フローラSの“美しくない”ラップ構成…
先に行われたオークストライアルのフローラステークスは、ルメール騎乗で5番人気のクールキャットが勝利を収めるという結末だった。一方で目についたがアンフィニドールのおかしな逃げっぷり。同馬に跨っていたのは川島信二で、彼は非常識レベルの“乗れないジョッキー”である。
以下、川島の話、アンフィニドールの話がゴッチャになってわかりづらいと思うが、読み進めていただけたらうれしい。
12秒5-11秒4-11秒3-12秒1-12秒9-12秒8-12秒6-11秒3-11秒0-11秒5(勝ち時計1分59秒4)
上に並べたのはレースのラップ構成。中盤にさしかかってから急すぎるラップの落ち方になっていて、まったくもって美しくない。
舞台である東京の芝2000mはスタートしてすぐにコーナーに入るため、外枠が不利なコースである。アンフィニドールは外の16番枠に入っていた(17頭立て)。
ゲートが開いて川島は少し強く手綱を押す。するとアンフィニドールに気持ちが乗り、一気に先頭に立った。レース後のコメントからして、発馬が決まれば行くつもりだったか。
ハミを噛んで後続を離し、2ハロン目からが11秒4-11秒3。中距離戦で序盤に11秒前半のラップが2つ続くと、あとの組み立ては難しくなる。
川島はパートナーをリラックス状態にしようと手綱を抑え、徐々に落ち着いて息が入るようになった。中盤でペースダウンし、5ハロン目は12秒9。2000mの距離で速い馬場状態も考えると、これは大きすぎる数字である。
以下、川島の話、アンフィニドールの話がゴッチャになってわかりづらいと思うが、読み進めていただけたらうれしい。
12秒5-11秒4-11秒3-12秒1-12秒9-12秒8-12秒6-11秒3-11秒0-11秒5(勝ち時計1分59秒4)
上に並べたのはレースのラップ構成。中盤にさしかかってから急すぎるラップの落ち方になっていて、まったくもって美しくない。
舞台である東京の芝2000mはスタートしてすぐにコーナーに入るため、外枠が不利なコースである。アンフィニドールは外の16番枠に入っていた(17頭立て)。
ゲートが開いて川島は少し強く手綱を押す。するとアンフィニドールに気持ちが乗り、一気に先頭に立った。レース後のコメントからして、発馬が決まれば行くつもりだったか。
ハミを噛んで後続を離し、2ハロン目からが11秒4-11秒3。中距離戦で序盤に11秒前半のラップが2つ続くと、あとの組み立ては難しくなる。
川島はパートナーをリラックス状態にしようと手綱を抑え、徐々に落ち着いて息が入るようになった。中盤でペースダウンし、5ハロン目は12秒9。2000mの距離で速い馬場状態も考えると、これは大きすぎる数字である。
2ハロン目からの3ハロンが34秒8で、次の3ハロンは38秒3。落差は3秒5にもなる。競走馬は車のような機械ではない。アクセルを踏んだり、ブレーキを踏んだりと変則的な走りをしたら、スタミナも気持ちも切れてしまう。
後続は意外にもこのペースに付き合ってくれた。3歳の牝馬による戦いだったことがあるかもしれない。無理に動くような馬は出てこず、ペースが落ちても少しずつ差が詰まっていった程度。直線入り口での差は1馬身半といったところだった。
そして、525.9mある直線。川島が追う態勢に入ったが、アンフィニドールはモロに内ラチにモタれてしまう。何とか引きはがそうとしても、なかなか言うことを聞いてくれない。
そんな状態が続き、残り400mのハロン棒を過ぎたところでメイサウザンアワーに押し込まれて前に入られる。川島は手綱を引っ張り、少し立ち上がる格好になってしまった。
これで追うのをやめる(あるいは追っているようにごまかす)ジョッキーは多いと思うが、川島は手を動かしてうながしていた。それでもバッタリきておかしくないところ、アンフィニドールは走ろうという意思を見せた。
ジリジリと盛り返すように頑張り、最終的には13着。着差はちょうど1秒で、自身の走破時計は2分00秒4だった。2ケタ着順であっても“大敗した”という評価は適当でない。
川島の話はあとに回し、まずはアンフィニドール。気性面の若さを残してはいるが、素材としてはいいモノを持っている。
デビュー戦の勝利は既走馬相手に決めたもの。阪神芝1800m(外)で勝ち時計が1分46秒3だった。今回は2戦目での重賞挑戦になり、距離は初めて、栗東からの長距離輸送は初めて、左回りは初めてと、状況は相当に厳しかった。
