上2勝クラス 12月5日(日) 8頭立てでも混戦
8頭立て。少頭数の競馬は、道中でマクる騎手などが出てきて展開を読むのが難しい。荒れやすいとも言える。
◎ブレークアップは成長段階にある3歳馬。10月の1勝クラス勝ちは、稍重の中を逃げ、ラスト1ハロンを11秒7で駆けてしっかりと押し切る強さだった。
横山武史からの乗り替わりによる戦力ダウンが問題になるが、腕っぷしの強い田辺裕信なら大丈夫だろう。田辺は土曜のステイヤーズSで、6番人気のディバインフォースを1着に持ってきている。
ハナにはこだわらず、自在の運びで結果を出してもらいたいところ。馬自身、2勝クラスは壁にならない。
○バイキングクラップはレコード決着になった春の淡路特別(阪神)でディバインフォースと戦って3着。早めに先頭に立つ強引な競馬をしての結果だった。仕上がりは良く、今度は差す競馬を考えているとのこと。配当面で妙味があり、狙っておもしろい。
コーストライン、ナリノモンターニュも軽視は禁物だ
8頭立てで難しかったが、配当は合わせてある。
◎2番ブレークアップ
○3番バイキングクラップ
▲4番コーストライン
△8番ナリノモンターニュ
※1番ピースディオン
×6番サンサルドス
×5番イヤサカ
【単勝】2番(80%)・3番(20%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
2→3.4.8
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【3連複】(軸1頭ながし)
2→3.4.8(3点)
【3連複】(軸2頭ながし)
2.3→全通り(6点)
【3連複】
2-3-4・2-4-8・2-4-8(3点)
──────────────
【3連単】(軸2頭マルチ)
2.3→全通り(36点)
【3連単】(軸2頭マルチ)
2.3→4.8(12点)
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阪神11R
ギャラクシーステークス 12月5日(日) 伏兵馬狙いで
1番枠のメイショウウズマサが行く構えだが、6番枠のイッツクールも逃げ宣言。メイショウウズマサの方がダッシュは速く、イッツクールが引くかどうかで、競馬自体が違うものになっている。
難しいダートのオープン特別だが、差して脚を使える伏兵馬を狙うことにした。
◎バティスティーニは8歳馬ながら元気いっぱい。今年のは春には、コーラルSで内を捌いて2着に入り、続く天保山Sでは外から伸びて2着にあがった。
府中の復帰戦は10着に終わったが、左回りは今ひとつだし、大外の16番枠を引いていたから致し方ないところがある。
じっくり乗られて仕上がりは良く、今度は得意の阪神。2番枠で捌きが鍵になるが、スムーズなら食い込むシーンがあるだろう。団野大成は若手の実力派。
以下は、タガノビューティー、コパノマーキュリー、メイショウウズマサなど。
バティスティーニが人気薄なので、高配当期待で連勝式は手広く買っていきたい。
◎2番バティスティーニ
○16番タガノビューティー
▲10番コパノマーキュリー
△1番メイショウウズマサ
※3番ケイアイターコイズ
×13番ドウドウキリシマ
×9番イメル
×15番ロンドンテソーロ
×8番モズダッシュスター
【単勝】2番(10%)
【複勝】2番(90%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
2→全通り
──────────────
【3連複】(軸2頭ながし)
2.16→全通り(14点)
2.10→全通り(14点)
1.2→全通り(14点)
2.3→全通り(14点)
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【3連単】(軸2頭マルチ)
2.16→全通り(84点)
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阪神12R
3歳以上2勝クラス 12月5日(日) 良血馬がズラリ
良血馬がそろった鞍。2勝クラスにしては注目度が高く、ただ、芝が荒れている点で興味は少しそがれる。
◎ヒメノカリスは全弟にシャフリヤール、全兄にアルアインがいる超良血馬。2走前からブリンカーを着け、1勝クラスを勝ち切って、続く昇級緒戦を小差の2着に駆けた。
栗東の坂路で3ハロン36秒5の時計を出してますます快調。内回りの芝1400mは問題ないし、馬場を考えると外の11番枠でいい。世界の名手クリスチャン・デムーロで期待は大だ。
○インフィナイトは兄が東京新聞杯を勝ったブラックスピネル。ノドの手術明けだった前走で、逃げて渋太く小差の3着に踏ん張っている。目標にされる立場になりそうだが、1400mは合っているので。
▲アンブレラデートは母が名牝ダイワスカーレット(桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯、有馬記念)。春にはフィリーズレビューで4着に健闘していて、前走で1勝クラスをクリアした。2勝クラスでも素質は上位。普通に結果を出していいが、中1週で使ってきたのは少し残念と感じる。
△ショウリュウレーヴは母がショウリュウムーン(京都牝馬S、朝日チャレンジカップ、桜花賞4着)で、兄にショウリュウイクゾ(日経新春杯)。こちらも先々は出世しそうで、ただ、久々の今回は陣営が「まだピリッとしない」と話している。攻めでは好時計を出していて、格好はつけてくるだろう。
以下はスキップ、ファルヴォーレ、テーオーディエスなど。
◎11番ヒメノカリス
○10番インフィナイト
▲12番アンブレラデート
△3番ショウリュウレーヴ
※14番スキップ
×4番ファルヴォーレ
×5番テーオーディエス
×8番カフェサンドリヨン
×9番ザイラ
【単勝】11番(10%)・10番(20%)
【複勝】11番(70%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
11→全通り
【馬連&ワイド】(ボックス)
3.10.11.12
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【3連複】(軸2頭ながし)
10.11→全通り(12点)
【3連複】(ボックス)
3.10.11.12(4点)
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【3連単】(軸2頭マルチ)
11.10→全通り(72点)
【3連単】(軸2頭マルチ)
3.10.11.12(24点)
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中京12R
鳴海特別 12月5日(日) 展開面が鍵に…
2番枠のオーマイガイ、16番枠のハリーバローズが先行態勢を取る。競り合いは避けたいところだが、ハリーバローズが掛かって行ってしまう気性で、どんな展開、どんなペースになるかは流動的だ。
◎レッドブロンクスは前出の2頭を意識しつつ、好位かその後ろあたりを進むことになるだろう。スパッと切れる脚はないが、1400mの距離だと粘り強く脚を使ってくる。
中京コースは(0.3.0.1)、乾いた馬場でもしっかりと走れる。ヤネは追いの甘い武豊だが、前走で同馬を1着に持ってきているし、冷静に立ち回ってくるだろう。2勝クラスに昇級しても、時計と上がりがかかってくれれば上位浮上が可能になる。
○オーマイガイと▲ハリーバローズは、とにかく息が入るかどうか。すんなりと兼ね合いがつくと“行った、行った”の決着になる。
△アメージングランは仕上がり良く、1番枠からロスなく運べそう。※ヤウガウはムラな面があるものの末脚は軽快すべきだ。
以下はゲンパチマイティー、エスケーアタランタ、ファイヴレターなど。
連勝式はボックス買いとし、3連単は配当を合わせづらかった。程度に崩れてくれると理想的。
◎10番レッドブロンクス
○2番オーマイガイ
▲16番ハリーバローズ
△1番アメージングラン
※15番ヤウガウ
×11番ゲンパチマイティー
×9番エスケーアタランタ
×8番ファイヴレター
×12番タガノペルマネンテ
【単勝】10番(10%)
【複勝】10番(90%)
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【馬連&ワイド】(ボックス)
1.2.10.15.16
【馬連&ワイド】(ボックス)
2.10.16
【馬連&ワイド】
2-16
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【3連複】(ボックス)
1.2.10.15.16(10点)
【3連複】
2-10-16(1点)
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【3連単】(ボックス)
1.2.10.15.16(60点)
【3連単】(ボックス)
2.10.16(6点)
【3連単】(ボックス)
2.10.16(6点)
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【土曜メインレース】
チャレンジカップ
3連単 5,860円
3連複 1,990円
馬 連 830円
単 勝 170円(60%)
◎ソーヴァリアント1着(1人気)
◎▲※でヒット
ステイヤーズS
3連複 4,420円
馬 連 1,800円
単 勝 770円(10%)
複 勝 210円(50%)
◎ディバインフォース1着(6人気)
◎▲×でヒット
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中山11R
ステイヤーズステークス(GII) 12月4日(土) 低レベルで難解
中山の芝3600mで争われるGII競走。
スタンド前からの発走、内回りコースを2周する。スタートしてすぐに中山名物の急坂を迎え、上り勾配は2コーナー手前まで続く。2コーナーから向正面の半ばまでは下り坂。そして、直線に入り、残り180m~残り70mが急な上り坂になっている。高低差2.2m、最大勾配2.24%は、JRA全10場の中で最大の数字になる。直線距離は310m。コース全体の高低差は5.3mで、これも10場の中で最大。
芝は開幕週でAコース使用になっている。JRAからは「野芝および洋芝とも順調に生育しており、全体的に良好な状態」と発表があった。
9月に始まった4回中山をチェックすると、最終日9日目に行われたスプリンターズSが1分07秒1で決着(良発表でも少し水を含んだ状態)。好位のインを進んだピクシーナイトが内から抜け出して2馬身差で快勝し、2着は4番手追走から4コーナーで少し外を回して脚を伸ばしたレシステンシア、3着が勝ち馬を追いかける形で伸びたシヴァージだった。テンの3ハロンは33秒3。上がりは11秒1-11秒3-11秒4の33秒8という速さだった。
全体には時計の速い開催で、節が進んでも外差しが目立つようになるという状況にはならなった。馬場は生き物なのでやってみないとわからないところはあるが、4回中山ほどではなくてもスピードの出やすい馬場になっている可能性が高い。
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以下、全頭診断と騎手評価(50音順)。全頭診断は相対評価、騎手評価は絶対評価で、騎手評価は騎乗馬との相性を考慮する場合がある。
【アイアンバローズ】評価A- 騎手A+
4歳、栗東。兄にベルモントS(米GI)勝ちのパレスマリス。3歳時に青葉賞に挑戦していて、出遅れてチグハグな競馬になっての10着(1秒差)だから悪い走りではなかった。4歳になって春に条件級を連勝。どちらも道中はなだめるぐらいの手応えで、可能性を感じさせる走りだった。秋緒戦の京都大賞典(阪神)は、18キロ増+1コーナーで不利があって12着。続くアルゼンチン共和国杯(ハンデ54キロ)は、流れには乗れたものの、直線はジリジリとしか脚を使えなかった(軽い不利あり)。それで2着と0秒3差の6着で、大きく負けているわけではない。中間の稽古は意欲的で、1週前にCWコースで長めから追われ、今週は坂路で前向きな走りを見せて53秒6-12秒5をマークしている。使いつつデキは上がっている感じだ。オルフェーヴル産駒で難しいところがあるが、血統面やレースぶりからスタミナは十分にある。丁寧に乗って息を入れることができれば、3600mの重賞でもやれそうなムードだ。
【アスティ】評価C 騎手B
5歳のセン馬、美浦。母はエリザベス女王杯勝ちのクィーンスプマンテ。2勝クラスからの格上挑戦。自己条件では、今年の春に中山の芝2500mで3着していて、夏に函館の芝2600mで外からマクる競馬をして3着(0秒1差)に駆けた。2走前の中山戦(12着)は輸送で熱が出たあとで、続く福島でも10着と動けなかった。中3週になり、時計になったのは今週のウッドコースの1本だけ。時計は68秒4-12秒8で、外ラチ沿いを気持ち良さそうに走っていた。母は11番人気(単勝7,710円)でエリザベス女王杯を逃げ切ったが、そのように穴を出せるかは疑問で…。再ブリンカー着で挑む。
【アドマイヤアルバ】評価B 騎手B