上述したようにラップは乱高下。道中はずっと舌がハミを越していたし、何度も手前を替えていた。直線で内にモタれたのは若さがあるからではあるが、キャリア的に致し方ない部分はある。
“特筆すべき”だと言い過ぎかもしれないが、直線で前に入られて引っ張ったあと、伸びようとしてのは立派である。競馬において勝負根性の有無は何より大事で、この馬はそれを持っているわけだ。
血統に目を向けると、父がモーリス(その父スクリーンヒーロー)で、母はヤマノフェアリー(芝1400mと芝1600mで1勝ずつ)。母の父はディープインパクトで、2代母の父はキングカメハメハになる。
3代母の仔にはトゥザヴィクトリー(エリザベス女王杯)。また、5代血統表内に“サンデーサイレンスの3×4”というゴールデンクロスがある点は見逃せない。
管理しているのは矢作芳人調教師。コントレイルが活躍した2020年はリーディングトレーナーの座に就き、21年も現在のところ勝利数は全国1位である。これからアンフィニドールをどう育てていくのか興味深い。
今後の動向は未確認。もちろん条件次第ではあるが、いい馬券になる可能性がある。ジョッキーを替えてほしいところではあって、その点はまだわからない。
次に川島信二(栗東・新谷功一厩舎所属)の話。ジョッキーに注目して競馬を見ている方には説明する必要もないだろう。言い方は悪くなってしまうが、“運動神経の悪い子”と表現するのがわかりやすいと思う。
フローラSのようにチグハグな騎乗をすることしばしば。時計感覚がないのか、ペース、展開に対応したセンスある誘導ができない。技術的にも問題がある感じで、馬をしっかりと御せずに持っていかれるケースが見られる。追いに関しても少々頼りない。
ちょうどフローラSと同じ日、阪神12Rに出走したミエノワールド。同馬にはその前のレースで川島が乗っていて、逃げて直線で内を開け、内から抜かれている(結果は4着)。
この騎乗ぶりを見て、西園正都師は「ゴール前で内を開けてしまったのはいただけない。あれは凡ミスだよ」と、川島を断罪した。
38歳になる川島。これまで重賞を5勝していて、うち3つがオースミハルカで挙げたものだ。最後の重賞勝ちは、12年の函館2歳S(ストークアンドレイ)になる。
近5年の勝利数を並べると、8勝、8勝、10勝、10勝、2勝(4月25日現在)。通算勝利数は329勝となっている。
個人的には「なぜ川島を起用するのか?」と不思議でならないのだが、時に有力馬に乗ってくるからやっかい。人気薄で狙い目がある馬の場合でも一緒で、取り扱いに困る。
リスクを承知で馬重視で◎を打ち、ヘタな騎乗をされて負けた時は「やっぱり…」となる。自分で馬券を買っているだけなら自分が傷つくだけだから問題は少ない。しかし、私は予想者であり、予想を出している立場として申し訳ない気持ちになる。
そんな川島でも勝ててしまうのが競馬。騎乗馬が抜けた能力を持っている場合があるし、結果的にポジショニングしたところに展開がハマる場合があるし、捌きに関しては自然とスムーズに進路ができる場合がある。
競馬は不確定要素の固まり。ジョッキーもその1つである。川島のように未熟なジョッキーはもちろん他にもいて、この不確定要素から逃れることはできない。でも、だからこそ競馬はおもしろく、だからこそギャンブルとして成り立っている。
結局は一個人の愚痴でしかないこのコラム…。最後までお読みいただき、ありがとうございました。先週までの競馬は終わったと心の面でしっかりと区切りをつけ、天皇賞(春)の予想に立ち向かいます。
後続は意外にもこのペースに付き合ってくれた。3歳の牝馬による戦いだったことがあるかもしれない。無理に動くような馬は出てこず、ペースが落ちても少しずつ差が詰まっていった程度。直線入り口での差は1馬身半といったところだった。
そして、525.9mある直線。川島が追う態勢に入ったが、アンフィニドールはモロに内ラチにモタれてしまう。何とか引きはがそうとしても、なかなか言うことを聞いてくれない。
そんな状態が続き、残り400mのハロン棒を過ぎたところでメイサウザンアワーに押し込まれて前に入られる。川島は手綱を引っ張り、少し立ち上がる格好になってしまった。