6歳のセン馬、美浦。3歳時に京都新聞杯で2着、4歳時に京都金杯で4着。その後は不振が続いていたが、今年の春に目黒記念(ハンデ53キロ)で初めてブリンカーを着け、スローの中でうまく好位を立ち回って3着に健闘した。秋の2走は0秒7差、0秒8差だから大きく負けているわけではなく、ジリジリの伸びで切れ味負けしているという内容だった。中間もしっかり乗られていて、1週前にはウッドコースで66秒6-12秒1。今週は坂路でやられたが、重たい馬場に苦労している感じだった。デキ落ちはなさそうだ。気を抜いて走るところがあり、3600mはこなせておかしくない。ジリッぽいタイプが多いメンバーだし、うまく立ち回るとあるいは。
【ヴァルコス】評価A- 騎手B
4歳、栗東。祖母がディープインパクトを産んだウインドインハーヘア。3歳の春に青葉賞で2着に好走している。ポジションを取れずに中団の後ろの追走になり、3コーナーから外を動かしていくという強気の競馬。直線で渋太く伸びて叩き合いに加わり、最後で外からクビだけ差された。勝ったのは先週のジャパンカップで2着に入ったオーソリティである。走破時計は2分23秒0(良)と速いし、価値ある走りだった。前走は屈腱炎明けで1年ぶりの実戦。道中は抑えるぐらいの手応えで、競馬の形になっていた。直線でジリジリと脚を使って0秒6差の7着に上がれば十分な結果だろう。中間は坂路で豊富に乗られ、今週は53秒4-13秒0。馬場が重たくてフラついていたが、しっかりとやれたのはいい。坂路の中心の調整で3600mの長丁場。楽な状況ではないが、菊花賞の8着が悪い内容ではなかったし、こなすポテンシャルは備えているはずだ。侮れない面はある。
【カウディーリョ】評価A- 騎手B
5歳、美浦。母はディアデラノビア(オークス3着、ヴィクトリアマイル3着、エリザベス女王杯3着)、きょうだいに活躍馬多し。3歳時には菊花賞で逃げて8着。残り200mを過ぎても馬券に残るかもというぐらいの頑張りを見せていた。5歳になって、夏に函館で札幌日経オープンを2着し、続く札幌の丹頂Sを直線で並ばれながら盛り返すように脚を使って勝ち切った。その後は放牧に出され、美浦に戻ってからは熱心に乗られてきた。1週前にはウッドコースでカフェファラオ(チャンピオンズカップに出走)の調教パートナーをつとめている。今週はウッドで単走でやられて強くは追わず、時計は68秒7-11秒9。頭が高いのはもともとのフォームで、キビキビとした動きを見せていた。タフな中山の3600mでどうかだが、落ち着いて走ればこなせるはず。輸送でうるさくなるところがあるので、そこが最大のポイントになる。輸送による消耗が少なく、折り合ってスムーズに運べば上位争いが可能に。
【ゴースト】評価B 騎手A-
5歳のセン馬、栗東。2勝目からの3勝が阪神の芝2600m(外)、札幌の芝2600m、阪神の芝2400m(外)。5歳になった今年の夏は、札幌日経オープンが久々が影響した感じの4着で、続く丹頂Sでは外を動く形でジリジリと伸びて0秒2差の3着で入線した。秋のアルゼンチン共和国杯(ハンデ54キロ)は、出していって好位の外につけ、直線は速い脚を使えずに後退して14着に終わっている。中間はCWコースを中心に乗られ、1週前に大外を回って負荷をかけられて66秒台。今週は終い重点の稽古で、追われるとしっかりと伸びてラスト1ハロンを11秒台の中ほどで上がってきた。叩いて上積みを加えている。切れる脚がないのが悩みだが、ズブいところがあり、長めの距離で少し時計がかかるような状況なら渋太く脚を使ってくる。中山の3600mは悪くないはずで、混戦になれば浮上するシーンも。
【シルヴァーソニック】評価A- 騎手A-
5歳、栗東。母はエアトゥーレ(阪神牝馬S)で、その母はムーランドロンシャン賞(仏GI)や京王杯スプリングカップを勝ったスキーパラダイス。兄に皐月賞馬キャプテントゥーレがいる。休みがちで、5歳でも15戦とキャリアは多くない。ちなみに今年のステイヤーズSは、そんな経歴の馬が多くなっている。3歳時には菊花賞を使うプランがあったが、自重することとなった。3勝クラスをクリアしたのが今年の春。舞台は府中の芝2400mで、早めの立ち回りから長い直線をしっかり伸びて勝ち切るという内容だった。ゴールした時に余力が残っていた。秋緒戦、オープン緒戦は東京芝2000mのオクトーバーS。久々で馬体を減らしているという状況だった。逃げ切ることになるパンサラッサが飛ばし、2番手からはそう離れていないポジション。直線はジリジリとでも渋太く伸びて5着で入線した。その後は放牧に出してリフレッシュ。1週前にCWコースでしっかりと追われ、時計は65秒台-12秒台だった。今週はCWで2頭を追いかける形。内から並び、追われて遅れた。時計は67秒級-12秒だった。これだけやられていれば問題ないし、体も細くは見せていない。3600mがどうかだが、ワンペースの走りで無駄に力を使わないところがあり、こなす可能性はある。急坂は歓迎はできないかもしれない。血統から底力を秘め、初の重賞挑戦でも軽視は禁物だろう。
【セダブリランテス】評価B 騎手A+
7歳、美浦。兄に19年にステイヤーズSを勝っているモンドインテロ。複数回の骨折や脚部不安による休養があり、7歳でもキャリアはわずか10戦。それなのにラジオNIKKEI賞、中山金杯と重賞を2勝し、5歳の12月には骨折明け、1年3ヵ月ぶりという状況でリステッド競走を勝っている。7歳の今年は3戦して6着、17着、15着。攻めは動いているが、実戦で結果が出ていない。中間は放牧に出され、美浦に戻ってからの乗り込みは順調。1週前には石川裕紀人が跨ってウッドコースに入れ、5ハロンが66秒3で、ラスト1ハロンを11秒2という速いラップで駆けている。今週は併せ馬で大きめをやられていて、仕上がりは良さそうだ。長い距離は3歳時にアルゼンチン共和国杯を走って3着。血統面からこなせる下地はあるが、3600mを走るのに520キロ級という体は大きすぎで、その点は少し心配である。本来は流れに乗って持久力ある走りを見せるタイプ。変わって不思議はない。
【ディバインフォース】評価A+ 騎手A+
5歳、栗東。3勝クラスからの格上挑戦。3歳時に2勝クラスから菊花賞(勝ち馬ワールドプレミア)に挑み、大外から0秒3差の4着に追い込む健闘を見せた。5歳の春に阪神の芝2600m(外)で2勝クラスを勝った時が2分35秒8(良)のレコード(ハンデ57キロ)。高速馬場の中でのものではあり、すでに更新されている(現在のレコードは2分35秒1)。ただ、大外から一気に伸びて早めに抜け出し、後続に2馬身の差をつけて勝ち切るという強さだった。2400mは2分23秒7で通過している。秋になって2走目に阪神の芝3000m(内)を使って4着。4コーナーで外に膨れるところがあり、直線は渋太く伸びてきた。中間はCWコースを中心に熱心な調整ぶり。今週はジュランビル(オープン)を内に置いて外を回ってきて、最後に強く追われて少し先着した(相手は馬なり)。時計は65秒台-12秒級だった。実績通りでスタミナは豊富。不器用ではあるが、後半に長く脚を使ってくる。条件級でのものといえ、(0.2.1.1)と中山も問題にしない。3600mがプラスに出る可能性はあり、穴候補として注意を払う必要がある。ヤネはテン乗りで田辺裕信。何かを仕掛けてくることがあるジョッキーで。
【トーセンカンビーナ】評価A- 騎手S
5歳、栗東。4歳の春に阪神大賞典で馬群を割って伸びて2着に好走。続く天皇賞(春)では、外を早めに踏んでいって5着に食い込んだ。宝塚記念は見せ場があったわけではないが、4コーナー15番手から直線で8着まで押し上げている。このレースのあとに美浦の加藤征弘厩舎に転厩した。この年の秋から脚部不安による長い休養に入り、今年の9月に復帰する。2走目がアルゼンチン共和国杯(ハンデ55キロ)。ゲートでアオッて後方の追走になり、直線は外を攻める形に。上がりが速い中でジリジリと伸びて7着(2着とは0秒3差)で入線した。中間はウッドコースと坂路を併用して入念に乗り込んできた。今週は横山武史が跨ってウッドコースに入れ、2歳馬を追いかける形。直線で内から並び、楽な手応えのまま同入した。時計は67秒8-12秒3。充実した馬体で、動きもしっかりしていて、デキの良さがうかがえた。ゲートでアオるのはもう仕方なく、3600mの競馬ならどこかでポジションを上げることができるかもしれない。横山武史は追いに関しては現役トップレベル。初の中山にも対応できそうだし、上位浮上があっていい。
【バレリオ】評価B 騎手A-
6歳のセン馬、美浦。全姉にオークス3着のアイスフォーリス。4歳時に東京の芝2400mで旧1000万下を勝った時の時計が2分23秒5だった。3勝クラスを勝ってオープン入りしたのが4歳の12月。5歳の2月にダイヤモンドSを使ったが、掛かって2番手に行き、バテてしんがりの16着に敗れた。同年の春に府中の芝2400mでリステッド競走を2着、夏に札幌の芝2600mでオープン特別を2着(勝ったボスジラと2馬身差)に駆けている。5歳の春にリステッド競走を5着したあとで放牧に出され、去勢手術を施された。復帰緒戦は東京芝2000mのオクトーバーS。後方の追走でも気持ちが乗って行きっぷりが良く、直線でジリジリとでも脚を使っていた。1秒差の10着でも次につながる走りだったと言っていい。その後は放牧に出され、美浦に戻ってからはウッドコースでじっくりと乗り込んできた。今週は2歳馬を追走して内に併せ、最後で少し強く追われて同入。時計は67秒4-12秒0だった。3600mの距離で折り合いが課題になるが、スタミナを潜在させていそう。去勢明け2戦目になるし、動いてくる可能性がある。
【ボスジラ】評価A- 騎手A+
5歳、美浦。きょうだいに活躍馬が多く、全兄のポポカテペトルは菊花賞で3着に健闘した。4歳の夏に札幌の芝26000mでリステッド競走を快勝(2馬身差の2着がバレリオ)。同年の12月にステイヤーズSを使い、0秒7差の6着に駆けた。離れた5番手でバラけたところをストレスなく走れたが、2周目の4コーナーでしごいても上がっていけず、直線は弾けるわけでなし、バテるわけでなしという内容。目立ちはせず、ただ、大きく負けているわけではない。今年の夏の丹頂Sは、カウディーリョに競り負けてクビ差の2着だった(ハンデは相手より1キロ重かった)。前走のアルゼンチン共和国杯(ハンデ56キロ)は押してハナに行かせる競馬。道中のリズムは悪くなかったが、直線で交わされると頑張れずに後退し、しんがりの15着に敗れた。前走時は坂路でしか時計を出していなかったが、この中間はウッドコースに入れて長めから乗られている。今週は前の2頭を追いかける稽古。内から並び、楽な手応えのまま同入した。内めを通ったものといえ、時計は65秒-11秒7と速い数字だった。大きな走りで動きが力強く、気合も適度に乗っている。大きな上積みを乗せてきたと考えていい。決め手が欲しいところではあるが、スタミナは十分だし、何よりコースで追ってきた分で怖さがある。
【マンオブスピリット】評価B 騎手A-
4歳のセン馬、栗東。3歳の春に京都新聞杯でディープボンド(のちに天皇賞(春)で2着、フォワ賞(仏GII)を制覇)とクビ差の2着に駆けている。その後は長く結果が出ていないが、気性の悪さがついて回っていた。今年2月の小倉の関門橋Sは、初ブリンカー着、1番人気。大きく出遅れ、道中は行きたがり、3コーナーを過ぎて外をマクッていきと、大変な競馬になった。普通なら大敗しているところで、6着でも力のあることの証明になったと言える。春に府中を使ったあと、放牧に出して去勢手術を施された。秋の復帰緒戦はカシオペアS。ヨレてゲートをうまく出られず、後方の追走で道中は少し力んで走っていた。直線は大外を攻め、ジリジリと脚を使って1秒差の10着で入線している。悪い内容だったわけではなく、落ち着いた走りができるようになっていくといい。中間はCWコースを中心に乗られ、追い日には4週続けて67秒台。今週は併せ馬で終いにしっかりと追われ、ラスト1ハロン11秒7をマークしている。3600mは気性を考えると微妙。ただ、兄のフルーキーは菊花賞で6着しているし、豊富なスタミナを隠し持っている可能性がある。「折り合いに課題のある馬が、緩い流れで逆に落ち着いて走る」というのはあるケースではあり、激走シーンがないとは言えない。
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JRAの平地最長距離となる芝3600mの戦い。昨年の覇者であるオセアグレイトが中心的な存在になるはずだったが、直前で回避することになった。結果、13頭立て、重賞勝ち馬はセダブリランテス1頭のみ。レベルは低めで、一気に混とんとしたレースになった。
伏兵馬狙いのアプローチで、寺島良厩舎(栗東)の5歳馬ディバインフォースに◎を打った。
3歳時には菊花賞で0秒3差の4着、今年の春には阪神の芝2600m(外)で強い競馬を見せてのレコード勝ち。後方からの競馬になるが、スタミナがあって、確実に脚を使ってくる。
中山は(0.2.1.1)と問題とせず、3600mの距離があれば少し違う競馬ができるかもしれない。田辺裕信は勝負を賭けた騎乗をすることがあるジョッキーだ。デキは良さそうだし、一発があって不思議はない。
加藤征弘厩舎(美浦)の5歳馬トーセンカンビーナも穴で気になる存在。
4歳の春には阪神大賞典で2着に食い込み、続く天皇賞(春)で5着に健闘した。転厩してからひと息だが、加藤師は「さらに上向いている。スゴく状態がいい」と。◎と同様にテンに置かれがちだが、デキが良ければ長く脚を使って伸びてくる。初の中山にも対応できそうだし、ガッツリ追ってくる横山武史で怖い。
▲はアイアンバローズ。アルゼンチン共和国杯の6着で重賞にメドを立て、丁寧に折り合いをつけていけば3600mもこなせそう。