これで追うのをやめる(あるいは追っているようにごまかす)ジョッキーは多いと思うが、川島は手を動かしてうながしていた。それでもバッタリきておかしくないところ、アンフィニドールは走ろうという意思を見せた。
ジリジリと盛り返すように頑張り、最終的には13着。着差はちょうど1秒で、自身の走破時計は2分00秒4だった。2ケタ着順であっても“大敗した”という評価は適当でない。
川島の話はあとに回し、まずはアンフィニドール。気性面の若さを残してはいるが、素材としてはいいモノを持っている。
デビュー戦の勝利は既走馬相手に決めたもの。阪神芝1800m(外)で勝ち時計が1分46秒3だった。今回は2戦目での重賞挑戦になり、距離は初めて、栗東からの長距離輸送は初めて、左回りは初めてと、状況は相当に厳しかった。
上述したようにラップは乱高下。道中はずっと舌がハミを越していたし、何度も手前を替えていた。直線で内にモタれたのは若さがあるからではあるが、キャリア的に致し方ない部分はある。
“特筆すべき”だと言い過ぎかもしれないが、直線で前に入られて引っ張ったあと、伸びようとしてのは立派である。競馬において勝負根性の有無は何より大事で、この馬はそれを持っているわけだ。
血統に目を向けると、父がモーリス(その父スクリーンヒーロー)で、母はヤマノフェアリー(芝1400mと芝1600mで1勝ずつ)。母の父はディープインパクトで、2代母の父はキングカメハメハになる。
3代母の仔にはトゥザヴィクトリー(エリザベス女王杯)。また、5代血統表内に“サンデーサイレンスの3×4”というゴールデンクロスがある点は見逃せない。
管理しているのは矢作芳人調教師。コントレイルが活躍した2020年はリーディングトレーナーの座に就き、21年も現在のところ勝利数は全国1位である。これからアンフィニドールをどう育てていくのか興味深い。
今後の動向は未確認。もちろん条件次第ではあるが、いい馬券になる可能性がある。ジョッキーを替えてほしいところではあって、その点はまだわからない。
次に川島信二(栗東・新谷功一厩舎所属)の話。ジョッキーに注目して競馬を見ている方には説明する必要もないだろう。言い方は悪くなってしまうが、“運動神経の悪い子”と表現するのがわかりやすいと思う。
フローラSのようにチグハグな騎乗をすることしばしば。時計感覚がないのか、ペース、展開に対応したセンスある誘導ができない。技術的にも問題がある感じで、馬をしっかりと御せずに持っていかれるケースが見られる。追いに関しても少々頼りない。
ちょうどフローラSと同じ日、阪神12Rに出走したミエノワールド。同馬にはその前のレースで川島が乗っていて、逃げて直線で内を開け、内から抜かれている(結果は4着)。
この騎乗ぶりを見て、西園正都師は「ゴール前で内を開けてしまったのはいただけない。あれは凡ミスだよ」と、川島を断罪した。
38歳になる川島。これまで重賞を5勝していて、うち3つがオースミハルカで挙げたものだ。最後の重賞勝ちは、12年の函館2歳S(ストークアンドレイ)になる。
近5年の勝利数を並べると、8勝、8勝、10勝、10勝、2勝(4月25日現在)。通算勝利数は329勝となっている。
個人的には「なぜ川島を起用するのか?」と不思議でならないのだが、時に有力馬に乗ってくるからやっかい。人気薄で狙い目がある馬の場合でも一緒で、取り扱いに困る。
リスクを承知で馬重視で◎を打ち、ヘタな騎乗をされて負けた時は「やっぱり…」となる。自分で馬券を買っているだけなら自分が傷つくだけだから問題は少ない。しかし、私は予想者であり、予想を出している立場として申し訳ない気持ちになる。
そんな川島でも勝ててしまうのが競馬。騎乗馬が抜けた能力を持っている場合があるし、結果的にポジショニングしたところに展開がハマる場合があるし、捌きに関しては自然とスムーズに進路ができる場合がある。
競馬は不確定要素の固まり。ジョッキーもその1つである。川島のように未熟なジョッキーはもちろん他にもいて、この不確定要素から逃れることはできない。でも、だからこそ競馬はおもしろく、だからこそギャンブルとして成り立っている。
結局は一個人の愚痴でしかないこのコラム…。最後までお読みいただき、ありがとうございました。先週までの競馬は終わったと心の面でしっかりと区切りをつけ、天皇賞(春)の予想に立ち向かいます。
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