△は3歳時に青葉賞でオーソリティとクビ差の2着に駆けているヴァルコス。以下、カウディーリョ、シルヴァーソニック、ボスジラなど警戒が必要な勢力が多くいて、とても印が回り切らない。
徹底先行馬が不在で展開は流動的。悪く言うわけではないのだが、ジョッキーたちが道中で好き勝手に動くような競馬になる可能性がある。レースとしてはおもしろいものになりそうで、ただ、結果を読むのは簡単ではない。
◎11番ディバインフォース
○8番トーセンカンビーナ
▲5番アイアンバローズ
△2番ヴァルコス
※10番カウディーリョ
×13番シルヴァーソニック
×9番ボスジラ
×1番バレリオ
×4番マンオブスピリット
【単勝】11番(10%)
【複勝】11番(50%)・8番(40%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
11→全通り
8→全通り
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【3連複】(軸2頭ながし)
8.11→全通り(11点)
5.11→全通り(11点)
5.8→全通り(11点)
2.11→全通り(11点)
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【3連単】(軸2頭マルチ)
11.8→全通り(66点)
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阪神11R
チャレンジカップ(GIII) 12月4日(土) 上昇馬VS実績馬
阪神の芝2000m(内)で争われるGIII競走。
正面直線からのスタート、内回りコースでコーナーは4つ。3コーナーの残り800mから緩めの下り坂が続き、直線に入って残り200m~残り100mが急な上り坂になっている(勾配は1.5%)。直線距離は359.1m(Bコース使用時)。もちろん競馬によるが、残り600mぐらいからペースが上がり、ラスト1ハロンがかかるというラップ構成になりやすい。
芝は連続開催の9週目で、先週までのAコースからBコース使用に替わっている。京都が改装工事に入り、使用頻度が高くなっている阪神。特に内は荒れてボコボコしていて、全体にタフな馬場になってきている。
先週の競馬では、レースが流れて外差しが決まることがもちろんあったが、内を通った勢力が頑張るケースが意外と多かった。もう外も荒れていて、外を通ればスピードに乗りやすいといった単純な馬場にはなっていない。今週から仮柵が設置されてBコースになる。傾向に大きな変化が出るとも思えないが、そこはやってみないとわからない。
阪神の芝のレースはとにかく難しくなっている。ジョッキーたちもつかめないでいろいろなところを通っている感じだ。いずれにせよ、パワーとスタミナが要求される状況であるのは確か。あと、折り合って息を入れられるかが重要なポイントになる。
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以下、全頭診断と騎手評価(50音順)。全頭診断は相対評価、騎手評価は絶対評価で、騎手評価は騎乗馬との相性を考慮する場合がある。
【アルジャンナ】評価B 騎手B
4歳、栗東。全弟にコマンドライン(サウジアラビアロイヤルカップ)。デビュー2戦目の東京スポーツ杯2歳Sでは、5馬身離されたといえコントレイルのレコード走の2着に駆けている。4歳の春にはマイラーズカップで2着。速い流れの中で中団の後ろで脚をタメ、直線は馬群を割って伸びてきた。続くエプソムカップは1番人気に推されてポジションを取りにいき、直線で脚をなくして10着に終わっている。秋緒戦の富士Sは目立つところなしの9着。課題である膝の不安はなくなったとのことだったが、十分には攻められていない感じだった。中間はCWコースと坂路でしっかりと負荷をかけられていて、叩いた上積みを見込んでいい状況。阪神の芝2000m(内)は新馬勝ちを決めた舞台だが、弱いところがあることを考えると、荒れた馬場は歓迎はできない。力はあり、変わり身があっても。武豊はテン乗りになる。
【カツジ】評価B 騎手A+
6歳、栗東。3歳時に大外から鋭く追い込む競馬でニュージーランドトロフィーをV。同年の秋にはマイルチャンピオンシップで0秒2差の4着に駆けている。5歳の秋にはスワンSを逃げ切って久々の勝利。6歳になった今年の夏には、函館スプリントS(札幌)で4コーナーで相当に外を回る形になりながら0秒1差の5着に伸びた(自身の上がりは33秒3)。前走のスワンS(18着)は、テンに押していき、馬群の中で力んで走って直線で脚がなくなったものである。中間は障害練習を取り入れ、1週前にはCWコースで65秒級の好時計。今週も終いにビシッとやられていて、トモが強化れている可能性がある。血統(母は芝1200mの北九州記念勝ち)や馬体からは中距離向きと思えないが、脚はあるので軽視もできない。先行馬が手薄なメンバーで、スワンSの時のように行かせる手に出るかも。
【ジェラルディーナ】評価A+ 騎手A+
3歳の牝馬、栗東。母はジェンティルドンナ(牝馬三冠、ジャパンカップ連覇、ドバイシーマクラシック、有馬記念)。2歳で阪神ジュベナイルFに挑戦した時は、ひ弱い段階で馬体重が428キロ。それで最後方追走から0秒5差の7着まで伸びた。3歳の夏からは条件級を3連勝。トモに力がつき切っていないのでゲートでアオることがあるが、しっかりとタメれば直線で鋭い瞬発力を発揮する。2勝クラス勝ちは、ラスト1ハロンが10秒台(推定)。阪神芝1800m(外)の西宮S(3勝クラス)は勝ち時計が1分46秒1(良)だったが、馬場状態を考えると相当に優秀な数字である。同じ日に秋華賞(勝ち馬アカイトリノムスメ)が組まれていて、時計が2分01秒2。内回りと外回りの差があるので比較するのが適切でないところはあるが、時計的には西宮Sの方が大きく価値が高い。秋華賞は賞金不足で出走できなかったが、出ていたら勝っていた可能性がある。中間は短期放牧に出され、栗東に戻ってからはCWコースで終い重点をじっくりと乗るという調整。まだビシビシとできないし、線の細さが残っているが、陣営は「仕上がりは問題ない」と話している。折り合い面で成長していて、2000mにも対応できていい。軽い馬場で切れ味を活かすのがベストではあり、荒れた馬場はプラスにはならないだろう。この点に関しては、福永祐一がなるべく馬場の良いところを走らせてくるはずである。斤量は53キロ。4連勝で重賞タイトルを獲るシーンあっていい。
【スカーフェイス】評価B 騎手A+
5歳、栗東。母は短距離重賞で活躍したスプリングサンダー、祖母の仔に天皇賞(春)を制したスズカマンボ。3歳の春には、プリンシパルSで最後方追走から33秒6の上がりで7着に伸びるという上々の走りを見せた。トモがしっかりしていなくて、その後の歩みはスロー。5歳になった秋に岸和田S(ハンデ54キロ)で3勝クラスをクリアした。ゲートでめずらしくトモが入って五分に出て、抑えて下げて中位の後ろでじっくりと脚をタメる。直線は大外を攻める形になったが、タフな馬場でレースのラスト1ハロンが12秒6かかり、そこを粘り強く伸びて差し切った。中2週が続くが、今週の坂路では52秒4-12秒1でしっかりと追われていて、デキ落ちはなさそう。重賞挑戦で斤量も増えては楽でないが、終いは脚を使うし、もつれる展開になるとあるいは。団野大成は若手の実力派。
【ソーヴァリアント】評価S 騎手S
3歳、美浦。母は桜花賞3着のソーマジック、姉にマジックキャッスル(秋華賞2着、ヴィクトリアマイル3着)。今年の春の弥生賞では、タイトルホルダー、シュネルマイスター、ダノンザキッドに次ぐ4着。夏に札幌の芝2000mで1勝クラスを勝ったが、好位追走から4コーナーで楽に先頭に立ち、直線で悠々と離して6馬身差で圧勝する強さだった。洋芝の中、ラスト2ハロンを10秒9-10秒9という常識外れをラップで駆けている(自身の上がりは33秒0)。続く札幌の2勝クラスも3馬身半差で難なくクリアした。秋のセントライト記念は好位の後ろ、馬群の中で力みのある走りに。3コーナーを過ぎて外に出してポジションを上げる。直線で楽に先頭に立って抜け出したが、最後はさすがに走りが崩れてアサマノイタズラに差し込まれて2着に終わった。しかし、中身は相当に濃い。疲れが抜け切らなかったので、菊花賞は自重して放牧へ。美浦に戻ってからは意欲的に乗られてきた。1週前にはルメールが跨ってウッドコースで65秒6-11秒5を楽にマークし、今週は4ハロンからやられた。少し余裕がある体に映るが、輸送で絞れてくるだろう。動きの力強さは目立っていた。問題は気性。オルフェーヴル産駒でうるさいところがあり、長距離輸送をクリアできるかと、当日の気配がポイントになる。成長すればGIでもと思えるような素材。荒れた馬場には対応できるし、ルメールとのコンビでどんなパフォーマンスを見せてくるのか注目される。
【ヒートオンビート】評価A+ 騎手S
4歳、栗東。母は桜花賞馬マルセリーナ、兄にラストドラフト(京成杯)。今年の春の大阪-ハンブルクC(阪神芝2600m(外))が初のオープン。転厩緒戦、久々という状況だった。レースは中位の外でスムーズな追走ぶり。直線に向いて追われると、しっかり加速して残り200mの前で早々と抜け出す。残り100mで手前が替わって脚色が鈍り、ミスマンマミーアに差されて2着に終わった。レコード決着の中で強い競馬だった。続く目黒記念はハンデ55キロで2着。ソツなく乗られてきたが、勝った52キロのウインキートスにラスト2ハロンを10秒6-11秒1で走られては、つかまえるのは難しかった。秋緒戦は京都大賞典(阪神)。中位の前の外を進み、少し力んで走っている感じ。4コーナーで上がっていったが、直線は頭が上がって反応せず、弾けずに後退して8着に敗れた。14キロ増で過去最高体重の480キロだったし、中身ができていなかったのかもしれない。中間はハードに乗られていて、1週前には川田将雅が跨ってCWコースで64秒台の好時計をマーク。今週はポリトラックに入れ、気持ち良さそうに推進力ある走りを見せてラスト1ハロンを11秒台の前半で上がってきた。叩いて上向いているのは間違いない。内回りの2000mは問題ないし、荒れた馬場にも対応できるはず。勢いのある3歳馬がいるが、こちらも成長段階にあり、好勝負になっていい。
【ペルシアンナイト】評価A- 騎手A-
7歳、栗東。3歳時に皐月賞でアルアインとクビ差の2着、同年の秋にマイルチャンピオンシップを制覇。4歳時は大阪杯で2着、マイルチャンピオンシップで2着。5歳時はマイルチャンピオンシップで3着。GIでこれだけ馬券に絡んでいる。6歳の暮れには有馬記念に挑戦し、7着と上々の走りを見せた。7歳の今年は、夏に札幌記念でソダシ、ラヴズオンリーユーと差のない3着に駆けている。天皇賞(秋)はゲート内でモタれて出負け。後方を進み、直線は捌けずに外に出すロスがあった。それでもしっかりと脚を使って7着に上がっている。中間はCWコースを中心に乗られ、1週前に64秒台の好時計が出た。今週は終いにビシッと追われて力強い動きを見せていて、変わらずデキは良さそうだ。札幌記念にしてもなだめつつの追走になっていたし、闘争心は健在。力をつけている若い馬を57キロで迎え撃つことになるが、自身が衰えているわけではなく、上位争いも十分に可能だろう。陣営の話からすると、少し早く動くような競馬をしてくるかもしれない。
【マイネルウィルトス】評価A+ 騎手A+
5歳、栗東。岡田一族。今年の春に福島民報杯(新潟芝2000m(外))を不良馬場の中で大差の圧勝。凱旋門賞にも登録した。函館記念は8着でも2着とは0秒1差。札幌記念はなだめるぐらいの行きっぷりで、内を立ち回って4着に健闘している。秋のアルゼンチン共和国杯はハンデが56キロ。ボコッと出て後手に回り、外の追走でやはりなだめつつの手応えだった。直線は外を伸ばしたが、内にモタれて追いづらい。騎乗したミルコ・デムーロによると、「ソラをつかった」とのことである。それでも渋太く脚を使って2着に上がっている。中間は意欲的に乗られ、1週前にはジョッキー騎乗でCWコースに入れ、中ほどを通って楽に63秒台。今週もCWで長めからやられてパワフルな動きを見せていて、叩いた上積みを見込んでいい。折り合い面から2000mはプラスで、福島民報杯の走りから荒れた馬場は望むところ。ミルコも2度目の騎乗になるし、差のない勝負になっていい
【マイネルフラップ】評価C 騎手A+
5歳、栗東。岡田一族。3歳の初めにシンザン記念で大外から追い込んでクビ差の2着に好走している。春のNHKマイルカップ(勝ち馬アドマイヤマーズ)は11着だったが、0秒5差と大きくは負けていない。その次のレースから5歳になった今年の2月まで、11戦して最高が5着と低迷していた。しかし、3月には大阪城S(ハンデ54キロ)で15番人気ながら3着に食い込んでいる。少し出して好位の内めにつけ、直線も内を渋太く伸びて1馬身+クビ差に頑張った。出走取消明けで4ヵ月半ぶりの実戦だったアンドロメダSは14着。道中は気持ちが乗って抑えるぐらいの行きっぷりだったが、直線に向いて追われると今度は気を抜く感じで伸びはなかった。中1週になり、最終追いは坂路で54秒9-12秒7と大きめだった。力は持っているのだが、気性面の問題が大きくて…。中1週で結果を出していて、集中力の面で変わってくるようなら。
【メイショウオーパス】評価C 騎手A-
6歳、栗東。デビュー時に中京のダ1400mで2歳レコードを更新。4歳時はすべて芝で、サウンドキアラ(のちに重賞を3勝、ヴィクトリアマイル2着)を負かしたことがあれば、テリートリアル(のちに小倉大賞典をV)とハナ差の2着に駆けたこともある。芝1600mの持ち時計は1分31秒6と速い。6歳になって、今年の春に中京ダ1400mでリステッド競走の栗東SをV。出脚は平凡だったが、行かせてコーナーでインに入る。直線は内めの馬群を割ってしっかりと抜け出した。秋にアンドロメダSで久々の芝参戦。ゲート内でゴソゴソして出負けし、後方で脚をタメる競馬に。4コーナーはかなり外で、直線はしっかりと伸びて7着に上がった。中1週になり、攻めは坂路で56秒2-12秒5と大きめ。上積みがあるか微妙だし、相手も強くなって、前走以上となると難しいだろう。
【モズナガレボシ】評価B 騎手S
4歳、栗東。3歳だった昨年の秋から3連勝。3勝クラスでは3着、2着、5着、3着という戦績だった。夏に中1週で小倉記念に挑戦、ハンデは53キロ。無理せず脚をタメ、直線入り口で大きく外に動かしていく。外差しが利く馬場の中でグイグイと伸び、ヒュミドールを交わして重賞制覇を決めた。その後は放牧に出され、福島記念は3ヵ月ぶりの実戦、ハンデは2キロ増えて55キロ。ゲートの出は悪くなかったが、レースが流れてタテに長い展開になり、徐々にポジションが下がってしまう。直線は外に出して伸びていないわけでもないが、目立たずに11着に終わった。中2週になり、日曜にポリトラックで大きめを乗って、水曜は坂路で55秒2-12秒6。迫力はひと息だったが、ブレずにしっかりと伸びてはいた。叩いた分の上積みはあるだろう。荒れた馬場で時計がかかるのは歓迎要素。阪神にも実績がある。ただ、別定の56キロで斤量の恩恵はない。他が馬場に苦しんで伸びあぐねるようだと、浮上する目が出てくる。
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昨年は3歳だったレイパパレ(牝馬)がこのレースを勝ち、翌年の春に大阪杯を制覇した。今年はソーヴァリアント、ジェラルディーナ(牝馬)と、順調ならクラシックをにぎわしていたであろう3歳馬が参戦する。迎え撃つ古馬も布陣は強力。非常に注目度の高いレースで、ただ、阪神の芝が悪くなっているのが残念である。
大竹正博厩舎(美浦)の3歳馬ソーヴァリアントに◎を打った。
夏の札幌での連勝が規格外の内容。セントライト記念は2着だったが、道中でゴチャつくシーンがあって力み、直線で早めに抜け出すという厳しい競馬になっての結果だった。
完成前の段階なので菊花賞を使うことはできず、放牧に出して疲れを取った。美浦での調整は意欲的。特にルメールが跨った1週前追い切りで見せた迫力は凄まじかった。
関西圏での競馬が初めてになるので、輸送で消耗しないかと、当日にイレ込んでいないかがポイントになる。器はGI級。それらを克服し、先への期待を大きくさせるような走りを見せてもらいたいところだ。荒れた馬場は問題ないはず。
相手の筆頭は5歳のマイネルウィルトス。春の新潟での不良馬場の中での大差圧勝が衝撃的で、マイネル軍団らしく力の要る馬場を得意にしている。攻めでハードに乗られていて、叩いた上積みは少なくない。完成期に入った印象があって。
▲は4歳のヒートオンビート。久々だった京都大賞典は動けなったが、0秒6差の8着で大きく負けているわけでもない。攻めで速い時計でやられていて、上向いているのは明らか。(2.2.1.0)の川田将雅で怖い。
△は3歳の牝馬ジェラルディーナ。名牝ジェンティルドンナの仔で、3連勝の勝ちっぷりは圧巻だった。秋華賞に出走できていたら、勝っていた可能性がある。まだ体がしっかりしておらず、荒れた馬場で走り切れるかが課題に。△にしたが、素質的に頭があっていい。
ソーヴァリアントとジェラルディーナに人気が集中することになる。連勝式の買い方は難しいが、ソーヴァリアントが勝ち切ることを期待した馬券をメインに、ジェラルディーナが頭で来た場合の押さえを買っておきたい。配当は合わないところがあり、うまく崩れてくれると理想的。
◎11番ソーヴァリアント
○4番マイネルウィルトス
▲6番ヒートオンビート
△1番ジェラルディーナ
※7番ペルシアンナイト
×2番カツジ
×5番スカーフェイス
×9番アルジャンナ
×10番モズナガレボシ
【単勝】11番(60%)
【複勝】4番(40%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
11→1.2.4.5.6.7
【馬連&ワイド】
4-11・1-11・1-11・1-11
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【3連複】(軸1頭ながし)
11→1.2.4.5.6.7(15点)
【3連複】(軸1頭ながし)
11→1.4.6.7(6点)
【3連複】(軸2頭ながし)
1.11→4.6.7(3点)
【3連複】(軸2頭ながし)
1.11→4.6.7(3点)
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【3連単】(軸1頭・1着固定)
1着:11
相手:1.2.4.5.6.7(30点)
【3連単】(軸1頭・1着固定)
1着:11
相手:1.4.6.7(12点)
【3連単】(軸2頭)
1着:1
2着:11
相手:2.4.5.6.7(5点)
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【土曜後半レース】
阪神12R
馬 連 1,240円
単 勝 740円(10%)
複 勝 230円(90%)
◎ヴァーチャリティ1着(4人気)
中山12R
馬 連 1,510円
ワイド 550円
ワイド 3,700円
単 勝 170円(20%)
複 勝 120円(80%)
◎ゼログラヴィティ1着(1人気)
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東京12R
3歳以上2勝クラス 12月4日(土) Hペースの激戦に
中山の芝スプリントで激戦の様相。ハナが理想のラングロワとコスモアンジュが共に3キロ減騎手を起用していて、テンから速いラップが刻まれることになりそうだ。
◎ゼログラヴィティは素質ある3歳の牝馬。1勝クラス勝ちの前走が、あり余るスピードをなだめ、直線でしっかりと伸びて抜け出す強さだった。1分08秒0(良)の勝ち時計は優秀で、ラスト1ハロンを11秒5で駆けている。
今回は放牧明け。少し余裕を持たせた仕上げに映る点がどうかだが、攻めは動いている。ヤネは引き続き戸崎圭太で、前走のような乗り方をしてくるだろう。2勝クラスでうまくいくかだが、一発で突破できるだけの能力を持っているので。
○カバーガールも3歳の牝馬。ゲートが悪いし、気性面で課題を残すが、脚力のレベルは高い。久々だった福島の前走(11着)は、直線でまともに詰まって競馬にならなかった。
中山の開幕週なので時計面では厳しい感じはあるが、どこかで穴を開けるはずで、走られる可能性があるので狙うことにした。
▲ニルカンタテソーロと△ショウナンバービーは、共に新潟の直線競馬での1勝クラス勝ちが内容ある走りだった。1200mは問題なく、この2騎もカバーガールと同様にどこかで穴を開けそうである。
◎は人気になっていて、○▲△はそろって人気薄。高配当期待で、連勝式は手広く買っていきたい。
◎11番ゼログラヴィティ
○15番カバーガール
▲6番ニルカンタテソーロ
△12番ショウナンバービー
※5番ヴォイスオブジョイ
×16番コスモアンジュ
×2番メインターゲット
×13番ホーリーライン
×4番エレガンテレイナ
【単勝】11番(20%)
【複勝】11番(80%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
11→全通り
15→全通り
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【3連複】(軸2頭ながし)
11.15→全通り(14点)
6.11→全通り(14点)
6.15→全通り(14点)
11.12→全通り(14点)
12.15→全通り(14点)
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【3連単】(軸2頭マルチ)
11.15→全通り(84点)
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阪神12R
3歳以上2勝クラス 12月4日(土) 実力牝馬がそろって
2勝クラスの牝馬限定戦。力のある牝馬がそろっていて、楽しみな一戦である。ただ、軽い馬場を好む馬が多く、その点でどうなるかだ。
◎ヴァーチャリティは9月に中京ダ1400mで1勝クラスを逃げ切り勝ち。当日は良発表でも時計が出やすい馬場だっただけに1分23秒7は強調はできないが、速めのラップを刻み、苦しくなりながらも押し切ってみせた。
この時は攻めが大きめのみだったが、今回は栗東のCWコースでハードに追われ、1週前に64秒級の速い時計が出ている。いい仕上がりにあるのは間違いなく、スムーズに先行して息が入れば粘りを発揮しそうだ。
○ラフリッグフェルは阪神ダ1800mで1勝クラスを勝った時の上がりが速く、ダ1400mでも結果を出している。間隔を開けても力を出せるタイプだし、藤岡佑介が前走(3着)のように外枠からのスタートをうまく対処できれば。
▲ディアノイア、△フェアレストアイルは、ダートで底が割れていないところがある。末脚堅実な※ジョウショーリードにも注意を払いたい。
◎9番ヴァーチャリティ
○13番ラフリッグフェル
▲11番ディアノイア
△7番フェアレストアイル
※12番ジョウショーリード
×8番スズカクローカス
×4番アラゴネーゼ
×14番ハニエル
×2番トリッチトラッチ
【単勝】9番(10%)
【複勝】9番(90%)
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【馬連&ワイド】(ボックス)
7.9.11.13
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【3連複】(ボックス)
7.9.11.12.13(10点)
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【3連単】(ボックス)
7.9.11.13(24点)
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中京11R
飛騨ステークス 12月4日(土) 軽量の伏兵馬狙い
フルゲートの18頭立て、ハンデ戦で上下差は6キロ。激戦必至で勝負できるレースではなく、軽量の伏兵馬を狙うことにした。
◎ゴールドチャリスは2歳時に中京の芝1200mでオープン特別を勝っている。今年の夏の函館での2勝クラス勝ちなど、外からあっさり抜け出して強い競馬だった。復帰戦の前走は10着に終わったが、スタートでアオッて大きく出遅れたもので、33秒0の上がりで伸びてはきていた。
その前走は12キロ増の428キロ。馬体を大きくしていたことは強調できる。中京の芝1400mは少し長いのだが、ハンデは52キロと軽いし、抑えて息が入り、直線でうまく捌くことができれば浮上するシーンがあっていい。
ヤネはテン乗りで秋山真一郎。追いの弱さが目立つジョッキーだが、それは自分でもわかっていて当然で、その分で丁寧には乗ってくる。
◎12番ゴールドチャリス
【単勝】12番(10%)
【複勝】12番(90%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
12→全通り
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中京12R
栄特別 12月4日(土) フルゲートの混戦
フルゲートの18頭立てで混とんとしたムード。安心して馬券を任せられる存在はいない。
◎ヤマニンサンパは素質ある3歳馬。久々で昇級だった阪神戦では、直線で外に出すときに内がゴチャつき、弾かれる形で大きく外に行ってしまった。それで0秒2差の5着まで伸びている。
中間は栗東の坂路でしっかりと負荷をかけていて、叩いた上積みは少なくないだろう。中京の芝2000mとなると少し長い感じだが、慎重に折り合いをつけていけばこなせないことはないはず。ヤネの藤懸貴志は甘さのあるジョッキーだが、同馬に乗るのも4戦連続になり、うまく力を引き出してもらいたいところだ。
○ケンハービンジャーは伏兵馬として気になる存在。2走前に新潟で昇級戦を3着し、福島の前走は力むところがあったりして、チグハグな競馬になっての8着だった。
使い込んでいて上積みがあるかは微妙だが、しっかりとした腕を持っている浜中俊がうまく誘導すると穴を開けるシーンがある。
◎15番ヤマニンサンパ
○5番ケンハービンジャー
【単勝】15番(10%)
【複勝】15番(90%)
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【馬連&ワイド】(ながし)
15→全通り
5→全通り
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【3連複】(軸2頭ながし)
5.15→全通り(16点)
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